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2ストはここまで進化した!? ヤマハの最新「YZ125X」と「YZ250X」なら極低速でも粘る・進む!!

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2ストはここまで進化した!? ヤマハの最新「YZ125X」と「YZ250X」なら極低速でも粘る・進む!!

クロスカントリーで根強い人気の2スト車

 立体セクションをさばく時や、コーナーでの寝かし込みが俄然軽い。そしてトルクバンドを捉えた時の加速フィールと、胸の空くサウンドがなんとも爽快です。ヤマハ「YZ125X」と「YZ250X」に乗りました。

【画像】「超カッコイイ!」ヤマハの最新2ストマシン「YZ250X」と「YZ125X」を画像で見る(9枚)

 オフロードコンペティション(競技用)モデルの主役が4ストロークマシンに切り替わって久しいものの、まだまだ2ストロークマシンも根強く支持されています。

 ホンダ「NSR」、ヤマハ「TZR」、スズキ「RGガンマ」など、昭和の時代は大人気だった2サイクルエンジン搭載車たちですが、ヤマハ「RZ50」が2006年に販売終了となってからは、国内のナンバー付きは絶滅。強化された環境規制に対応できず、世間では煙たがられた2ストロークですが、ヤマハ「YZ」シリーズでは欠かせないモデルとしてラインナップに名を連ねています。

 2ストモトクロッサーが「YZ250」、「YZ125」、「YZ85/LW」、「YZ65」とある中に、車名の末尾に「X」がつく機種がクロスカントリーモデルで、「YZ250X」と「YZ125X」が設定されています。

モトクロスマシンとの違いは?

 前後ともホイールリムはEXCEL製で、タイヤはダンロップMX33をセットする足まわり。モトクロスマシンの「YZ250」と「YZ125」がフロント21/リア19インチとする一方で、クロスカントリーモデルの「YZ250X」と「YZ125X」ではリアを18インチ化しています。

 19インチと18インチでは、車輪全体の外径こそほとんど変わらないものの、タイヤの厚みが増すという点で異なります。ホイールが小さくなってタイヤの厚みが増すことで、空気を抜いた時にタイヤがより変形しやすくなって接地性が向上するのです。

 ハイスピードでも推進力の高い19インチでは、地面を蹴っ飛ばしながら走る感覚です。それが18インチだと、路面を掴んでグリップが高まるといったメリットがもたらされていることがわかります。

圧倒的な軽さが武器

「YZ125X」は車両重量がたったの97kgで、2ストマシンならではの軽さを存分に堪能できました。シリンダーボディをはじめ、ピストンやコンロッド、クランクケース、カーボン製リードバルブ(V-FORCE4)、チャンバーなどは「YZ125」と共通。2023年モデルで17年ぶりにフルモデルチェンジしたばかりの新作エンジンです。

 令和の時代に2ストのオールニュー・パワーユニットと話題を集めましたが、吸気系もケイヒンPWK38Sキャブレターと、これまた絶滅危惧種ですから、こうしたトラディショナルな機構に触れることができるのもまたオフロード競技車の魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。

 ただし、ローテクなんかではありません。クロスカントリー向けに専用セッティングが施されたキャブレターは、TPS(スロットルポジションセンサー)と3Dマップ制御CDIユニットにより、低中回転域および低中開度領域での最適なトルク特性やトラクション特性をもたらしていますし、排気バルブに可変バルブを設けて、高回転と低回転それぞれに最適な排気タイミングを実現するYPVS(ヤマハパワーバルブシステム)は熟成の域に達しています。

 シリンダーヘッドをはじめ、YPVSやCDIユニットは「YZ125X」専用パーツを採用。多用する低中回転域で、スロットル操作に対するレスポンスが過激すぎないようマイルドに味付けされ、コントロール性を高めていることから、よりアグレッシブにアクセルを開けていけるのでした。

 オーバーレブ領域まで力強い高回転域での伸びは、サイドカバー後方のエアインテークからシート下の新気導入路に秘訣があります。

 吸気をより直線的にし、効率を高めるため、エアインテークをシートエンドにレイアウト。後方からのみ吸気することで、流入空気の抵抗を低減しました。シートの裏側にはフィンが設けられ、リアフレーム形状やエアフィルターケージまで吸気効率向上に寄与します。

 また、低回転で走ることを苦手にしがちな2ストマシンですが、「X」では粘り強さもあり、より排気量の小さい「YZ125X」でもエンジンが意図せず停止する不安がありません。

 タイトコーナーの進入やウッズセクションなどで回転が落ち込んだときもエンストの気配がなく、極低速で走行できたことも報告しておきましょう。

 KYB製の前後サスペンションがよく動き、路面追従性に優れることも目を見張ります。日本仕様に専用セッティングが施され、前後ピッチの少ないしなやかな減衰特性で、ウッズやガレ場、マディ、ダートなど、低中速域を多用する難セクションから、ギャップやジャンプ着地時などの高負荷時、高速域まで、クロスカントリーに必要な長時間ライドを想定しつつ、あらゆるシーンに対応してくれます。

余裕ある走りの250

「YZ250X」ではモトクロッサー譲りのパワフルさを味わえました。軽量ピストン&ピストンピン、低フリクション設計のクランクシャフトやカーボン製リードバルブ、チャンバーなどは「YZ250」と同様で、サイドカバー後方から直線的に外気を導入するダクトレイアウト「後方ストレート吸気」も125同様に踏襲しています。

「YZ250X」の車両重量は104kgで、4ストの「YZ250FX」と比較すると7kgも軽い。「YZ125X」が「YZ125」より1kg重いのと同様、「YZ250X」もまた「YZ250」より1kg重くなっています。これはサイドスタンドの標準装備などによるところ。

 YPVSや前後サスペンションなどのセッティングをクロスカントリー向けにし、先述したとおりリアホイールを18インチ化しています。

 強烈なパワーを感じつつも、125と比較すれば若干の重量増とハンドリングに対する手応えを感じますが、スリムなシュラウドや自由度のあるフラットシートのおかげで動きやすく、ライダーアクションが取りやすいことは変わりません。

 250はペースを乱すことがあっても、速度をすぐに回復できるので、125より余裕を持って走らせることができます。アクセルを開けた時のヒット感やレスポンスは鋭く、ギャップで姿勢を崩しても車体の挙動をスロットルワークで整えることができるほどに駆動力が強いのです。

 2ストながらトラクション性能に優れ、路面に食いついてグイグイ進みます。パーシャル域から扱いにくさを感じないまま、高回転域でもトルクフルに伸びていくから、ライダーがしっかりとスロットルを開けきった時のダッシュ力は凄まじいものです。

無料で試乗OK!!

 ビギナーからエキスパートまで幅広い層に愛され続ける2ストモデル。価格(消費税10%込み)は「YZ125X」が77万円、「YZ250X」が81万9500円と、リーズナブルな価格設定も好まれている理由のひとつです。

 発売日は10月25日。2025年モデル「YZ」シリーズの試乗会「bLU Camp(ブルーキャンプ)」は以下のとおりです。気になる人は、ぜひ乗って体験してください。

 レーシングアドバイザーとして「YZ」シリーズの開発ライダーである鈴木健二さんと小島太久摩さんも参加し、各モデルの説明をはじめ、マシンセッティングやライディングについてのアドバイスを受けることもできます。

■2024年開催日程/会場(参加費無料)9月14日(土)/モンブランパーク(北海道夕張郡栗山町滝ノ下)9月23日(月・祝)/モトクロスヴィレッジ(埼玉県川越市的場1336)※10月19日(土)/チーズナッツパーク(福島県耶麻郡猪苗代町)11月2日(土)/いなべモータースポーツランド(三重県いなべ市員弁町市之原160)11月23日(土)/プラザ阪下(大阪府河内長野市末広町4-1)※11月30日(土)/テージャスランチ(広島県安芸高田市甲田町上甲立542)

※試乗車はクロスカントリーモデル「YZ450FX」、「YZ250FX」、「YZ250X」、「YZ125X」を中心に、モトクロスヴィレッジ、プラザ阪下のみモトクロスモデル「YZ250F」、「YZ125」、「YZ85LW」も試乗可能です

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みんなのコメント

5件
  • uam********
    公道走行向けのDTとして復活してほしいけど難しいでしょうね。
  • hab********
    2ストの最新競技車が出るたびに出る「昔とは全然違う」ってのが定番の売り文句だが、実際はそんなには変わってないよ。うちには古い2スト競技車両もあるし、昨年だったか最新のYZも試乗したけど、劇的な変化は感じなかった。やっぱ2ストは2ストだよ。
    回せば出るパワーと軽さを活かした乗り方が基本なことは変わらない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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