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売れないからには理由がある! 鉄板のハイトワゴンなのに売れ行き不振な軽自動車3選

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売れないからには理由がある! 鉄板のハイトワゴンなのに売れ行き不振な軽自動車3選

 もちろんクルマそのものに理由があるがそれだけじゃない

 軽自動車はクルマ界の「小宇宙」だ。ミニバンからSUV、スポーツカーまで、小型/普通車に用意される大半のカテゴリーがそろう。軽トラックをベースにした特装車では、ダンプトラックや保冷車も選べる。これらの軽自動車の中で、とくに人気を高めているのが、全高が1600mmを超える背の高い車種だ。大人4名が快適に乗車できる室内空間を備え、後席を畳むと自転車なども積み込める。

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 この背の高い軽自動車は、全高に応じて2種類に分類される。スズキ ワゴンRやダイハツムーヴを始めとする全高が1600~1700mmのワゴンタイプと、ホンダN-BOXやダイハツタントのような1700mmを超えるハイトワゴンタイプだ。

 軽乗用車市場全体に占める販売比率は、ワゴンタイプが34%、ハイトワゴンタイプが41%になる。両方を合計した全高が1600mm以上の車種は、軽乗用車全体の75%を占める。2017年度(2017年4月から2018年3月)の軽自動車市場における販売ランキングは、1位がホンダN-BOX(月販平均:1万8621台/先代型やN-BOXスラッシュを含む)、2位はダイハツ ムーヴ(月販平均:1万2137台/ムーヴ キャンバスを含む)、3位は日産デイズ+デイズルークス(月販平均:1万1375台)になる。

 日産の場合、デイズとデイズルークスが合計されて順位が繰り上がる面はあるが、いずれにしてもワゴンとハイトワゴンタイプが上位に入る。それなのに、例外的に売れ行きを伸ばせない車種もあるから、販売不振の理由などを考えてみたい。ただし純粋なOEM車は、販売台数が少ないのは当然だから除外する。

 1)ダイハツ ウェイク

 前輪駆動をベースにした軽乗用車ではもっとも背が高く、全高は1800mmを上まわる。タントと比べても85mm高く、車内の広さは軽乗用車のナンバーワンだ。しかし、それでも売れ行きが伸びず、2017年度の月販平均は2368台にとどまった。同時期のタントが月販平均で1万1122台だから、ウェイクは21%になる。

 ウェイクが売れない理由の筆頭は、価格が高いことだ。NAエンジンのL・SA3でも155万5200円で、タントX・SA3の142万200円を上まわる。しかもウェイクはタントに比べてボディが約70kg重く、L・SA3が1000kgに達する。こうなると市街地の登坂路でもパワー不足を感じるから、GターボSA3が推奨され、価格は167万4000円だ。

 外観は相応に個性的だが、タントカスタムのような精悍(あるいはコワモテ)のエアロ仕様は用意されず、グレード展開も売れ筋路線からはずれている。そしてタントに比べると頭上の空間は広いが、前後席の足もと空間はあまり変わらず、多くのユーザーが「価格の割安なタントで十分」と感じる。

 また、タントは左側のセンターピラー(柱)をドアに埋め込んで、前後ともに開くとワイドな開口幅が得られるが、ウェイクにはこの機能が備わらない。ウェイクはマイナス要因が数多く散見される。

 2)ホンダN-BOXスラッシュ

 先代N-BOXをベースに開発されたモデルだが、全高を1700mm以下に抑えて、後席側のドアをスライド式から横開き式に変更した。つまりボディサイズとドアの形状はN-WGNに近いが、N-BOXのルーフを下げたボディだから、サイドウインドウの面積が狭まって外観がユーモラスに見える。フロントウインドウが直立して天井が低いから、信号が見えにくく、斜め後方の視界も不満だがシャレは利いている。

 内装の種類を多く設定したことも特徴だ。上質なスピーカーを装着して静粛性を向上させたサウンドマッピングシステム仕様なども選べる。スイッチで操作できる上級の電子制御パーキングブレーキなども備えるが、外観の形状を含めて魅力が総じて理解されにくい。

 価格も高めで、サウンドマッピングシステムなどを標準装着したXターボインテリアカラーパッケージは178万9560円に達する。割高感も伴って、売れ行きが伸び悩んだ。

 3)三菱eKワゴン&eKスペース

 三菱eKワゴン&eKスペースは、日産デイズ&デイズルークスと基本的には同じクルマだ。両社が立ち上げた合弁会社のNMKVが開発したとされ、三菱と日産の共同開発車になる。製造は三菱の工場が担当する。

 販売台数はデイズ&デイズルークスが圧倒的に多い。eKワゴン&eKスペースの月販平均台数は3663台だから、デイズ&デイズルークスの32%にとどまる。ただし三菱の販売店舗数は全国に約600店舗で、日産の約2100店舗に比べると29%だ。つまりeKワゴン&eKスペースの売れ行きが低調といっても、店舗数には比例している。

 このように販売台数を判断するときは、店舗数を考慮する必要がある。トヨタのプリウスやC-HRは販売が好調だが、この2車種はトヨタ4系列のすべてが扱うから4900店舗に達する。約460店舗のスバルに比べると10倍以上だ。アクアも含めて、全店扱いのトヨタ車が数多く売れるのは、当然ともいえるだろう。

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