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【ドイツ御三家へ挑戦状】ジェネシスG70 2.0Tへ試乗 一部の仕上がりは競合以上

掲載 更新 21
【ドイツ御三家へ挑戦状】ジェネシスG70 2.0Tへ試乗 一部の仕上がりは競合以上

ドイツ御三家が強いプレミアム・サルーン

執筆:Richard Lane(リチャード・レーン)

【画像】ジェネシスG70とGV70 競合する欧州製Dセグ4ドアサルーンと比較 全116枚

翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)


欧州市場では、プレミアム・サルーンに乗るドライバーの多くがドイツ製モデルを選ぶ。それが現実だ。ブランドを乗り換えるという人も少ない。仮に違う銘柄を検討する場合でも、ドイツ御三家が選択肢になることがほとんど。

キャディラックにクライスラー、インフィニティ、レクサスだけでなく、アルファ・ロメオやジャガーでさえも、4ドアサルーンでの支持は得にくいのが実情。価値あるクルマが、人気を得られないまま姿を消すことも多かった。

恐らく新しいジェネシスG70も、その牙城を揺るがすことはないだろう。でもSUV一辺倒のような時代に、新鮮で印象的なデザインを持つ3ボックス・サルーンの登場は、歓迎したいところ。サイズも丁度良く、後輪駆動でもある。

しかもタイヤはスポーティなミシュラン・パイロットスポーツ4S。G70の内容は悪くない。

ジェネシス・ヨーロッパには、精鋭が揃っている。チーフエンジニアのタイロン・ジョンソンは、先代のフォード・フォーカスRSの開発に関わっていた人物だ。

クリエイティブ部門のチーフは、カーデザイナーのルク・ドンカーヴォルケ。ランボルギーニ・ムルシエラゴやべントレーEXP 10 スピード6 コンセプトのデザインを率いた経歴を持つ。

研究開発部門のトップはアルバート・ビアマン。歴代のBMW M3やM5の中で、傑作と呼ばれるモデルを監修している。彼はジェネシス・ブランドが誕生した2015年以来、ヒュンダイ・グループ全体のR&D部門でトップを務めている。

BMWでは3シリーズに相当するG70

ジェネシスというブランドは、韓国のコングロマリット発のラグジュアリー・ブランド。欧州へは2021年に上陸を果たした。

BMWを例にすると、5シリーズへ相当するG80と、X5相当のGV80がブランド上位モデル。その下を支えるようにBMW 3シリーズに相当する今回のG70と、X3相当のGV70をラインナップする。AUTOCARではGV70へ試乗済みで、印象は良かった。

さらに純EV仕様のG80も登場予定。コンパクト・クロスオーバーのGV60も控えている。ジェネシスは、ハイブリッドをスルーした。内燃エンジンから直接、純EVへシフトする戦略を取っている。

G70には、ガソリンターボとディーゼルターボ・エンジンが載る。Dセグメントの中で、車重は比較的重い方。レイアウトは縦置きエンジンの後輪駆動で、BMWに近い。

キア・スティンガーGT-Sに搭載される3.3L V6ツインターボも一部の市場では提供されているが、英国へ入ってくるかは不明。当面は直列4気筒のみとなる。トランスミッションは共通して8速ATだ。

クロスオーバーのGV70には電子制御のリミテッドスリップ・デフが組まれるが、サルーンのG70では見送られた。シンプルだが、仕上げが良ければ魅力的なクルマになる構成でもある。

トリムグレードはプレミアムラインとラグジュアリーライン、スポーツラインの3段階。オプション・パッケージも多彩に用意され、試乗車のスポーツラインには4つのパッケージが載り、英国価格は4万9590ポンド(753万円)に上昇していた。

ちなみに英国でのG70は、33400ポンド(507万円)からに設定されている。

FRの良好なシャシーバランス

ジェネシスG70の仕上がりは、部分的には高い。フロントノーズが長いものの、軽量な4気筒エンジンが載り、車重の割に意欲的に回頭してくれる。ターボラグが感取されるが、エネルギッシュさもあり好感が持てる。

基礎構造をキア・スティンガーGT-Sと共有していることもあって、シャシーバランスに優れ扱いやすい。郊外の流れの速い道でも、滑らかに路面を進んでいく。特に、垂直方向の姿勢制御が得意なようだ。

走行時のフィーリングにも、おしなべて洗練さを感じる。不足ない中回転域でのトルクが、印象を高めている。

一方で、積極的にペースを速めた時のダイナミックな輝きは今ひとつ。ステアリングホイールの反応は鋭いものの、手のひらへの感触はほぼない。8速ATのシフトマップも、期待へ充分には応えてくれない。

路面状態が悪くカーブの連続するような区間でペースを速めると、サスペンションが対応しきれず落ち着きが薄れてしまう。路面への追従性が弱くなり、ドライバーとの一体感は高まらない。FRでも、ジャガーXEやBMW 3シリーズとは異なる。

オプションで本皮となるシートは、幅が広く快適。スポーツ・モードでの走りを支える、サイドボルスターも柔らかく心地良いのだが、着座位置が高すぎる。

車内は全般的には居心地が良い。リアシート側の足もと空間は少々不足気味。一部のスイッチ類などはジェネシスではなく、キアのものに近く感じられた。

興味深い4ドアサルーンの新提案

ジェネシスG70という提案は興味深い。顧客の元へジェネシスの担当者が訪問するという、カスタマーサービスも新しい。このクラスでは、最も身近にモデルを体験することができそうだ。

一部のスポーティ・サルーンと比較して、優れていると感じる部分もあることは確か。一風変わった雰囲気を持つ、新しい選択肢の登場といえるだろう。

ジェネシスG70 2.0T スポーツライン(英国仕様)のスペック

価格:4万480ポンド(615万円)
全長:4685mm
全幅:1850mm
全高:1400mm
最高速度:239km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:11.3-12.5km/L
CO2排出量:182g/km
車両重量:1675kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:244ps/6200rpm
最大トルク:35.8kg-m/1400-4000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

21件
  • アウディから引き抜いたっていうデザイナーも頭抱えてるだろうな。
    「こいつら本当に外見だけで車を作りやがる・・・」
  • 虎木達「ありがとうジェネシス、いい車です」
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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