この記事をまとめると
■ダイヤル式インフォテイメントシステムが急激に姿を消しつつある
やっぱりクルマのタッチパネルは美しいけど使いづらい! 欧州で評価機関が「物理スイッチ」採用を評価項目に加えることを決定
■BMWが最初に採用して以降メルセデス・ベンツやマツダなどが搭載した
■最近はスマホ連携ができるようになったほかタッチパネル式が多くなった
BMWが先鞭をつけたダイヤル式コントローラー
クルマとスマホの連携がどんどん便利になっています。ナビや音楽、あるいは電話機能など恩恵にあずかっている方は大勢いらっしゃるかと。なるほど、タッチパネルの操作のほうが直感的で使いやすいものですからね。とはいえ、クルマにはクルマらしい装備、デバイスもあって、そうしたデバイスならではのメリットもあるのです。代表格ともいえるダイヤル式インフォテイメントシステムは、そんなインターフェースとして登場したはずですが、ここのところ急激に勢いを失いつつあるようです。
ダイヤル式インターフェースで真っ先に思い浮かぶのはBMWのiDriveでしょう。2001年に登場した7シリーズ(E65)に初めて搭載され、ナビゲーション機能をはじめ、オーディオビジュアルやクルーズコントロールなど、さまざまな車内通信、エンタメをコントロールできました。ダイヤルをまわす、中央をプッシュするといった操作で各種機能にアプローチ&コントロールが可能で、ディスプレイを汚さない、よく使う機能のブラインドタッチもスイスイいける! みたいな売り文句だったかと。
もっとも、初期のころはコントロールしたい機能の階層が深くなるとそれだけダイヤルを操作する回数も増えてしまい「かなり面倒」「使いづらい」というユーザーも少なくなかった模様。
BMWとしては、ATのシフトノブ近くにあることから、タッチパネルに手を伸ばすよりも運転中の安全性が担保しやすいと考えたとのことですが、ブラインドタッチはまだしも、操作している回数や時間が増えてしまうとなると逆効果もあり得ます。
無論、BMWとて手をこまねいていたわけでもなく、たび重なるバージョンアップで使い勝手を飛躍的に向上させてきました。
ダイヤル操作という根幹を変えることなく、車内OSのアップグレード、操作ロジックの簡略化、あるいは音声によるサポート機能など、最新世代の進化は著しいもの。
また、BMWに負けじとメルセデス・ベンツ(COMMANDシステム)や、マツダ(コマンダーコントロール)なども類似したデバイスを搭載しています。いずれも、慣れないうちはダイヤルに視線をむけることから、メーカーがいう安全性はおぼつかないものの、タッチパネルとは違った操作感から「慣れればこっちのほうがいい」という声も散見できます。
さらに、タッチパネルとダイヤル式のいいとこ取りをしたようなデバイス(レクサス)もあり、使いこなせたら相当便利なものに違いありません。
あるいは、便利なだけでなくドライバーのスマート感を見せつけるのにも有効ではないでしょうか。たとえば、ドライブデートの際などは、ダイヤル式ならば助手席の視線が届かないところでさりげなく音楽を変えてみたり、温度の調節をしたりできるわけです。モニターのタッチパネルをピコピコやるよりはよっぽどスマートで、「使いこなしてる感」が増すことに。もしかしたら「クルマの運転がうまいのね」などとうれしい曲解までしてもらえるかもしれません(笑)。
ともあれ、先に述べたようにダイヤル式インフォテイメントシステムはこの先では絶滅の恐れもあるようです。やはり、メーカーにとってはコストが増すこと、大多数のユーザーがスマホ連携でおおよその機能が使えてしまうことなどがその理由かと。
個人的にはなんでもかんでもスマホで完結するのは腑に落ちないというか、紛失したらどうすんの! とかリスクも小さくない気がしています。せっかく、各メーカーが躍起になって開発してきた便利機能ですから、この先の進化に期待したいと考えるユーザーも大勢いるはず。はたして、ダイヤル式インフォテイメントシステムはどうなっていくのでしょうか。
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