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V10搭載ウラカンも最終章 ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 最高到達点といっていい完成度

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V10搭載ウラカンも最終章 ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 最高到達点といっていい完成度

異色の存在「ウラカン・テクニカ」

ウラカン・テクニカは、ウラカン・シリーズのなかにあって異色の存在だ。

【画像】ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ試乗の様子をみる 全46枚

もともと4WDのクーペから始まったウラカン前期モデルは、その後、コンバーチブルのスパイダー、後輪駆動のRWD、ハイパフォーマンスバージョンのペルフォルマンテなどを追加。RWDとペルフォルマンテについてはスパイダー版も投入することでシリーズを構成していった。

ウラカンのマイナーチェンジモデルであるエボがデビューしたのは2019年で、こちらもスパイダーやRWDを揃えてシリーズを拡大していった。そしてペルフォルマンテに相当するモデルとしてSTOを投入。こちらは後輪駆動のクーペのみとされたが、クーペ4WDを軸としながら、スパイダー/RWD/ハイパフォーマンス版を追加する基本構成は前期型と同様だった。

では、ウラカン・テクニカとはいかなるモデルなのか?

端的にいえば、そのベースはSTOといって間違いない。なぜなら、超高回転型自然吸気式V10エンジンの最高出力が640ps/最大トルクが65.26kg-mというスペックのみならず、後輪駆動のクーペとなる点、4WSやトルクベクタリングなどを備えている点などはいずれもSTOと共通だからだ。

いっぽう、STOと決定的に異なっているのがそのデザインで、モータースポーツのイメージをダイレクトに受け継ぐSTOに対して、テクニカのほうはスーパースポーツカーとしてはエレガントなスタイリングに仕上げられている。

しかも、ボンネットやサイドウィンドウ周りを専用デザインにして伸びやかさを表現。そのうえで、控えめなリアウィングを装着してリアダウンフォースを35%増加(対エボRWD比)させるなど、パフォーマンス向上のための手当も実施したのである。

人間の自然な感覚にマッチする

ウラカン・テクニカのステアリングを握って路上を走り始めれば、STOとの違いはさらに明確になる。

どちらもブリヂストンのポテンザ・スポーツ(サイズもフロント245/30R20、リア305/30R20で共通)を履いているにもかかわらず、路面から伝わるゴツゴツ感はテクニカのほうがはるかに軽く、波打つような路面でも上下に激しく揺さぶられることはない。その快適さは、ウラカン・シリーズ随一といってもいいくらいだ。

それでいながら、ワインディングロードでの走りは痛快そのもの。それも、いたずらにステアリングレスポンスを鋭くするのではなく、あくまでも人間の自然な感覚にマッチする反応を示すように躾けられている点が素晴らしい。

おまけにステアリングやシートからは4輪が接地している状態が克明に伝わってくるので、このうえない安心感が得られる。きっと、多くの人々が「ウラカンって、こんなに扱いやすく、そして完成度の高いスーパースポーツカーだったんだ」と認識を新たにすることだろう。

いっぽうで、サーキットに持ち込んでドライビングモード切り替えの「アニマ」でスポルトを選べば、容易にテールを振り出しながらも優れたトラクション性能とコントロール性を発揮する点はSTOとまったく同じ。それを後輪駆動で実現している点にも、STO同様、心底驚かされる。

ウラカンの最終モデルとも言える「テクニカ」

しかし、ウラカン・テクニカの白眉は、なんといってもキャビン後方に搭載されたV10エンジンにある。

そのサウンドは、デビュー当時のウラカンに比べると一段と洗練されてスムーズな音色になっており、美しいハーモニーを生み出してキャビンを満たしてくれる。迫力あるメカニカルサウンドでドライバーを圧倒するSTOとはひと味もふた味も異なる“味わい”で、その官能性は、V12エンジンに比べても遜色がないといってもいいくらいだ。

エンジンの出力特性やレスポンスも申し分がない。

「自然吸気エンジンはレスポンスが鋭い」という声をよく耳にするが、スロットルペダルを踏み込んでからパワーが沸き出すまでの時間という意味でいえば、最新のターボエンジンのほうが自然吸気エンジンのレスポンスを上回る例が少なからず見られる。

しかし、自然吸気エンジンの本当の魅力は、テクニカのコーナリングと同じように、人間の自然な感覚とマッチしていて、期待を決して裏切らない点にある。トルクの立ち上がり方もリニアで、ドライバーが望むパワーをいつでも的確に発揮してくれる。この、エンジンの予想しやすい特性こそがシャシー性能をフルに引き出すうえで大いに役立ち、スポーツドライビングの醍醐味を味わううえで重要な柱になっていると私は信じる。

いずれにせよ、ウラカン・シリーズの実質的な最終モデルとして誕生したテクニカは、V10ミッドシップ・ランボの最高到達点といっていい完成度を誇っている。

しかし、V10自然吸気エンジンを積むランボルギーニの歴史はこのウラカン・テクニカをもってピリオドが打たれ、2024年後半にはプラグイン・ハイブリッドシステムを搭載したニューモデルが誕生する。

これだけ熟成されたV10エンジンが消え去るのはいかにも寂しいが、それと入れ替わるようにして登場するニューモデルがどのような官能性をわれわれにもたらしてくれるのか、大いに期待したいところだ。

試乗車のスペック

価格:2999万2916円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4567×1933×1165mm
最高速度:325km/h
0-100km/h加速:3.2秒
燃料消費率:14.5L/100km(WLTP)
CO2排出量:328g/km(WLTP)
駆動方式:MR
車両重量:1379kg
パワートレイン:V型10気筒5204cc
使用燃料:ガソリン
最高出力:640ps/8000rpm
最大トルク:65.26kgkg-m
ギアボックス:7速オートマティック
タイヤサイズ:245/30R20(フロント)305/30R20(リア)

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