日本国内では、スカイラインのみとなってしまった日産のセダンだが、米国市場では、ヴァーサ、セントラ、アルティマ、マキシマと、4台ものセダンが投入されている。なかでもベストセラーとなっているのが「セントラ」だ。2023年10月31日から11月3日まで米国ラスベガスで開催されていたSEMAショー2023では、このセントラに待望のDETが搭載されたコンセプトカーが出展され、ファンをざわつかせた。爆速セダンとなっているであろう「セントラDETコンセプト」の詳細をご紹介しよう。
文:吉川賢一
写真:NISSAN
新型セントラの米国スポーツ版が超カッコいい! これを日本導入しないのはもったいない!!
日産セントラカップから着想を得たコンセプトカー
「セントラ」は、北米日産で2番目に売れているミドルセダンだ。たとえば、2023年7月から9月の3か月間の販売は31,612台、月平均で1万台が売れていることになる。ちなみに北米日産でもっとも売れているのは「ローグ(日本名:エクストレイル)」(同期間で63,346台)で、3番目は「アルティマ」だ(同29,270台)だ。(セントラは)サニーやブルーバードシルフィの系統に属するセダンであり、現行モデルは8代目にあたるモデル(B18型)だ。
「セントラDETコンセプト」の「DET」とは、「デュアルオーバーヘッドカム(Dual overhead cam)」、「電子燃料噴射(Electronic fuel injection)」、「ターボ(Turbo)」の頭文字をとったもので、かつて日産がシルビアや180、パルサー、スカイラインなどのスポーツモデル向けの高性能エンジンで使っていたネーミング。セントラといえば、2021年からカナダで「日産セントラカップ」というワンメイクレースが開催されており、2024年にはその米国ラウンドが追加されることから、そのワンメイクレースに参戦するマシンから着想を得たのが、この「セントラDETコンセプト」だという。
セントラDETコンセプトは、ワンメイクレースに参戦するマシンから着想を得たコンセプトカー
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エンジンスペックは未公開だが、爆速セダンには違いない
その中身は実に豪華だ。ギャレット社製のインタークーラーやターボチャージャーを装着した2.0L 直4エンジンは、エンジンピストンやロッドを交換したうえで耐摩擦摩耗処理も施すなど、カリカリにチューンされている(スペックは未公表)。これに6速マニュアルトランスミッションを組み合わせた。
タイヤはヨコハマADVAN NEOVA(245/40R18サイズ)を、ホイールにはNISMO製の鍛造軽量ホイールLM-RS6を採用。ブレーキにはニッサンZ用のフロント/リアキャリパーと、CZP製軽量ローターを採用している。ホイールロックナットもNISMO製だ。
内装にはレカロ製のプレミアムスポーツシート(Sportster CS)とニスモ製シフトノブを装着。外装はおもにNISMOのステッカーでチューンされているが、エンジンフードには、冷却用のエアアウトレットダクトが2基あり、派手な演出もなされている。
セントラカップは、性能の近いマシン同士が車体をガシガシぶつけながら競い合う、肉弾戦のようなレース展開もある激しいレースだ。ライバルより少しでも早いマシンを手に入れたいというユーザーにとって、このセントラDETコンセプトは、すぐにでも欲しくなる内容といっていいだろう。
レカロ製のプレミアムスポーツシートとニスモ製シフトノブも装着されている
エンジンフードには、大型のエアアウトレットが2基、装着されている
NISMOの鍛造軽量ホイールと、超ハイグリップのヨコハマADVAN NEOVAタイヤを装着
大衆セダンでレースを楽しむ文化があるのは羨ましい限り
セントラに関しては、以前「日本導入もあるかも!??」という話題もあったが、いまではそんな話題すらなくなってしまった。いまでも日本に導入して欲しい日産車の一台ではあるが、残念ながら日本導入されることはないのだろう。
セントラカップには、老若男女問わず、幅広い人がレーサーとして参戦している様子が確認できる(しかもめちゃくちゃ楽しそう)。セントラのように、身近な大衆セダンでレースを楽しむ文化があるというのは、なんとも羨ましい限りだ。
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みんなのコメント
最近海外ニッサンはこういうスポーツモデル発表時に
4ドアのサイド面に大きく吹き上げる様なグラフィックを入れるんだけど
このグラフィックがあると4ドアが2ドアに見えて
すごくスポーティに見えるのは確かだけど
市販品にこんなグラフィックはあり得ない。
最近味をしめて毎回やってる。