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ガンディーニの傑作スーパーカー ランボルギーニ・カウンタック 英国版クラシック・ガイド 後編

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ガンディーニの傑作スーパーカー ランボルギーニ・カウンタック 英国版クラシック・ガイド 後編

車内は狭いものの本物のドライバーズカー

ランボルギーニ・カウンタックは、仰向けのドライビングポジションで豪快に走る、本物のドライバーズ・スーパーカーだといえる。生産初期に当たる1980年までのモデルは特に、180cmを超える身長のドライバーには車内が窮屈だけれど。

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LP400やLP400Sでは、4.0LのV型12気筒エンジンは回転数の上昇とともにパワーを高めていく。後期に登場したLP500や5000は排気量が増やされ、幅広いトルクバンドで扱いやすい。良好な状態を保っていれば、シルクのように滑らかに吹け上がる。

エンジンオイルの油圧は、5barから6barが正常値。アイドリング時や低速での走行時に圧力が低下することがあるが、異常ではない。V12エンジン自体は堅牢で、内部のベアリング交換が必要になる場合は珍しい。

ドライバーのすぐ横に位置する5速MTのシフトフィールは、非常にタイト。距離が近いだけあって走行中のノイズは大きいものの、過度に唸るような響きなら、1度専門家に確認してもらった方が良いだろう。

エンジンからのノイズも大きく、100km/h前後になると車内での会話が難しくなる。とはいえ、聞き惚れるような音響だからクルマ好きなら不快ではないはず。

多くは足まわりに何らかの整備が必要

状態が良ければサスペンションは引き締まり、ステアリングにはダイレクト感がある。想像以上に操縦性が優れると感じるはず。

ただし、サスペンションのボールジョイントは、ゴム製ブッシュより劣化が早い。ランボルギーニの純正部品は寿命が短く、多くは何らかの整備が必要と考えていい。英国のカレラスポーツ社が供給するボールジョイントは、航空機仕様で強度に勝るという。

ホイールは、初期型でフロントが7.5J、リアが9Jの14インチ。タイヤは205/70に215/70と、控えめな太さだった。400Sでは8.5Jと12Jの15インチになり、205/50と345/35へサイズアップ。クアトロバルボーレではフロントが225/50になる。

大パワーを発生するV型12気筒エンジンで走るスーパーカーだから、操作系はすべて重い。ステアリングホイールだけでなく、右ハンドル車の場合はクラッチペダルも重い。EZ社が提供するパワーステアリングが後付けされている例もあるようだ。

右ハンドル車はペダルが左へオフセットしているため、足のサイズは小さい方が運転しやすい。斜め後方の視界は極めて悪く、高速道路の合流などでは充分な確認が必要になる。

クーラーは良く効く。ヒーターと別ユニットなため、顔は涼しく足もとは暖かくということも可能。窓の曇りも取りやすい。当時のスーパーカーとしては、例外的に機能的だ。

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

ランボルギーニの4カムV型12気筒エンジンは基本的に堅牢。メンテナンスさえ怠らなければ、16万km位はリビルドなしで走ることができる。構造は複雑で、整備によってはかなりの費用が必要になることも想定したい。

ミスファイヤやエンジンオイル燃焼の兆候がないが確かめる。納車前の全面的な整備は不可欠。不安なら専門家へ依頼した方が良いだろう。

フロント側にエンジンオイルのクーラーがあり、パイプは長い。途中で破損することも。

ボディとシャシー

スチールパイプ製シャシーは錆が大敵。特にスペアタイヤとドライブシャフト付近は錆びやすいものの、確認しにくい。ドア周辺やヘッドライト付近、ルーフもチェックポイント。

アルミニウム製のボディパネルは、スチールと接触する部分で電解腐食しやすい。ドアのエッジやフェンダーパネルの継ぎ目には要注意。グラスファイバーの接着部分の状態も確かめたい。

カウンタックの多くは、何らかの事故にあっていると考えて良い。ボディパネルの継ぎ目やフレームのパイプが整って見えても、過去の整備記録の確認は忘れずに。

インテリアと電気系統

クアトロバルボーレや25thアニバーサリーではリレーなど電装系の部品が増えており、加熱から不具合を招きがち。車内は暑くなりやすく、エアコンは必須。事前に動作を確かめたい。

ブレーキとサスペンション、トランスミッション

初期モデルのブレーキペダルの感触は良好。LP500からは若干悪くなる。長く乗らないでいると、キャリパーやハンドブレーが固着することがある。サスペンションのボールジョイントは摩耗しやすく、操縦性が悪化する。

5速マニュアルのトランスミッションは、好調でもメカノイズが大きい。変速に問題がなければ、焦ってリビルドする必要はない。クラッチは、油圧の不調で早く摩耗することがある。交換はエンジンを降ろすことになる。

ランボルギーニ・カウンタックのまとめ

唯一無二の見た目と秀でた動力性能、操縦性など、究極のスーパーカーの1台といえるランボルギーニ・カウンタック。使い勝手も悪いわけではない。過小評価されていた時期もあったが、近年は価格が高騰中。需要に対して充分な数が残っていない。

ガレージへ1台をとお考えの場合は、年式や仕様には拘らない方が良いだろう。理想とするカウンタックではなくなるかもしれないが、購入するなら早い方が賢明。

長期間放置されてきたような例へ手を出すと、永遠に修理へ追われることにもなりかねない。焦らず、良く確認して選びたい。

良いトコロ

尖った見た目から想像する以上に、優れたドライバーズカー。英国には優れた専門ガレージも複数存在し、メンテナンス状態が良ければこの年代のスーパーカーとしては信頼性も高い。注目度の高さも突出している。

良くないトコロ

不具合が生じた場合は、大きな財布が必要になる。エンジンや駆動系の部品はまだ探せるものの、内装の入手は困難。完全なレストアは難航するだろう。

ランボルギーニ・カウンタック(1974~1990年/英国仕様)のスペック

英国価格:6万9565ポンド(1986年時)
生産台数:約2000台
全長:4140mm
全幅:1890-2000mm
全高:1070-1100mm
最高速度:265-305km/h
0-97km/h加速:4.2~5.6秒
燃費:3.5-5.3km/L
CO2排出量:−
車両重量:1200-1497kg
パワートレイン:V型12気筒3929/4754/5167cc自然吸気
使用燃料:ガソリン/軽油
最高出力:380ps/8000rpm-455ps/7000rpm
最大トルク:36.9kg-m/5000rpm-50.9kg-m/5200rpm
ギアボックス:5速マニュアル

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みんなのコメント

5件
  • 昔から「ガルウィングドアのカウンタック」が定説であった。

    ところが「あれは"シザー"であり"ガル"ではない」と呼ばれて久しい。

    で、『カウンタック』の名称も。こう呼ぶのも実は日本だけという事もまた知られている。

    いまだ「タイレル」って言ってる?
    いまだ「ムスタング」って使ってる?
    いまだウクライナの首都の名称は「キエフ」?

    そもそも「カウンタック」って名称は「誤って作られた造語」で、
    それは日本でしか通じないって事は、少し車に詳しい人の間ではこれまた定説。

    時計メーカーの名称は、「チソット」が「ティソ」、「バセロンコンスタンチン」が「バシュロンコンスタンタン」、最近「チュードル」が「チューダー」になった。

    今回の新型を、メーカーは『クンタッチ』と呼んでいるのは、今までの誤った名称を一気に正そうとしているからでは?

    だから、今後は「シザードアのクンタッチ」と呼ぶべきで、まぁ否定しようが、イヤでも今後こうなるよ。
  • カウンタックは、オーバーフェンダーとリアウイングが必須。
    LP400の美しいラインも良いが、やっぱりリアウイングの迫力がカウンタックには要る。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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