発売当初は普通のクルマとして使われていたのだから可能だが……
乗ることで消耗していくのがもったいないとか、事故のリスクが高まるというのは別にして、旧車というのは普段から普通に乗れるものだろうか? 結論から先にいうと、基本的には問題ないと言える。
「常時ONはダメ」「定期的な稼働が大切」など古いクルマのクーラーは使い方に要注意
個人的なことながら、うちには1970年式のフィアット500がある。世界的な名車だし、立派な旧車だ。一時はこれ一台だったし、通勤にも使っていたほどで、とくに大きなトラブルに遭ったことはない。ただ、クーラーが付いていないため真夏は地獄になるので、この点では普段使いは無理と言えるが……。
ハコスカやケンメリ、セリカにブルーバード。少し新しいとハチロク(AE86)など、旧車を普通に使えるのか? と心配するのは故障を考えてのことだろう。
古いクルマ=壊れやすいというのはわかる。しかし、1950年代ぐらいのよほどの大古車でない限りは問題なし。1960年代から1970年代はかなり技術的にも成熟してきたし、そもそも当時の人たちは自家用車として使っていたのだから、それが今になって使えなくなるということはありえない。
でも、うちのはダメだろうな、という声を耳にすることはある。それは結局、メンテがされていないから。外見がきれいでも中身はあまり手が入れられていないクルマは結構いるが、旧車のメンテともなると、レストア的なものも含めてかなり広範囲になるし、手間も時間もかかる。つまり40年分の問題を初期化しているかどうかが問題なのだ。
この部分をおろそかにした車両は、今普通に乗ると調子がよくなくて不安ということになるし、「旧車ってこんなものだろう」という思い込みもあるから、妙に納得してしまう。いろいろと旧車を取材したが、一度全部しっかりと手を加えてあれば、壊れることはほぼない。何度も言うが、現役当時は普通に走っていたのだ。
ただし、消耗パーツすらも供給されないようなモデルで、流用も効かない場合は初期化ができないので、だましだまし乗るしかないのは事実。1960年代で名車と呼ばれている、人気が高いクルマは走る、止まる、曲がるための部品は供給されているので問題ない場合が多いが、マイナー車は厳しい。この点については維持するのが精一杯というのは仕方がないだろう。
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