初公開の場 グッドウッドを選んだ理由
まさか、このタイミングで登場するとは!
【画像】「アイオニック5」と「N」仕様 デザイン/内装【見比べる】 全82枚
韓国のヒョンデが高性能ブランド「N(エヌ)」に、BEVをラインナップしたのだ。
モデル名は、「アイオニック5 N」である。
しかも実車を世界初公開したのは、あのグッドウッドだ。英国ウェスト・サセックスで毎年恒例となった、新旧のスポーツカーやパフォーマンスカーが世界から集結する“夢のイベント”である。
ヒョンデとして、グッドウッドでBEV版「N」を公開した狙いには様々な背景があると思われる。
第一は、グローバルで進む急速なBEVシフトの中でも欧州での動きが急激なこと。英国はEU(欧州連合)から離脱したとはいえ、英国政府はEUと同じようなBEVシフトの方針を進めているところだ。
第二は、英国がヒョンデが戦う世界ラリー選手権(WRC)を筆頭とする、モータースポーツ産業の中核にあること。そうした背景があるからこそ、グッドウッドの存在意義があると言える。
そして第三に、グローバルでの本格的なBEVシフトの中で、OEMの正規ブランドとしてパフォーマンス系モデルが現時点でもほとんど登場していない中、ヒョンデが先手を打つという意気込みを示すのは、他社の動きを考えると“ギリギリのタイミング”だったのだとも考えられる。
「N(エヌ)」としての3つの柱とは
では、「アイオニック5 N」とはどんなモデルなのか?
それを理解するためには、そもそも「N」とは何かを知る必要があるだろう。
「N」は、ヒョンデのパフォーマンス系ブランドだ。
他ブランドでいえば、メルセデス・ベンツ「AMG」、BMW「M」、キャデラック「Vシリーズ」、トヨタ「GR」、日産「NISMO」、スバル「STI」といった分野に近い発想だ。
「N」は、今回登場した「アイオニック5 N」を含めて7モデルが量産されている。
「i20 N」「i30 N」「i30ファストバックN」「ヴェロスターN」「エラントラN」、そして「コナN」という7つだ。
これら各モデルのベース車の基本性能と欧米や他の仕向け地での市場環境を考慮した上で、モデル毎にチューニングの方向性は若干違うものと考えられる。
ただし、「N」と名乗るからには、各モデルとも共通とする“3つの柱”がある。
1つ目は、「Corner Rascal」。高いコーナーリング性能を示す表現だ。
2つ目は、「Everyday Sportscar」。乗り心地や取り回しで日常的に使うことができるスポーツカーであること。
そして3つ目が「Racetrack Capability」。サーキット走行に十分に対応できる基本性能を有していることである。
こうした「N」としての3つの柱、つまりは必須条件を「アイオニック5 N」ではどのように実現しているのだろうか?
他ブランドにはない新デバイス
まず、「Corner Rascal」については、ボディとシャシーを補強して剛性を上げ、またサスペンションやパワーステアリングのセッティングを最適化した。狙ったのは「ダイレクトなステアリングフィール」である。
次に、「Everyday Sportscar」。シフトタイミングについてN e-shiftを採用し、様々な走行シーンでキレのある走りと少しゆったりした走りを使い分けることができる。
サウンドについても、N Active Soundを採用してパフォーマンス性を実感できるような音の演出を仕立てた。これも走行シーンによって使い分けができる。
そして、「Racetrack Capability」では、Nグリン・ブーストと呼ぶ制御システムを採用し、最高出力478kWを実現した。
その他、Nドリフトオプティマイザー、Nローンチコントロール、Nトルクディストリビューションなど、「Racetrack Capability」を高める様々な制御システムを搭載しているのが特徴だ。
こうした「アイオニック5」の「N」向け開発には、ヒョンデが「ローリングラボ」と呼ぶ、コンセプトモデルを使うリアルワールドでの数年間に渡る走行テストの実績がある。
「N」はWRCというモータースポーツのイメージが強いが、前述のように各モデルのパフォーマンスを最適化する狙いがあり、「アイオニック5 N」ではこれまでのヒョンデの知見が集約されていると言えるだろう。
ハイパフォーマンス系BEV 走りは?
今回の発表では、「アイオニック5 N」の動力性能に関する数値や、制御システムの技術概要が紹介されただけであり、実際の走りについては知る由がない。
公開された画像などでは、サーキットで派手にドリフトしながらコーナーリングする「アイオニック5 N」の姿がある。ベースモデルの「アイオニック5」はコンテンポラリーなデザインテイストでゆったり走るイメージがあるため、サーキット走行シーンに対して若干の違和感を持つ人もいるかもしれない。
だが、「アイオニック5」を様々な走行環境で試乗してきた筆者の実体験を踏まえると、リア駆動がべースであるAWDとして、「さらにもう1歩先のパフォーマンス的な走りができる“余裕シロ”がある」と感じていた。その旨を、ヒョンデの開発担当者にも直接伝えている。
筆者としては、BEVとしては大柄な部類に属する「アイオニック5」が今回、「N」化したことは「アイオニック5」にとっての正常進化だと考えている。
見方を換えると、自動車メーカーの正規ブラントとしてBEVのハイパフォーマンス化を進めるには、ベース車でのそれ相当のパフォーマンスが必須だと言える。BEVは制御系のチューニングによって出力増加の幅が広いためだ。
当分の間、「アイオニック5 N」はグローバルで、ハイパフォーマンス系BEVのベンチマークになるだろう。
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