新型センチュリーは2500万円と恐ろしく高価だが、その基本骨格がRAV4と同じと聞けばどうだろうか。実際、両車のプラットフォームはどちらも「GA-K」で同一。しかもRAV4だけじゃなく、ハリアーもアルヴェルもクラウンもみーんなこの仲間なのだ。なんでそうなるのか。真意を探ってみた!
文/ベストカーWeb編集部、写真/トヨタ、ベストカーWeb編集部
新型センチュリーもアルヴェルもRAV4も! 人気のトヨタ車がぜーんぶGA-Kというプラットフォームなのはなぜ?
■GA-Kはなんでもできる優等生
新型センチュリーの骨格。ベースとなったのは横置きエンジン向けのGA-Kプラットフォーム
まずプラットフォームとはなんぞやということだが、エンジンやシートを載せ、足回りをくっつけるクルマの基本骨格(車台)を指す。従来は作るクルマに合わせて各社がさまざまなプラットフォームを作っていたが、2000年頃から共用化の流れが生まれ、駆動方式が同じでボディサイズが似通ったクルマは同じプラットフォームで作るのが当たり前となった。
その流儀から生まれたトヨタのプラットフォームが、TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)というもの。正確に言うとTNGAはパワートレーンや足回り、調達システムなども含むのだが、ここでは割り切って車台として考えたい。
現在、TNGAは以下の5つに分けられる
・GA-B(ヤリスやシエンタなどコンパクトなFF車向け)
・GA-C(カローラやノア/ヴォクシーといった小型FF車向け)
・GA-F(ランクルやレクサスGXなどフレーム車向け)
・GA-K(カムリやハリアーなど中~大型のFF車向け)
・GA-L(先代クラウンやレクサスLSなどFR車向け)
この中で、圧倒的なカバー範囲でマルチに活躍する優等生が、冒頭でも述べた「GA-K」プラットフォームというわけだ。
実際、GA-Kで作られるクルマの一部をあげてみよう。
・RAV4
・カムリ
・ハリアー
・アルファード/ヴェルファイア
・クラウンクロスオーバー
・センチュリー(新型)
・レクサスNX
・レクサスRX
・レクサスLM
海外専売車種などを上げれば、この数はもっと増える。トヨタ/レクサスの人気モデルのほとんどが、GA-Kでできているといっても過言ではないほどだ。
■4WD化によってFRオーナーも満足させられる!
クラウンクロスオーバーの走りは実にFRっぽい
前述したとおりGA-Kとは、中~大型クラスの横置きエンジン向けプラットフォームだ。なぜこいつが人気なのだろうか。謎を解くキーワードは4WDだ。
一般的に、FF車はキャビン容積などが限られるコンパクトカー向けで、高級車には向かないとされてきた。近年は足回りや操舵系の進化によってFFのフィーリングも相当洗練されているが、それでもFFと聞くと敬遠する高級車ユーザーは少なくないのだ。
それを解消するのが4WD化だ。基本レイアウトがFFだとしても、4輪駆動とすることでFRのような「後輪が押し出す」走行フィールが作り出せる。制御技術が進化し、4WDの前後トルク配分の自由度が増したことも、この効果に一役買っていることは間違いない。
現実的にも、GA-Kプラットフォームを使いつつも高級さを訴求するクルマは、すべて4WD化されている。クラウンクロスオーバーしかり、新型センチュリーしかりだ。
プロペラシャフトをもたないモーター駆動による4WDシステムもトヨタは熟成させているので、今後はクラウンクロスオーバーが搭載したeアクスル型のような4WDも、いっそう増えてくるだろう。
FRライクな走りさえ生み出すことができれば、GA-Kプラットフォームはいいことづくめだ。低重心で剛性も十分だし、なにより広大な室内が作れる。新型センチュリーの、ほぼフルフラットになるリアシートも、GA-Kが生んだ賜物といえるのではないだろうか?
というわけで高級車の世界にも進出したトヨタのGA-Kプラットフォーム。今後も活躍を期待したい!
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みんなのコメント
バカにはわからないと舐められてるワケ
満足はしないがFF電動4駆しか無いなら選択の余地がない。
トヨタは高級車カテゴリーのF(L)クラスを捨てて中小型車に特化する事に舵を切った事でV8搭載車は無くなり、僅かに搭載するV6も時間の問題で無くなる。
今後もコストダウンは更に進め2ℓ以上のクラスで4気筒ハイブリッド、それ以下はダイハツ製3気筒が増える事でしょう。