現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > これが世界が目指すサルーン 直6と最新技術の絶妙なハーモニー 新型Sクラスはまるで地上を走るクルーザーだ!!

ここから本文です

これが世界が目指すサルーン 直6と最新技術の絶妙なハーモニー 新型Sクラスはまるで地上を走るクルーザーだ!!

掲載 更新 30
これが世界が目指すサルーン 直6と最新技術の絶妙なハーモニー 新型Sクラスはまるで地上を走るクルーザーだ!!

 成功者の証として、世界のエグゼクティブに愛され続けるメルセデス・ベンツのフラッグシップセダン「Sクラス」。

 第7世代となる新型は、2020年9月にオンライン発表会でワールドプレミアを実施。威風堂々としたSクラスらしいエクステリアの内側に秘めた新提案のラグジュアリーカーの世界観に驚かされたことは記憶に新しい。

どうなるどうする新型ハイエース このまま2030年まで現行型でいく…のか…??

 そんな新型Sクラスが、2021年1月28日より発売が開始され、ついに試乗する機会が訪れた。新型Sクラスに備える数々の新機能の紹介を含め、試乗レポートをお届けしたい。

文/大音安弘、写真/塩川雅人(ベストカーWeb)

【画像ギャラリー】ついに発売!! ついに体験!! メルセデス・ベンツ新型Sクラスに試乗

■スピード上陸は日本市場重視の証!?

堂々たる風格。まさにSクラスらしい巨体ながら取り回しは意外にもいい

 7代目となる新型Sクラスがついに日本上陸した。発表から約4か月というスピード上陸を果たしたのは、メルセデス・ベンツにとって日本市場の重要さを示す証と言えるだろう。もちろん、それを支える多くのSクラスファンが存在するわけだ。

 そんな新型Sクラスの日本仕様は、グレードを厳選。ガソリン車の「S 500」とクリーンディーゼル車の「S 400d」に、それぞれ標準ボディとロングボディを用意する。つまり全部で4タイプしかない。

 しかし、それはスピード感を持って日本導入を図るための秘策でもある。新型モデルで恒例となった人気オプション満載の導入記念車「ファーストエディション」も用意されているが、驚くべきことに、「S 400d」と「S 500」のいずれもロングボディのみ。ここにSクラスが抱えるユーザー層の特殊性が伺える。

 そこで試乗車も豪華絢爛な「S 500 4MATICロング」を選択し、ひと時のプチオーナー気分を味わってみることにした。車両だけで、1724万円。なんとオプション込みの総額は、約2000万円を超える仕様である。

近年クーペルックのセダンがおおいが、SクラスはCピラー付近にもしっかり角度を設け、後席のヘッドスペースを確保している

 まずはビジュアルから見ていこう。

 写真で見るよりも実物の方がカッコイイ。新生代メルセデスデザインを取り入れたSクラスは、シンプルかつ流麗なスタイルが特徴。他モデルよりも控えめであるが、よりスポーティなスタイルに進化している。

 歴代モデル同様に近寄り難い雰囲気を放つが、ただ先代よりも威圧感は薄まったように思える。新型の持つ迫力の秘密は、余計な線を徹底して省いた彫刻のような造形美にあるのだろう。一言でいえば隙が無いのだ。

 しかし、ドアに近づくと、格納式ドアハンドルが起動し、Sクラスはお出迎えの体制に。まるで私を受け入れてくれたかのような感覚となり、少し嬉しくなった。

巨大なディスプレイは今やトレンド。しかしやや角度が寝すぎている印象も受け、もう少し起きていたほうが見やすいと感じる

 運転席まわりのデザインは、かなり未来的だ。

 センターコンソールと一体デザインとなる縦長インフォテイメントシステムのインパクトが凄い。そして、水平基調のダッシュボードデザインもクルマというよりは、クルーザーのようである。

 そんな造形からも運転時には、さぞセンターモニターが気になると思えたが、ドライバーの眼下にあるデジタルメーターとヘッドアップディスプレイが必要な情報をしっかりと表示し、運転中に必要な操作は、ステアリングスイッチで完結するため、センターモニターが気にならぬように設計されている。

 この辺は、さすがメルセデスと唸らせてくれるところだ。

■まるでCクラスのような扱いやすさ

低速時は逆位相に後輪を操舵。車庫入れやUターンなどで真価を発揮する

 まずは街中をドライブ。

 意外なことに運転がとてもし易い。機敏な動きをみせるので、思わず巨大なロングボディであることを忘れさせてくれる。まるでCクラスを操っているような感覚に陥る。

 もちろん、新型Sクラスのロングボディは、全長5290mm×全幅1920mm×全高1505mmと超デカい。先代ロングと比較しても、全長が+35mm、全幅が+20mm、全高が+10mmと一回りも大きくなっている。

 この扱いやすさを生むの秘密兵器が、後輪操舵機構「リヤアクスルステアリング」だ。これは60km/h以下では後輪を前輪と逆方向に、60km/h以上では同方向に後輪を操舵。これにより街中での小回り性を高める。

 また視覚的な効果として、包まれ感のあるコクピットデザインや鼻先まで見えるアイポイントの良さなどの相乗効果もある。ビジネスシーンでも熱い信頼を得ているのは、そんなドライバーへの配慮も大きいのだろう。

 高速走行時は、大海原を進むクルーザーのようなゆったりとした乗り心地を実現。エアサスペンションを路面状況に合わせて細かく調整を行ってくれるが、ちょっと演出感も強く思える。

 もっと色々な道を走り、そのキャラクターを知りたくなった。この辺も熟成が進むと面白みもありそうだ。高級車に求められる静粛性だが、街中から高速を含め、すこぶる高い。

 そのため、滑らかな回転フィールを持つ6気筒ターボエンジンの主張もかなり控えめとなり、寂しいくらい。個人的には、もう少し自慢の6気筒サウンドを楽しませて欲しいと思うほどだ。435ps/520Nmのエンジンが生む加速力は鋭いが、姿勢制御により実際の加速よりもクルマの動きは緩やかであった。

リアシートはまさに快適空間。当然ながらショーファードリブンも視野に知れている

 せっかくなので後席にも試乗。

 ロングのオーナーが最も好むと思われるポジションだ。シートは標準状態でも体を預けるような姿勢。まるでラウンジのソファーに体を預け、くつろいでいるような感覚だ。

 試乗車は、フットレスト付エグゼクティブリヤシートを装備。これは助手席が前に倒れ、スペースを確保。後席の大きくリクライニングし、レッグレストが競りあがることで仮眠も可能なシートポジションを作り出すもの。まさに自動車のファーストクラスシートである。

 アームレストに格納されたタブレッドを使えば、リラックスした姿勢のまま、インフォテイメントシステムなどの車内装備を操ることが出来るので、まさに至れり尽くせりな空間だ。

■新機能盛り沢山でデジタル感アップ

ARナビゲーションシステムの採用でよりルート案内が分かりやすく安全になった

 Sクラスの新機能も合わせて紹介したい。

 まずは進化したARナビゲーションシステムだ。新型のシステムの特徴は、ナビ画面だけでなく、ヘッドアップディスプレイにもAR表示が可能となったこと。

 中央の大型タッチスクリーンでは前方のカメラ映像の中に、AR表示で進行方向が示されるが、ヘッドアップディスプレイ内には進行方向のみが示させる。そのため、AR機能による進行方向の理解度がより高められている。

 またメーターパネルも、フル液晶であることは同様だが、3次元表示が可能に。フラットなパネルだが、メカニカルなアナログメーターのような立体的に感じられる。

 またデジタル表示では、情報の優先度により表示を切り替え、直感的な理解をサポートする。安全面では、後席用エアバックの採用も大きなトピックだ。

追従走行時にも周囲の車両をディスプレイ内にリアルタイムに表示する。トラックなども判別するのはさすが

 劇的な進化が図られたSクラスは、先代と比べると、ドイツ車らしいアナログ的な魅力は薄れ、デザインとメカニカルの両面でデジタル感が強くなった。

 この感覚は、次なる電動車のフラッグシップ「EQS」の味わいを先取りしたようにも思え、未来のメルセデスの在り方を想像させてくれる。まさに時代の最先端を切り開くメルセデスのフラッグシップに相応しいキャラクターといえる。

エンジンはメルセデスが精力的に復活させている直6。振動も少なくクルマ全体で新旧の融合が目立つ

 その一方で、直6主体とするパワートレインを活かしたアナログ風味も味わえるモードがあっても良いのではとも感じた。

 それはオールドファッションには違いないが、精密な機械式時計を彷彿させるメルセデスの味も、最新式ではどう表現できるのだろうかと好奇心が刺激されたのも本音だ。

 未来のメルセデスの形を提案してくれた新生Sクラスをメルセデス・ベンツが、今後、どのように熟成させていくのかも注目したい。

【画像ギャラリー】ついに発売!! ついに体験!! メルセデス・ベンツ新型Sクラスに試乗

こんな記事も読まれています

スズキのコンパクトSUV「エスクード」国内販売が終了 新たな「グローバルSUV」投入に期待!
スズキのコンパクトSUV「エスクード」国内販売が終了 新たな「グローバルSUV」投入に期待!
くるまのニュース
アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオ、限定車「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオ、限定車「ヴェローチェ スペリオーレ」発売
レスポンス
GWにホンダ青山本社で「モーターサイクルショー」開催、新型車をじっくり見られる機会!
GWにホンダ青山本社で「モーターサイクルショー」開催、新型車をじっくり見られる機会!
モーサイ
ホンダN-VANがマイナーチェンジ。特別仕様車FUN「STYLE+ NATURE」を同時発売
ホンダN-VANがマイナーチェンジ。特別仕様車FUN「STYLE+ NATURE」を同時発売
カー・アンド・ドライバー
ランボルギーニの電動化第二弾は「ウルス」!フェイスリフトでPHEVになったウルスの全情報!
ランボルギーニの電動化第二弾は「ウルス」!フェイスリフトでPHEVになったウルスの全情報!
AutoBild Japan
トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
トヨタが「新型モデル」世界初公開! クロスオーバー&SUV 2台同時に! 25年半ばまでに発売!? 「bZ3C」と「bZ3X」中国で登場
くるまのニュース
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
フォーミュラEの改良型マシン『GEN3 EVO』が初公開。4輪駆動化と超高速充電対応で2025年デビュー
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
フォルクスワーゲンが次世代大型電動SUV『ID.CODE』を発表
レスポンス
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
最近、スズキのデザインが尖ってきたワケ「キーワードはGSX-R DNAとプラットフォーム」
モーサイ
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
鉄道はあれど重い荷物にはバスのほうがラクだが……運休!? 空港行きの高速バスで2024年問題を痛感した!
WEB CARTOP
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
全長5m超えのトヨタ「大型バン」登場! 斬新“観音ドア&縦4灯テール”採用!? 特許庁が「新ハイエース」公表、反響は?
くるまのニュース
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
これ全部ベスパ!? 1万5000台による大パレードが行われたベスパワールドデイズ2024
バイクのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
[カーオーディオ 逸品探究]実力ブランド「モレル」の最新ハイエンド機『イレイト カーボン』の魅力に迫る!
レスポンス
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
7代目フォルクスワーゲン パサートは中身の濃い変更が行われていた【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
決算期3月は乗用車全セグメントで前年実績割れ!SUVマーケットはどうなっている?(24年3月の軽自動車を含むSUV車販売登録ランキングTOP20)
カー・アンド・ドライバー
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
ホンダが新型「5ドアスポーツクーペ」を世界初公開! 流麗デザイン×斬新ハンドル採用! 25年内に登場予定の新型「GT コンセプト」 北京で初披露
くるまのニュース
グーグルマップの“2台使い”が最適解!? GWの高速道路で大渋滞!「そのまま乗り続けるか次のICで降りるべきか」問題をどう乗り切る?
グーグルマップの“2台使い”が最適解!? GWの高速道路で大渋滞!「そのまま乗り続けるか次のICで降りるべきか」問題をどう乗り切る?
VAGUE
トヨタ新型「“SUV”ミニバン」発表! タフ顔&高級内装がカッコイイ! アンダー400万円の“充実装備”が嬉しい「GX O」印に登場
トヨタ新型「“SUV”ミニバン」発表! タフ顔&高級内装がカッコイイ! アンダー400万円の“充実装備”が嬉しい「GX O」印に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

30件
  • えぇ。。なんかインパネが嫌・・・
    タブレット横にして置いてあるみたいな2次元インパネ。
    運転席は自分の世界だから奥行きとか立体感とか大事にしてもらいたい。
  • やだやだ言わないの。買えないの。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1518.02233.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01930.0万円

中古車を検索
Sクラスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1518.02233.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

48.01930.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村