現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 絶滅危惧車のトラヴィックは、スバルチューンを施し「走りの良さ」を追求したミニバンだった

ここから本文です

絶滅危惧車のトラヴィックは、スバルチューンを施し「走りの良さ」を追求したミニバンだった

掲載 更新
絶滅危惧車のトラヴィックは、スバルチューンを施し「走りの良さ」を追求したミニバンだった

スバルのエンブレムをくっつけただけのOEM車ではない!

スバル トラヴィックは不思議な車だった。

過去の『絶滅危惧車』シリーズを見てみる

というのも当時、スバルはGMと戦略提携していたころで、GM傘下のオペル ザフィーラを「トラヴィック」としてOEM販売していた。

最大の特徴はザフィーラがヨーロッパ生産だったのに対して、トラヴィックはタイで生産されていたこと。

そして……ザフィーラよりも排気量が400cc大きいエンジンを搭載しながら、新車時価格は100万円近く安かったのだ。

1.8Lエンジンを搭載するザフィーラ CDXが289万円だったのに対して、トラヴィックのエントリーモデルは199万円という価格設定だった。

トラヴィックの登場から間もなく、ザフィーラが日本において販売終了となったのはやむを得なかったのだろう。

トラヴィックは単にザフィーラのフロントグリルを変えて、スバルのエンブレムをくっつけたというものではない。

シャシー、ボディはザフィーラと共通だったが、細部にはスバルならではのこだわりが数多く込められていた。

エンジンはザフィーラの1.8L(最高出力125ps、最大トルク17.3kg・m)に対して、トラヴィックはGM傘下のサターンが開発したオールアルミ製の2.2L 直4 DOHC(147ps、20.7kg・m)を搭載。

駆動レイアウトは2WD(FF)のみで、トランスミッションは4速ATが組み合わせられた。

足回りはフロントにストラット式、リアにトーションビーム式が奢られた。

形式こそ同じだが、スバルが日本の道路に合ったダンパーチューニングを施していた。

グレードは「ベースグレード」、スポーティ仕様の「Sパッケージ」、豪華仕様の「Lパッケージ」の3タイプ。

Sパッケージでは205/55R16タイヤ&アルミホイール、スポーツサスペンション、エアロパーツなどが装備され、スポーティに仕上げられた。

ちなみにエアロパーツは決してだてではなく、空気抵抗を示すCd値は0.32から0.30になった。

Lパッケージは15インチアルミホイール、ヘッドライトウオッシャー、マルチインフォメーションディスプレイ、ルーフレールなどを標準装備した豪華仕様だった。



ドイツ車っぽさあふれるミニバン

ボディサイズは、ザフィーラと同じ全長4315mm×全幅1740mm×全高1675mm(ルーフレール非装着車は1630mm)、ホイールベース2695mm。

これで7人乗車ができたので、かなりユニークな存在だった。

シートアレンジは2‐3‐2。サードシートはセカンドシート下にきっちり格納できる。サードシートであっても、必要十分なスペースが確保されていたのが頼もしい。

荷室はコンパクトなボディながら折りたたみ自在なシートによって、十分確保されていた。

走りはスバルチューンだったこともあるが、ベースのザフィーラ同様キッチリ、カッチリ、シッカリしたものだった。

ハンドリングはシャープで、どちらかというと硬めな乗り心地の味付けだった。

スバルチューンが施されたとはいえ、ドイツ車っぽさがプンプン漂っていた。

そういう意味では、ファミリーカーでありながらも走ることを意識させる車だったといえよう。



販売期間はたったの3年半……残された個体は少ない

絶版となってからはや15年、もうカーセンサーnetに掲載される物件も数えるほど。

原稿執筆時点(2019年9月2日)ではエントリーモデルは流通しておらず、SパッケージとLパッケージのみが見受けられる。

デビューは2001年だったが、2004年には絶版と短命に終わったことも掲載台数の少なさにつながっているのだろう。

中古車価格は安いものは10万円台から狙えて、もっとも高いものでも80万円弱といったところだ。

ちょっとでも気になった方は、中古車物件をチェックしてみてほしい!

文/古賀貴司(自動車王国)、写真/SUBARU絶滅危惧車のトラヴィックを見てみる▼検索条件スバル トラヴィック(初代)×全国

過去の『絶滅危惧車』シリーズを見てみる

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
motorsport.com 日本版
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
くるまのニュース
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.5268.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
トラヴィックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

189.5268.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村