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クルマ好きの終着点は軽トラか? 究極のスーパーカーの魅力と選択肢

掲載 更新 39
クルマ好きの終着点は軽トラか? 究極のスーパーカーの魅力と選択肢

 数年前から、欧米の一部のカーマニアが日本の軽トラに熱狂していたらしい。

 さらにそれより前から、フランスの日本アニメファンは、来日時に軽トラを見ると「アニメに出ていたミニ・トラックだ!」と感動するとも聞いていたが、軽トラの本家である日本では、それほどの軽トラブームは起きなかった。

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 しかし、本国日本での軽トラブームは、深く、静かに進行していたのです……。

文/清水草一、写真/清水草一、DAIHATSU、SUZUKI、HONDA

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■クルマ好きの心の琴線に触れまくる『軽トラ』

スズキ スーパーキャリイ。車体カラーは本文でも言及されているガーデニングアクアメタリックだ

 このところ、軽トラブームが来ているらしい。いったいナゼ? 理由はよくわからない。

 数年前から、アメリカの一部マニアが、日本の軽トラに熱狂しているという話は伝わっていた。

 また、20年以上前から、日本のアニメファンが多いフランスで、アニメ作品中に登場する軽トラ(ミニ・トラック)に注目が集まり、彼らが来日すると、本物の軽トラを見て感動するとも聞いていた。

 しかし本家の日本では、「ふーん」「おもしろいね」くらいの反応で、特にマニアックなブームは起きなかった。

 個人的には、軽トラを意識したのは、3年前のスズキ・スーパーキャリィの登場からだ。キャビンが後ろに拡大され、シートがリクライニング可能になり、シートの後ろにカバンも置ける。これは2シーターミッドシップのフェラーリに似ている!

 見た目も頭でっかちでユーモラス。ボディカラーも、「ガーデニング アクアメタリック」などいかにもオシャレ。「これはクルマ好きのココロに刺さるぜ!」と直感した。

■クールなカラーに快適シート、ソフトなリーフリジット、こりゃイイぞ!

ダイハツ ハイゼットトラックジャンボ。激シブなカラーリングだ

 スーパーキャリィの登場に刺激されて調べてみると、ライバルのダイハツ・ハイゼットには、「ハイゼットトラックジャンボ」という、同じような拡大キャビン版が、1983年から存在していたんですネ! 私は3年前までその事実すら知りませんでした。それほどまでに、軽トラは守備範囲外だったのです。

 もちろん、RRのスバルサンバーや、ミドシップのホンダアクティがスゲエ! という話は知っていたし、乗ったこともあったけれど、しょせん自分とは関係ないクルマだった。なにせ積むものがないので……。

 ところが、ハイゼットトラックジャンボの広報車を借りてみると、ボディカラーはオフビートカーキメタリック。めっちゃクールやんけ! 拡大キャビンのおかげでリクライニングもできる。スーパーキャリィのほうがキャビンがデカいので、リクライニング角度も大きいけれど、実用上の差はあまりない。

 乗り心地はどうか。イメージ的には、路面の凹凸がガツンガツンが来そうだけど、乗ったらマシュマロのようにソフト! リーフリジットってこんなにカイテキだったの!? これはイイ! クールな上にカイテキ! 最先端にオシャレさん! これに乗ってりゃモテるかも!? と思ってしまいました。

 が、それでも特にブームは来なかった。

■注目度はラグジュアリークーペよりも上!?

スズキ スーパーキャリィと、撮影のため軽トラに雰囲気を寄せる筆者。誰が見ても奥のLCの所有者ではない……

 ところがここに来て、ついに日本でも風向きが変わった。

 それを強く意識したのは、昨年9月のこと。雑誌の撮影でスーパーキャリィに乗っていたら、そこに同業者のレクサスLC(出たばっか)が現れた。

 が、クルマ好きたちは全員スーパーキャリィの周囲に集まり、LCには見向きもしなかったのだ!

 別に新型車でもなんでもないというのに、スーパーキャリィのオーラはスゲエ! スーパースポーツを超えている!

 それでも私は、軽トラを買おうとまでは思いませんでした。なぜって、やっぱり使い道がないので……。

 ところがそんな私が、まったく突然に、軽トラを買ったのです!

 きっかけは、ふと「2CVみたいなプリミティブなクルマが欲しい」と思ったこと。その国産版は軽トラではないか。それもなるべく古くて安い軽トラを買えば、いろいろ不便だろうし故障もしたりして、2CVみたいに楽しいのではないか?

 そして、運命的に購入したのが、90年式のハイゼットトラックジャンボ(5MT)でした。車体は旧規格で、エンジンは660cc、車両本体価格29万円、総額40万円。31年前の軽トラがそんなにするのか! と思うかもしれないが、2CVなら200万円くらいするんだからお安いワ~!

 実車を見ずに買ったけど、乗ってみたらこれがもう、爆発的に面白い! 一般道で時速60キロ出すだけで、あまりにも気持ちよくてエクスタシー!

 いったいなぜこれほど、軽トラの運転は面白いのか?

 理由は、タイヤ付きのハコが動力で走る! というヨロコビを、最もダイレクトに実感できるから、ではないだろうか。

 走って、止まって、曲がるだけでウレシイ! 今のクルマたちは、あまりにも快適すぎて、それが実感しずらいのだ。軽トラも快適っちゃ快適なんだけど、あくまで「思ったより快適」と申しましょうか。

 そこに古さが加わると、より無防備感が増す。安全デバイスは皆無だし、パワステも集中ドアロックもないし、クーラーは修理したけどあんまり効かない。

 夏はサイドウィンドウ全開、リヤウィンドウも全開(ジャンボは扉のように左右に開きます)で、風を感じつつ、5速MTを駆使して一般道で時速60キロ出すだけで、「うわああああああーーーーっ!」と叫びたくなる。

■軽トラなら車種問わず、どれに乗ってもおもしろい!

スペック的に興味をそそられるホンダ アクティは残念ながら生産を終了しているが、軽トラはどれに乗っても楽しめる

 今年に入って、芸能人が続々と軽トラを買っている。岩城滉一氏がスーパーキャリィを、ヒロミ氏がハイゼットトラックジャンボを買い、カスタムしているという。

 軽トラには、カスタムするヨロコビもある。しかも手軽だ。荷台にケージを組み、フルカスタムした軽トラは猛烈にカッコいい。このカッコ良さはなんだろう?

 でも私は、31年前の自分の軽トラのほうがもっと味わい深いぜ、と心の中では思っている。だってネオクラシックカーだから!

 ちなみに、スペック好きのカーマニア的には、RR+4輪独立懸架+4気筒エンジンのスバルサンバーが最強で、次がミドシップ+リヤドディオンアクスルのホンダアクティ、という価値観があるでしょう。

 しかし、スーパーカーを合計15台乗り継いだ私にとって、4輪独立懸架よりも、キャリィやハイゼットのリーフリジットサスが最高に刺激的だった。軽トラになじみのない、都会育ちのカーマニアにとって、軽トラは最後の非日常であり、桃源郷だったのです。

 軽トラならスピードを出さなくても楽しいから、時代にも合っている。でもチューニングして速くすれば意外性は満点! なにをやっても面白そう!

 で、軽トラの選択肢ですが、アクティの生産終了に伴い、新車で買えるのはスズキ・キャリィとダイハツ・ハイゼットトラックのみ(現サンバーはハイゼットトラックのOEM)になったが、基本的にはどっちも似たようなもので、似たように面白い。

 中古車ならもっと選択肢は多いけど、自分の実感としては、旧サンバーやアクティにこだわる必要はないと思います。そして、荷台の積載量優先じゃないなら、スーパーやジャンボがオススメ!

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みんなのコメント

39件
  • そうは言ってもホンダ撤退でついに2社のみとなってしまった利益的に全く望めないキャリイとハイゼットをいつまで製造し続けられるかは、正直スズキとダイハツの良心に依存しているのが実情です。各社とも、田舎の道幅と荒れた路面、冬季の凍結をもっと鑑みてFRベース4WDプラットホームに投資をお願いします。
  • 買い物へ行く時に使う車→これが本当のスーパーカーです。。。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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