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ノートの「純ガソリン車」廃止で乗り替え客が発生! それでも「マーチ」が売れないワケ

掲載 更新 154
ノートの「純ガソリン車」廃止で乗り替え客が発生! それでも「マーチ」が売れないワケ

 新型ノートはe-POWERのみ搭載する

 2020年の末にフルモデルチェンジを行った日産ノートは、ノーマルエンジンを用意せず、ハイブリッドのe-POWERのみを搭載する。ノーマルエンジンを廃止した理由を開発者にたずねると以下のような返答だった。

話題沸騰の「e-POWER」のパワーでバカ売れする日産ノート&セレナに潜む弱点

「先代型ではe-POWERの販売比率が70~75%に達していました。そこでe-POWERに絞っています。また新型ノートでは、大型メーターディスプレイの採用など、各部の質感を高めました。ただし価格が150万円前後のノーマルエンジン車には、コスト的にこれだけの装備は採用できません。そうなると2種類のインパネを用意する必要も生じます。こういった事情でノーマルエンジンは搭載せず、e-POWERのみにしました」。

 ノートのグレード構成をみると、Fは燃費スペシャル的な仕様で、後側方衝突防止支援システムなどをオプションでも装着できない。Sも法人向けで、運転支援機能のプロパイロットを付けられない。

※写真はSグレード

 そうなると一般的な選択肢はXだ。価格は218万6800円だが、プロパイロットは日産コネクトナビ、後側方衝突防止支援システム、インテリジェントアラウンドビューモニターなどとセットオプションになり、セット価格は42万200円に達する。

※写真はXグレード

 このほかニーズの高い装備としてLEDヘッドライトもオプション設定だ。価格はアダプティブシステム(ハイビーム状態を保ちながら対向車などの眩惑を抑える機能)とセットにして9万9000円になる。これらをノートXに加えると、合計価格は270万6000円だ。

 ノーマルエンジン車の代わりは軽自動車が担っている

 ここまで価格が高まると、困るユーザーもいるのではないか。そして先代ノートにおいて、仮にe-POWERの販売比率が75%でも、25%はノーマルエンジンが売れていた。求めやすい価格のグレードが欲しいユーザーもいるだろう。この点は販売店にたずねた。

「新しいノートはe-POWERのみだから、価格が高いという意見も多いです。そのときはまず、残価設定ローンを推奨します。月々の返済額を安く抑えられるからです。また軽自動車のデイズやルークスを含めて商談します。デイズでも車内はノートと同等に広く、荷物も積みやすいです。内装の質感や乗り心地は、先代型に比べて上質になりました。ノートのノーマルエンジン車の代わりになるのが、デイズといえるでしょう。軽自動車は税金が安いので、法人のお客様に喜ばれることも多いです」。

 ノートXの残価設定ローンでは、3年後の残価率(新車価格に占める残存価値の割合)を44%に設定している。車種によっては50%を超えるから、ノートは特別に残価率が高いわけではないが、それでも残価設定ローンを使うと月々の返済額を安くできる。e-POWERの価格が高くても、残価設定ローンを推奨すると、ユーザーの購入意識を促しやすい。

 軽自動車も日産のデイズやルークスは設計が新しく、衝突被害軽減ブレーキは、2台先を走る車両まで検知する。日産では軽自動車の販売が好調で、2020年に国内で売られた日産車の43%を占めた。このようにノートがノーマルエンジンを廃止した今、日産にとって軽自動車が従来以上に大切になっている。

 それならマーチはどうなのか? 販売店では「マーチも2020年にマイナーチェンジを実施して、衝突被害軽減ブレーキを採用しました」というが、売れ行きは伸びない。改良を実施したのは2020年7月だから、9~10月の登録台数が注目されたが、500~800台程度で低迷している。

 つまり今のマーチは、安全装備を充実させた程度では登録台数を増やせないわけだ。したがってノートがノーマルエンジンを廃止しても、マーチが売れることはないだろう。その代わり商品力とブランドイメージを向上させた軽自動車が選ばれる。小型車が売れ行きを下げて軽自動車が好調に売れる背景には、日産に限らずほかのメーカーでも、同じような構図がみられる。

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