特別仕様車…いい響きです。溢れ出るラグジュアリー感、文字通りの特別感…“他にない感じ”がほとばしっています。でも、特別仕様車って、ほんとに買っておトクなクルマなんでしょうか、それとも実は言葉に踊らされているだけで、損をしてたりはしないんでしょうか(さすがにそんなことないだろうと思ってたら、装備品の差し引きで見ると実は割高なクルマもありました)?
そこで、コスパご意見番・モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏により、3月までに購入が可能な特別仕様車たちの「装備・コスパ損得勘定ランキング」を決定してもらいました!
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お得度順にしつつ、お得度が拮抗するものは渡辺氏のクルマ自体の評価(おすすめ順)に並べています。こうして、あくまで装備品の差し引きで見てみると、15万円近くお買い得なものから実は割高になったクルマまで、様々なものがあるとわかります。
はたして、どの特別仕様車が「買い」なのか? 1年のうちで一番買い替えが進む3月ということで、クルマ購入を考えている人は、ぜひ本企画を購入時の参考にしてください。
※本稿は2019年2月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年3月10日号
■[ワンポイントアドバイス!]特別仕様車の正しい買い方、選び方
(TEXT/渡辺陽一郎)
特別仕様車を選ぶ時に注意したいのは、ベースのグレードに加えられた特別装備の内容だ。エアロパーツが格安で装着されても、不要な装備だったら価値はない。
欲しい装備が加わっていたら、次は特別仕様車の割安度「ベースのグレードにどの装備が加わり、価格をどの程度高めたか」を計算する。オプション価格などを参考に、特別装備を価格換算できれば、「10万円相当の装備を加えて、価格上昇は6万円だから、4万円割安だ」と計算ができる。
ただしオプション装備は選択が可能だが、特別仕様車の装備は標準装着だから、安く付いて当然だ。そこで特別装備を価格換算する時は、オプション価格の85%で計算する。それでも加わった装備の割に価格上昇が少額なら、割安な特別仕様車と判断できる。
悩むのは、既存のグレードに加わる特別装備が8点ある内、欲しいものが4点に限られるような場合だ。この時は、既存のグレードに、欲しい装備だけをオプション装着した場合の合計額と、特別仕様車の価格を比べる。
このように特別仕様車は、既存のグレードやオプション装備と比べて判断することが大切だ。
■[3月まで買いの特別仕様車] 国産車編/10位 → 6位
10位はステップワゴンのブラックスタイルだ。1.5Lターボの場合、ベース車に外装の色彩変更など3万円相当の価値を加えたが1万円ほど割高となる。
●ステップワゴン ブラックスタイル:価格 309万4200円
●買い得金額:−1万3200円
305万1000円…ベースグレードの価格(スパーダクールスピリットホンダセンシング)
3万円…特別装備の価格換算額
309万4200円…特別仕様車の価格
-1万3200円…買い得価格
9位はC-HRで、2種類の特別仕様車を設定した。Gモードネロは本革とファブリックを使う専用シート表皮、内装やアルミホイールのブラック塗装などで5万円に換算。価格も5万円の上乗せで、買い得価格は0円だ。
●C-HR Gモードネロ/Gブルーノ:価格 297万9200円
●買い得金額:0円
292万9200円…ベースグレードの価格(C-HR・G)
5万円…特別装備の価格換算額
297万9200円…特別仕様車の価格
0円…買い得価格
8位はスイフトXGリミテッドだ。XGに安全装備のデュアルセンサーブレーキサポート、サイド&カーテンエアバッグなど13万円相当の装備を加え、価格上昇は11万7720円。1万円少々お得だ。
●スイフト XGリミテッド:価格 146万1240円
●買い得金額 +1万2280円のおトク!
134万3520円…ベースグレードの価格(XG)
13万円…特別装備の価格換算額
146万1240円…特別仕様車の価格
+1万2280円…買い得価格
7位はフィットコンフォートエディション。13G・Fに運転席と助手席のシートヒーター、360度スーパーUV&IRパッケージなど7万円相当の装備を加えた。価格上昇は3万2400円だから、4万円近く割安になる。
●フィット コンフォートエディション:価格 146万1240円
●買い得金額:+3万7600円のおトク!
142万8840円…ベースグレードの価格(13G・F)
7万円…特別装備の価格換算額
146万1240円…特別仕様車の価格
3万7600円…買い得価格
6位は定番の特別仕様車であるヴォクシーZS“煌2”だ。ノーマルエンジンの場合は、ベース車のZSに右側スライドドアの電動機能(左側はZSも標準装着)、後席のオートエアコン機能、内外装の色彩変更など、15万円相当の価値を加えた。価格上昇は9万3960円だから、約6万円割安になる。
●ヴォクシー ZS “煌(きらめき)2”:価格 285万6600円
●買い得金額:+5万6040円のおトク!
276万2640円…ベースグレードの価格(ZS)
15万円…特別装備の価格換算額
285万6600円…特別仕様車の価格
5万6040円…買い得価格
■[3月まで買いの特別仕様車] 国産車編/5位 → 1位
5位はワゴンR25周年記念車だ。ハイブリッドFZリミテッドは、ベースグレードのハイブリッドFZに、助手席シートヒーター、専用ファブリックのシート表皮などを加え、アルミホイールを14インチから15インチに拡大した。総額8万円相当だが、価格上昇は1万6200円だから、6万円ほど割安だ。
●ワゴンR 25周年記念車:価格 142万5600円
●買い得金額:+6万3800円のおトク!
140万9400円…ベースグレードの価格(ハイブリッドFZセーフティパッケージ装着車)
8万円…特別装備の価格換算額
142万5600円…特別仕様車の価格
6万3800円…買い得価格
ちなみに軽自動車は、特別仕様車のベースになるグレードでも値引きが少ないから、特別仕様車の割安感が直接出費の安さに繋がる。
4位はヴィッツセーフティエディション3だ。ヴィッツは発売から8年以上を経過して売れゆきが下がった。このような車種では、割安な特別仕様車は、販売を維持する手段として効果的だ。
●ヴィッツ セーフティエディション3:価格 157万320円
●買い得金額:+8万1440円のおトク!
148万1760円…ベースグレードの価格(1.3F)
17万円…特別装備の価格換算額
157万320円…特別仕様車の価格
8万1440円…買い得価格
1.33LエンジンのFセーフティエディション3は、ベース車の1.3Fに、緊急自動ブレーキを作動できる安全装備のトヨタセーフティセンス、クリアランスソナー、バイビームLEDヘッドランプ、フォグランプなど17万円相当の装備を加えた。価格上昇は8万8560円だから、8万円程度割安になる。安全装備を安く加えたから、選ぶ価値の高い優れた特別仕様車だ。
3位はインプレッサの1.6 i-LアイサイトSスタイルになる。1.6i-Lアイサイトに、LEDヘッドランプ、クリアビューパック、サイドシルスポイラー、アルミパッド付きスポーツペダルなどを加え、装飾も充実させた。これらを合計すると25万円相当で、価格の上乗せは16万2000円だ。従って約9万円割安になる。装飾の追加も入ったのであれば買い得だ。
●インプレッサ 1.6i-LアイサイトSスタイル:価格 210万6000円
●買い得金額:+8万8000円のおトク!
194万4000円…「ベースグレードの価格(1.6i-Lアイサイト)
25万円…特別装備の価格換算額
210万6000円…特別仕様車の価格
8万8000円…買い得価格
2位はレヴォーグ1.6GTアイサイトVスポーツになる。1.6GTアイサイトに、後方の並走車両を知らせたりするアイサイトセイフティプラスの運転支援と視界拡張機能、ビルシュタイン製ショックアブソーバー、LEDヘッドランプなどを加えた。アルミホイールやブレーキのサイズも拡大している。
これらの価格換算額は合計33万円だが、価格の上昇は21万6000円だから、約11万円割安だ。走行性能を高めたから、走りのいいレヴォーグに相応しい特別仕様車となった。
●レヴォーグ 1.6GTアイサイトVスポーツ:価格 307万8000円
●買い得金額:+11万4000円のおトク!
286万2000円…ベースグレードの価格(1.6GTアイサイト)
33万円…特別装備の価格換算額
307万8000円…特別仕様車の価格
11万4000円…買い得価格
そして1位はeKワゴンGセーフティプラスエディションだ。この特別仕様車を買うと、ディーラーオプションとして用意される約18万円のカーナビが、無料で装着される(取付工賃は別途必要)。
特別仕様車の価格は、ベース車のGセーフティパッケージと同額だ。つまり18万円のカーナビが、丸々サービス装着されるが、特別仕様車の装備は選択の自由が利かない標準装着品だ。そこで買い得価格の計算は、85%の15万円とした。
●eKワゴン Gセーフティプラスエディション:価格 141万3720円
●買い得金額:+15万円のおトク!
141万3720円…ベースグレードの価格(Gセーフティパッケージ)
15万円…特別装備の価格換算額
141万3720円…特別仕様車の価格
15万円…買い得価格
このGセーフティプラスエディションは、特別仕様車というよりディーラーオプションのプレゼントだ。販売店で取り付けるだけなので、一般の特別仕様車に比べて生産コストを抑えられる。メーカーにとっては都合がいい。
なおeKワゴンは2019年3月末にフルモデルチェンジされる。次期型は日産が開発するから、クルマ作りを大幅に刷新する。現行型は設計が古く推奨できないが、フルモデルチェンジの直前になると、Gセーフティプラスエディションの在庫車をさらに安く売ることもあるだろう(ただし台数は少ない)。安さを徹底的に重視するユーザーには魅力的だ。
■[3月まで買いの特別仕様車] 輸入車編/5位 → 1位
輸入車も特別仕様車を設定しているが、メーカーのウェブサイトやカタログを見ると、「どのグレードに、何の装備を加えたのか」が日本車に比べてわかりにくい。特別仕様車に加わる「特別装備」と、価格の違いが明確にわからなければ、そのクルマが買い得なのか割高かを判断できない。これではユーザーも選びにくくなってしまう。
既存のグレードに関しても、輸入車は概してボディサイズ、最小回転半径、エンジン、装備の組み合わせなどがわかりにくい。ウェブサイトやカタログのレイアウトは基本的に世界共通で、解説文だけを翻訳したものも多いが、わかりやすさに重点を置くべきだ。
さて輸入特別仕様車のランキングだが、5位はプジョー208シグネチャーだ。208ファーストセレクションに、バックアイカメラやバックソナーを加え、スチールホイールのサイズを15インチから16インチに拡大した。
●208 シグネチャー:価格 210万円
●買い得金額:+1万円のおトク!
199万円…ベースグレードの価格(208ファーストセレクション)
12万円…特別装備の価格換算額
210万円…特別仕様車の価格
1万円…買い得価格
これらの価格換算額は12万円で、ベース車と比べた特別仕様車の価格上昇は11万円だから、1万円割安になった。買い得とはいえないが、後退時の安全性を高めるなど、機能は相応に注目される。
4位はフォルクスワーゲンゴルフヴァリアントのテックエディションだ。TSIコンフォートラインをベースにしたタイプなら、カーナビ、多機能なデジタルメーターのアクティブインフォディスプレイ、LEDヘッドランプなどが加わる。
●ゴルフヴァリアント テックエディション:価格 316万9000円
●買い得金額:+7万円
293万9000円…ベースグレードの価格(TSIコンフォートライン)
30万円…特別装備の価格換算額
316万9000円…特別仕様車の価格
7万円…買い得価格
これらの価格換算額は約30万円で、ベース車と比べた価格上昇は23万円だから、7万円割安だ。割安価格の金額は普通だが、ニーズの高い装備を多く採用したので、選ぶ価値の高い特別仕様車になった。
3位はシトロエンC3コロラドエディションだ。C3シャインをベースに、シート生地をテップレザーとファブリックのコンビネーションに上級化して、16インチのアルミホイールも17インチに拡大した。外装色は2色のバイトーンになる。
●C3 コロラド:価格 252万円
●買い得金額:+9万円
246万円…ベースグレードの価格(C3シャイン)
15万円…特別装備の価格換算額
252万円…特別仕様車の価格
9万円…買い得価格
これらは総額15万円相当で、特別仕様車の価格上昇は6万円だから9万円割安だ。個性的な外装色、本革を使ったシート生地などが好みに合えば、選ぶ価値も高い。
2位はボルボV40T3タックエディションになる。1.5Lターボエンジンを搭載するT3に、FA-dodzkuHDDナビ、フロントシートヒーター、ボルボガードシステムなどを加えた。シート生地も上級化され、これらの価値は総額43万円相当になる。
●V40 タックエディション:価格 368万円
●買い得金額:+14万円
339万円…ベースグレードの価格(T3キネティック)
43万円…特別装備の価格換算額
368万円…特別仕様車の価格
14万円…買い得価格
ベース車と比べた価格上昇は29万円だから、14万円割安だ。実用装備も多いが、買うか否かの判断では、シート生地などの趣味性が決め手になる。
1位はプジョーのSUV、2008クロスシティだ。2008アリュールをベースにした特別仕様車で、グリップコントロールやフロントドアステップガードを装着する。
●2008 クロスシティ:価格 269万9000円
●買い得金額:+15万1000円
265万円…ベースグレードの価格(2008アリュール)
20万円…特別装備の価格換算額
269万9000円…特別仕様車の価格
15万1000円…買い得価格
これらの相乗効果でSUVaらしさを強めた。タイヤはオールシーズンに変更され、シート生地はアルカンターラ&テップレザーに上級化している。専用フロアマットも加えた。
これらの価格換算額は総額20万円だが、特別仕様車の価格は、ベース車と比べて4万9000円の上乗せに抑えた。そうなると15万15000円割安だ。内外装を格好よくグレードアップして、走破力も向上させながら、買い得な特別仕様車に仕上げた。
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