現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 失速したクラウンを復活させる壮大な計画! 4車種投入と登場順序に隠れた巧妙な狙いとは

ここから本文です

失速したクラウンを復活させる壮大な計画! 4車種投入と登場順序に隠れた巧妙な狙いとは

掲載 57
失速したクラウンを復活させる壮大な計画! 4車種投入と登場順序に隠れた巧妙な狙いとは

 この記事をまとめると

■トヨタから新型クラウンが登場

話題の新型クラウン! ぶっちゃけ乗ってどうでした? 【ド直球インプレ 青山尚暉編】

■SUVを含む4つのタイプをラインアップ

■その理由は今後もクラウンを存続させるため

 全店全車取り扱いは不人気車のリストラ

 従来のクラウンは、日本を中心に売られるセダンだったが、新型クラウンクロスオーバーは、海外でも販売できるSUVになった。大幅な路線変更を行った目的は「クラウンを廃止せずに存続させること」だ。

 クラウンの登録台数は、1990年は1カ月平均が1万7300台だったが、2021年は約1800台であった。約10%まで減っている。そうなるとコロナ(終了時はプレミオ)やマークII(マークX)と同じように、クラウンを廃止する方法もあった。

 そしてトヨタの国内販売は、2020年に、全店が全車を扱う体制へ移行している。これは残酷な「不人気車排除装置」だ。たとえばかつてのクラウンは、専売店舗のトヨタ店が大切に販売した。クラウンのユーザーが「アルファードに乗り替えようか」と言っても、好条件を提示してこれを阻止した。クラウンからアルファードへ乗り替えると、トヨタ店の顧客をトヨペット店に奪われるからだ。

 しかし全店が全車を扱う今は、トヨタ店でアルファードを普通に販売できる。もはやクラウンからアルファードへの乗り替えを防ぐ必要はない。このように全店が全車を扱うと、アルファードのような販売の好調な車種は売れ行きを一層伸ばし、不人気車はさらに落ち込んで、車種の廃止に追い込まれる。

 この全店が全車を売ることによる非情な掟を、トヨタは十分に承知していた。取り扱い車種から販売店まで、国内販売を総合的にリストラするために、全店が全車を扱う販売体制に踏み切った。

 それでもトヨタはクラウンを残したかった

 それなのにクラウンは、1955年に初代モデルを投入したトヨタの基幹車種だから、今後も残したいと判断された。全店が全車を扱う販売体制に移行しながら、クラウンには情けを抱き、大きな矛盾を生み出した。

 その結果、トヨタが支払った代償も大きく、クラウンに4種類のボディを用意した。かつてマークXは、ミニバンの人気が高かった時代にマークXジオという3列シート車を加えて登録台数の上乗せを図ったが、失敗してマークX自体が消滅した。1~2車種では、クラウンが販売不振から抜け出せない心配もあり、4車種が必要だった。

 そこでクラウンを海外でも販売できる売れ筋カテゴリーのSUVに発展させ、なおかつ4車種を用意してシリーズ化したわけだ。4車種を合計してクラウンの生産/登録台数を算出すれば、相当な台数になる。クラウンを絶対に廃止させない万全の体制を敷いた。

 そして2022年7月に発表された第1弾がクラウンクロスオーバーだ。外観はSUV風だが、ボディの形状は、後部に独立したトランクスペースを備えたセダンになる。

 今後はボディの短いSUVのクラウンスポーツ、車内が広く3列シート仕様も用意するクラウンエステート、ほかのクラウンシリーズとは異なり、従来と同じ後輪駆動のプラットフォームを備えるクラウンセダンも発売する。クラウンセダンは、従来型で豊富だった法人需要を受け継ぐことが主な目的だ。

 この4車のなかでもっとも多く売られるのはエステートだが、これを最初に発売すると、セダンだった従来型との格差が大きすぎる。だからといってセダンが最初では、クラウンの変化を表現できない。そこで新旧クラウンの橋渡しをするために、セダンボディのSUVというクラウンクロスオーバーを最初に投入した。クラウンを廃止せずに今後も存続させるため、壮大なプロジェクトがスタートした。

こんな記事も読まれています

リバティ・グローバルがフォーミュラEの経営権を取得へ。保有比率65%の主要株主に
リバティ・グローバルがフォーミュラEの経営権を取得へ。保有比率65%の主要株主に
AUTOSPORT web
トヨタ新型「“タフ”ミニバン」発表! 斬新“大口顔”が超カッコイイ! MT&アンダー320万円設定ありの「プロエース“シティ”」墨に登場
トヨタ新型「“タフ”ミニバン」発表! 斬新“大口顔”が超カッコイイ! MT&アンダー320万円設定ありの「プロエース“シティ”」墨に登場
くるまのニュース
「南海フェリー」がトラック乗りの強い味方に! 始発便の「早乗り」がドライバーに優しいサービスだった
「南海フェリー」がトラック乗りの強い味方に! 始発便の「早乗り」がドライバーに優しいサービスだった
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol41. 大黒摩季さん(後編)
愛車の履歴書──Vol41. 大黒摩季さん(後編)
GQ JAPAN
テインから『ギャランフォルテス』用車高調「ストリートアドバンスZ」が発売
テインから『ギャランフォルテス』用車高調「ストリートアドバンスZ」が発売
レスポンス
わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記
わがままを叶えてくれるプレミアムSUV──新型レクサスNX350“F SPORT”試乗記
GQ JAPAN
なぜ「ペダル踏み間違え」起きる? 原因はどこにある? 相次ぐ「重大事故」は“高齢者”特有の問題ではない! 有効な「対策法」はあるのか
なぜ「ペダル踏み間違え」起きる? 原因はどこにある? 相次ぐ「重大事故」は“高齢者”特有の問題ではない! 有効な「対策法」はあるのか
くるまのニュース
カーメイト、新型ワイドリアビューミラー発売…ホンダ WR-V などに対応
カーメイト、新型ワイドリアビューミラー発売…ホンダ WR-V などに対応
レスポンス
ミック・シューマッハー、来季F1復帰の可能性はあるのか?「それが僕の目標だけど……僕がコントロールできることじゃない」
ミック・シューマッハー、来季F1復帰の可能性はあるのか?「それが僕の目標だけど……僕がコントロールできることじゃない」
motorsport.com 日本版
神奈中の赤い「連節バス」ついに横浜へ登場 箱根駅伝ルート経由で駅 団地結ぶ
神奈中の赤い「連節バス」ついに横浜へ登場 箱根駅伝ルート経由で駅 団地結ぶ
乗りものニュース
エンジン車が生き残れる夢の燃料【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
エンジン車が生き残れる夢の燃料【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
便利な「ベンリイ号」に見るホンダのチャレンジ精神! 1955年にアールズフォーク採用!?
便利な「ベンリイ号」に見るホンダのチャレンジ精神! 1955年にアールズフォーク採用!?
バイクのニュース
雨のル・マンを制したポルシェのリエツ「前にも似たような状況を戦った」自身5度目のGTクラス勝利
雨のル・マンを制したポルシェのリエツ「前にも似たような状況を戦った」自身5度目のGTクラス勝利
AUTOSPORT web
【ホンダ CB650R/CBR650R E-Clutch 試乗】“小さなおじさん”が入ってる!? ガツンと来ない「電光石火の変速」に驚いた…西村直人
【ホンダ CB650R/CBR650R E-Clutch 試乗】“小さなおじさん”が入ってる!? ガツンと来ない「電光石火の変速」に驚いた…西村直人
レスポンス
ロレンソ VS ペドロサのボクシング対決、ガチで実施! 6月20日に激烈ライバル同士の”再戦”が実現
ロレンソ VS ペドロサのボクシング対決、ガチで実施! 6月20日に激烈ライバル同士の”再戦”が実現
motorsport.com 日本版
フィアット『パンダ』がファミリー拡大、『グランデパンダ』発表…新型コンパクトSUV
フィアット『パンダ』がファミリー拡大、『グランデパンダ』発表…新型コンパクトSUV
レスポンス
タフな仕立てのメルセデス・ベンツ「Eクラス」はマルチな才能が魅力的! 街乗りからアウトドアまで活躍!! 新型「オールテレイン」の真価とは
タフな仕立てのメルセデス・ベンツ「Eクラス」はマルチな才能が魅力的! 街乗りからアウトドアまで活躍!! 新型「オールテレイン」の真価とは
VAGUE
エンジンは「トヨタ」製!? マツダ新型「“斬新”SUV」発表へ! めちゃカッコイイ「CX-50 HV」米中登場に「日本でも欲しい」の声も
エンジンは「トヨタ」製!? マツダ新型「“斬新”SUV」発表へ! めちゃカッコイイ「CX-50 HV」米中登場に「日本でも欲しい」の声も
くるまのニュース

みんなのコメント

57件
  • こんなクラウン誰が乗るのでしょう。
    これが最新型のクラウンと言われてもユーザーにとってクラウンではありません。
    最近のトヨタさん市場との風通しが悪くなっていませんか。社長に物が言えなくなっていませんか。
    それか日本市場はどうでも良いですか。
    クラウンにしてもプリウスにしても日本人はターゲットでなくなった様です。
  • 能書きはいらない。
    4車種も投入したのは販売台数を水増しだけが目的だろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8890.5万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8890.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村