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映画『カーズ』の世界にどっぷりハマれるモーテルへようこそ! 巨大なウサギの看板も必見の映えスポットです【ルート66旅_34】

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映画『カーズ』の世界にどっぷりハマれるモーテルへようこそ! 巨大なウサギの看板も必見の映えスポットです【ルート66旅_34】

アリゾナ州のホルブルック&ジョセフ・シティは映画『カーズ』の雰囲気たっぷり

広大なアメリカを東西2347マイル(3755km)にわたって結ぶ旧国道「ルート66」をこれまで5回往復した経験をもつ筆者が、ルート66の魅力を紹介しながらバーチャル・トリップへご案内。イリノイ州シカゴから西に向かい、見どころの多いアリゾナ州へやって来ました。今回はルート66沿いの2カ所のオススメスポットを紹介します。

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ネイティブアメリカン風のキャビンに泊まれる老舗モーテル

北方領土を含めた日本列島を超える長さのルート66で、個人的には一番見どころが多いと思うアリゾナ州。ふたつの絶景が楽しめるペトリファイド・フォレスト国立公園の次は、映画『カーズ』の世界に紛れ込んだような錯覚を抱くふたつの街だ。

ひとつめは人口が5000人弱とこの地域ではそれなりに栄えており、ペトリファイド・フォレスト国立公園の最寄りでもあるホルブルック。

観光客が多いため全米チェーンのモーテルもいくつかあるが、ルート66ファンなら「ウィグワム・モーテル」に泊まりたい。ネイティブアメリカンの伝統的な住居ウィグワムを模したキャビンで、2002年にはアメリカの国家歴史登録財にも指定されている。もともとは1930~1940年代に建設されたチェーン店で、当初はここを含め全国に7店が展開していたという。

ホルブルックのウィグワムがオープンしたのは1950年、初代のオーナーはチェスター・E・ルイスなる人物だった。以降も他人の手に渡ることなくファミリー・ビジネスとして継続しており、映画『カーズ』の世界的なヒットでさらに名を知られるようになる。

主要キャラクターのひとりであるサリーが経営する宿で、名前こそ「コージー・コーン・モーテル」だが、特徴的な外観はまさしくウィグワム・モーテルだ。部屋は決して広くないがクイーンサイズのベッドがあり、シャワーやエアコンやテレビなどの装備もすべて揃っている。

初めて宿泊したのは2011年3月の下旬だった。いつものように予約もせずフロントで空室があるか聞くと、パスポートを見て日本人だと知ったスタッフが嬉しそうに、味噌汁が大好物でインスタントをよく買うと教えてくれた。話が弾んでルート66を全線走破している途中だと言うと、初代オーナーのコレクションを展示した部屋を案内してくれたり、創業したころの歴史的にも貴重な写真を見せてくれるなど、手厚い歓迎を受け、それからの旅では定宿のひとつにしている。

なお現在も営業を続けているウィグワム・モーテルは、こことカリフォルニアのサンバーナディノのふたつ。機会があればそちらにも泊まってみることをオススメしたい。

ジャックラビットの看板は東西両側から観察しよう

次は街というほどの規模ではなく、CDP(国勢調査指定地域)のジョセフ・シティ。独自の役所や議会を持たない地方区分のひとつで、ルート66沿いにはそういったエリアがいくつかある。

ローカルな場所ながらも高い知名度を誇るのが「ジャックラビット・トレーディングポスト」で、1949年にサンタフェ鉄道が所有する建物の跡地に作られたギフトショップだ。ネイティブアメリカンの工芸品やルート66のグッズなどバラエティに富んだ品揃えも魅力だが、多くの観光客を虜にするのは店の前を走るルート66を挟んだ向かいの看板。

黄色の背景に黒いウサギ(ジャックラビットと呼ばれる耳の大きなノウサギ)のシルエット、その隣には赤で「HERE IT IS」というキャッチフレーズが大きな文字で記されている。この看板もアレンジしつつ映画『カーズ』に登場しており、ウサギのイラストをT型フォードに置き換えた以外はそのまま。

何度か観ているうちに気付いたのが看板の向きで、東から西を見るときはイラストが左側で、逆に西から東を見るときは文字が右側なのだ。この向きも映画では正確に再現されており、製作陣の妥協しないこだわりに驚かされた。ジャックラビット・トレーディングポストを訪れる機会があれば、看板を東西どちらの向きでも撮影することを忘れずに。

次回はもう少し西へ進み、個人的に思い入れがある街、ウィンズローと近隣の知る人ぞ知る絶景を紹介したい。

■「ルート66旅」連載記事一覧はこちら

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