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キーキー音が消えてホイールも汚れなくなる! 輸入車のブレーキパッドの社外への交換は「百利あって一害なし」だった

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キーキー音が消えてホイールも汚れなくなる! 輸入車のブレーキパッドの社外への交換は「百利あって一害なし」だった

日本での使用環境にマッチしたブレーキパッドを選ぼう

 チューニングのはじめの一歩として、ぜひオススメしたいのがブレーキパッド交換。とくに輸入車の純正パッドには、本国での使用環境による事情があって、日本の使用環境はそこからあまりにもかけ離れていることが多い。それを踏まえて、日本の、自分の、使用環境に合ったものに交換すると、扱いやすくお手入れも楽になり、人生バラ色になること間違いなしだ。

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輸入車と国産車ではパッドの素材が違う

 輸入車オーナーを悩ませることと言えば「ガソリンスタンドで洗車して帰ってきたらもうホイール真っ黒」とか、「止まるときにキーキー鳴く」、「ブレーキが妙に強く利いて乗りにくい」というのが定番。それらはすべてブレーキパッドが原因である。

 国産車の純正ブレーキパッドの多くは、「オーガニック材」や「ノンアスベスト材」と言われるものでできている。これらに鉄は含まれておらず、繊維や樹脂などを固めてできている。高温には強くないが、軟らかい樹脂成分などがメインなので利きのコントロールがしやすい。また、ダストも出にくく、出てもホイールに鉄分が刺さるようなことがないので、さっと洗えば落ちやすい。

 ブレーキパッドは大きく分けるとこのオーガニック材と、鉄分が含まれているものに分かれる。鉄分の含有量が少ないものは、多くのブレーキパッドメーカーで「ロースチール材」と呼ばれる。輸入車の多くは純正でロースチール材が使われているのである。

 ちなみに、もっと鉄の含有量が増えると「セミメタリック材」や「セラミックメタル材」などと呼ばれる。究極は「フルメタル材」。「焼結材」とも呼ばれ、鉄を筆頭にすべてが金属でできているものになる。

 この鉄の含有量を増やすほどに、ブレーキパッドは高温に強くなり、低温は不得意になる。街乗りでのローターの温度は0℃~100℃ほど。ワインディングでも300℃も上がれば相当頑張っている。ところがサーキットでは700℃以上にもなってしまう。そうなると樹脂のパッドの摩材は軟らかくなり、そこから発生したガスでフェード現象も起き、最後にはあっという間に灰のようになってしまう。そう、あのときの矢吹丈のように……なーんて。

 メタル系パッドは高温になると鉄が溶け出し、その金属分やカーボン成分がローターに皮膜を作り、その被膜と摩擦するのでローターも削れにくく持ちも良い。その代わり摩材が硬い分、ブレーキが冷えているときには鳴きやすい傾向にある。ブレーキが妙に強く利くのも、パッドがローターに噛み付いてしまうからで、冷間時に起きやすい。

日本で街乗りメインなら「オーガニック材」パッドに

 なぜそんな摩材を輸入車メーカーはチョイスするのか。それは単純に、海外の方が速度域が高いから。ドイツのアウトバーンが有名だが、ヨーロッパでは平均速度が高い高速道路が普通であり、そこをハイペースで走るのである。そのとき、200km/hオーバーから一気に減速するシチュエーションでしっかりと利いてくれないと困る。しかも、それを何度も繰り返すことになって、ペダルフィールに変化が起きても困ってしまう。となると、ある程度鉄が含有されたブレーキパッドにするしかないのである。

 そのパッドを日本で、低速でローターが冷えている状態で使っているのだから、鳴いたり、ジャダーも出やすい。鉄が多いパッドはそもそもダストも多いし、そのダストがホイールに刺さって綺麗になりにくい。さらに適正温度以下で使っているのでローターに正しく皮膜を形成できず、直接パッドがローターを削っている可能性も高い。

 なので、国内で乗るならアフター品のオーガニック材パッドにするのがオススメなのだ。ローター温度が低いところをメインに設計されているので、鳴きやジャダーが起きることもない。ダストはサラッとしていて、軽く水洗いすれば落ちてしまう。もちろん日本国内ではありえないが、日常的に200km/hオーバーからガッツリ減速するようなシチュエーションがあるなら、純正パッドなり、アフター品のセミメタ材のパッドなどを使ったほうが良い。

 近年では国産車でもスポーツモデルはロースチール系パッド採用車が増えていて、こちらも街乗り派からはオーガニック系のパッドの需要が高まっているそうだ。

街乗りに適したブレーキパッドの例

「エンドレス」の人気オーガニック系パッド「SSM PLUS」。ワインディング走行やサーキットを楽しむくらいまでの耐熱温度は持ちつつ、オーガニック系らしい扱いやすさとダストの少なさが特徴だ。

「ディクセル」のオーガニック系オールマイティパッド「ES」タイプ。オーガニック材で輸入車用がフロント1万1000円~、リヤ9000円~程度の価格ながら、スポーティな走行も可能な人気商品だ。

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みんなのコメント

49件
  • 百利あって一害なしとか、よく独断で書けますね。
    メリット・デメリットをちゃんと書いた方が余程、信憑性のある記事になりますよ。
  • 効きを優先したら変えない方が良い。
    ホイールはコーティングしてもらえば割とブレーキダストは落ちやすい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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