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2022年末登場の超大物「新型プリウス」王座奪還に必要なのは最強の燃費と低価格

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2022年末登場の超大物「新型プリウス」王座奪還に必要なのは最強の燃費と低価格

 現行型である4代目プリウスが登場したのは2015年12月のこと。2022年12月には7年目を迎えるタイミングであり、フルモデルチェンジの噂を耳にするようになってきた。実際、すでに現行型最終オーダーは終えているようで、ベストカー情報では、次期型は12月発表の見込みだという。

 かつては年間登録台数ナンバー1を連取していたプリウスだが、現在は販売ランキングのトップ10にも入らない状況。ハイブリッド車が多数登場している現在、はたしてプリウスは次期型でどう生まれ変わるのか!?? 現行プリウスの魅力と新型に期待することを考察しよう。

2022年末登場の超大物「新型プリウス」王座奪還に必要なのは最強の燃費と低価格

文:吉川賢一
写真:TOYOTA

「先進性」と「安心感」、「ステータス」まで得られたプリウス

 現在失速してしまっているプリウスだが、現行型プリウスがデビューした翌年の2016年は、登録車販売台数1位(驚異の24万8258台)、2017年も1位、2018年はノートとアクアに続く3位となったが、2019年には再び1位(12万5597台)に返り咲くなど、安定してヒットを続けていた。

 現行プリウスが大ヒットした理由、そのひとつはやはり、燃費の良さだ。ガソリンタンク容量はわずか43リットルだが、カタログ燃費はWLTCモードで30.8km/L(E-Fourは28.3)。実燃費をイジワルに0.7掛けの21.5km/Lと仮置きしても、1度の給油で約800kmは走行可能。燃料はもちろんレギュラーガソリンだ。クルマにそれほど乗らない方であれば、2カ月に一度の給油で済むかもしれない。

 また、「ナンバー1のクルマを買えば間違いない」という安心感も、現行プリウスがヒットした理由だろう。先代である3代目プリウスが大ヒットしたことにより、プリウスには「環境にやさしい」という先進性とともに、「安心感」というイメージも加わった。

 クルマのことはよくわからないけど、向かいの家もプリウスだし、うちもプリウスがいい、プリウスなら間違いない、そうした心理でプリウスを選んだ人も少なくないと思う。

 レオナルド・ディカプリオなど、多くのハリウッドスターがプリウスに乗っていたということも、プリウスのイメージを引き上げ、販売に大きく貢献したように思う。それでいて、車両価格は税込242万円から(2015年当時)。政府や自治体などによるエコカー減税や補助金導入によるバックアップも大きかったと考えられる。

2009年5月に登場した3代目プリウス。リダクション機構付THS-IIを搭載し、1.8Lのガソリンエンジンを採用。2009年から2012年の年間販売台数でトップとなるなど大ヒットした

2020年を境に失速へ

 しかし2020年に入ると、その勢いは徐々に衰え始め、2020年6月度の登録車販売ランキングでは11位と、とうとうトップ10から陥落。2020年年間では12位(67,297台)、2021年も年間で14位(49,179台)。今年2022年も1~8月は20位(22,612台)と低迷中だ。半導体を含む材料不足で新車供給が遅れているとはいえ、1位のヤリスは月間平均13,000台、2位のカローラも月間9,000台は超えており、プリウスの販売台数に、人気の下降が影響していることは否定できない。

 1997年の初代登場以来、「ハイブリッドといえばプリウス」というイメージをつくりあげたプリウスだが、昨今はほぼすべてのモデルにハイブリッドモデルがあり、プリウスでなければならない理由がなくなってしまった。また、コロナ禍による不安や、経済状況の変化によって、「より手ごろなハイブリッド車を」ということで、50万~60万円ほど安い、ヤリスやライズ、アクアへと流れてしまったことも考えられるし、逆に外出自粛でお金の使いどころがなくなった人であれば、ノアやヴォクシー、アルファード、RAV4やハリアーなどの上級モデルへ移行していったことも考えられる。これはさすがのトヨタにとっても誤算だったであろう。

 しかし「ほかにたくさんハイブリッドモデルが登場すればプリウスが売れなくなる」のは、至極当たり前の流れであり、当然トヨタだってそれは覚悟の上のはず。次期型プリウスのシナリオはすでに用意されていると思われ、そこが目下、気になるポイントだ。

プリウスは「技術に特化」であるべき!!

 筆者が次期型プリウスに求めたいのは、「さらに進化したハイブリッド技術」だ。それは、世界一の効率を持つプラグインハイブリッドユニットの開発にあるのではないか、と筆者は考えている。

 プリウスの進化系であるプリウスPHVは、ガソリン消費量を最小限にしながらも、338万円からという価格上昇を極力抑えた、世界最高のコスパを誇るプラグインハイブリッド車だ。バッテリー航続距離は60km、ハイブリッド時の燃費は30.3km/L、これを338~401万円で売り出しているのは、他メーカーにとっては驚異でしかない。

 次期型プリウスは、EV走行距離をさらに伸ばした、低価格車向けの新PHEVユニットを搭載することが望ましいと筆者は考える。いつの時代も、最先端技術の頭出しは「プリウス」とし、それ以降に他のモデルへ波及させるような流れを構築するのが、プリウスの役割としては「最善」ではないだろうか。ちなみに希望したいスペックは、1リッターのガソリンで100kmを走れる「令和のリッターカー」、なおかつ最安グレードが350万円以内だ。

 スタイリングは、実用的な「5ドアハッチ」路線を繰り返すのは間違いではないが、目標達成のために必要な空力ボディへ改良するというのも必要だ。クラウンが、デザインで「大きなチャレンジ」をしたように、技術に特化した次期型プリウスを見てみたい、と思う。

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