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ボルボC40リチャージ・アルティメイト&XC40リチャージ・プラス試乗 2種のモーター乗り比べ

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ボルボC40リチャージ・アルティメイト&XC40リチャージ・プラス試乗 2種のモーター乗り比べ

ラインナップ拡充、シングルはどう?

ボルボの最新クロスオーバーSUVモデル、C40リチャージ。

【画像】ボルボXC40リチャージ・プラス&ボルボC40リチャージ・アルティメイト【内外装を比較】 全51枚

昨年発表され話題を呼んだこのクルマは、ボルボ・ブランドとして初のBEVとなる。

2025年までに販売車両の半数をBEVに(日本は45%)、さらに2030年までにはすべてBEVに切り替えると宣言した同社にとって大切な第一歩である。

導入当初のC40リチャージは車体の前後に1基ずつモーターを装備するツインモーターのAWDモデルのみだった。

ところが今年の3月にはシングルモーターのFWDモデルの受注も開始され、選べる幅が広がっている。

一方ボルボは今年の5月、XC40のBEVモデルであるXC40リチャージも本邦デビューさせている。

こちらは当初からツインとシングルという2種類のパワートレインが選べるようになっている。

今回はツインモーターのC40リチャージとシングルモーターのXC40リチャージを乗り比べることができたので、そのフィーリングの違いをリポートしてみたい。

ちなみに両車はCMAプラットフォームを核とする兄弟車であり見た目はSUVクーペ風のC40の方が軽快に見えるが、実際の車重は同一となる。

以前も「直4対V6」のような比較は存在したが、BEVの場合はモーターの数が最高出力のみならず駆動方式にも影響を与えるという点で興味深い。

つまり必然的に直4 FWD対V6 AWDのような図式が出来上がるのだ。

ではまず「シングル」から試乗してみよう。

電動の滑らかさ、呼応するシャシー

シングルモーターの試乗車はXC40リチャージ・プラス・シングルモーター。

見た目におけるXC40のHEVモデルとの最大の違いはフロントグリルがカバーされている点。

それ以外のヘッドランプやバンパーの形状などもマイナーチェンジ後のスタイルになっている。

車両価格は579万円に設定されているが、CEV補助金を活用すると500万円をわずかに切る価格になり、これはXC40のベースモデル、B3プラスと同等だという。さらに東京都の補助金が適用された場合は451万8000円というXC40シリーズの最安値となるらしい。

走りだした瞬間に感じるのは、右足に吸いつくようなEVならではのパワーデリバリーだ。

ワンペダルによる制動感も扱いやすい。ちなみにスタートボタンは省かれ、シフトノブをDに入れるだけで走行可能となる。

このシングルモーターのスペックはモーターの最高出力が231psで駆動用バッテリーの容量は69kwh、1充電あたりの航続距離は502kmとなっている。

一方ツインモーターの最高出力は204ps×2で408ps、バッテリー容量は78kwh、航続距離は484kmなので、走行距離にパワーほどの差はない。

車重は2tちょうどだが、モーターが回った瞬間から33.6kg-mの最大トルクがフルに供給されるので、加速力に一切不満はない。

それよりも感心すべきはしっとり滑らかなモーターの駆動とシンクロするような電動パワステ(特に中立付近の)の感触、そしてガッチリとしたボディが醸し出すいいモノ感だ。

やはり重要視するのは「航続距離」?

シングルの印象は上々だった。

ところがC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーターで走りはじめると直感的にこちらの方が「より良い」と感じた。

これはモーターの数云々ではないがツインの方が単純に乗り心地がいいのだ。

150kgという車重の増加で前後の重量配分が均等になった結果だろうか?

車重が軽い方がアシが硬く、重い方が柔らかく感じられるという傾向は、同じ硬さのバネを異なる重さのクルマに使った場合によくあるパターンだ。

とはいえ両者のサスペンションセッティングは異なっているという。

今回の場合シングル(XC40)の試乗個体の走行距離がわずか650kmだった点も気になる。

乗り心地の部分の答えは出そうにないので、本題のシングルかツインかに話を戻そう。

タイヤがスリップしそうなくらいツインモ-ターの全開加速は強烈だ。

そして加速する瞬間の、ボディ全体にキレイにパワーが入る様子は後輪も駆動するツインの方が少しだけ上質だ。

それでも僕がオーナーなら、一気に航続距離を縮めてしまうような加速は慎むだろう。

カタログスペック上の航続距離は先に記したとおりシングルが502km、ツインが484kmだが、ツインの長所を生かした場合には、もっと差が開いてしまうように思う。

シングルorツインの答えは愛車に何を求めるかによって異なるが、これはボルボのコンパクトSUVの話なのである。

さらに現状のわが国の充電インフラを考えれば、外出先で充電しないにこしたことはない。

リチャージ・オーナーの望みはシングルモーターで充分に叶えられると思う。

試乗した2モデルのスペックは?

ボルボXC40リチャージ・プラス・シングルモーター

価格:579万円
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1650mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:2000kg
航続距離:502km
電費:159Wh/km
CO2排出量:−
パワートレイン:交流同期電動機
バッテリー:69kWh
最高出力:231ps/4919-1万1000rpm
最大トルク:33.6kg-m/0-4919rpm
ギアボックス:1速固定式

ボルボC40リチャージ・アルティメイト・ツインモーター

価格:699万円
全長:4440mm
全幅:1875mm
全高:1595mm
ホイールベース:2700mm
車両重量:2150kg
航続距離:484km
電費:188Wh/km
CO2排出量:−
パワートレイン:交流同期電動機
バッテリー:78kWh
最高出力:408ps/4350-1万3900rpm
最大トルク:67.3kg-m/0-4350rpm
ギアボックス:1速固定式

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