内燃エンジン世代ホットハッチのアンカー
ひと昔前のホットハッチは、素直で清々しかった。子犬のように敏捷な身のこなしと、ドッカンターボの加速力。最近のクルマには、そんな一癖ある特長が薄いとお嘆きの読者も少なくないだろう。寂しいことだが、現代という時代を表している。
【画像】エンジン世代の最終進化形 メルセデスAMG A 35 競合クラスのホットハッチと比較 全138枚
そもそも、臆すことなくホットハッチと呼べるモデルは、絶滅危惧種に数えていい。内燃エンジンの終焉を近い将来に控え、最終進化形と呼べる状態を迎えている。
新車価格も、大幅に上昇してしまった。新しいホンダ・シビック・タイプRは、すっかり高嶺の花になった。
そんなホットハッチの雄で、最終進化形の1つにあるのが、メルセデスAMG A 35だ。通常のメルセデス・ベンツAクラスと同様に、2023年仕様としてアップデートを受けている。数年後にバッテリーEVへ交代するまでの、内燃エンジン世代のアンカーとして。
改良を受けたA 35を見分ける特徴といえるのが、A 45と同じパワーバルジを備えたボンネットと、縦にリブが並ぶフロントグリル。ボンネット上のエンブレムも、アッファルターバッハ特有のものへ交換された。正当なAMGだと、証明するように。
A 45と同じリアウイング 内装もアップデート
ただし、実際のドライビング体験が正当なAMGかと聞かれれば、即答はしにくい。A 35には、通常のAクラス用エンジンのチューニング版が載っている。AMG謹製の専用ユニットではないから、完璧な仕上がりではないとしても不思議はない。
とはいえ新しいC 63には、もはや大地を震わせる勢いのV型8気筒ツインターボエンジンは載っていない。2.0L 4気筒ターボエンジンのプラグイン・ハイブリッドになってしまった。本物という概念自体が、揺らいでもいる。
新しいA 35では、ヘッドライトのデザインが改められた。ホイールも新デザインのものが用意されている。試乗車のテールゲートには、A 45譲りの大きなリアウイングも載っていた。
このウイングは、英国での最上級トリムグレードになる、プレミアムプラスを指定した場合にのみ与えられる。通常のA 35の場合、テールゲートの上に庇のようなスポイラーが付く。こちらの方が、筆者は控えめで好きだ。
インテリアではタッチパッドが省かれ、大きなタッチモニターのみでインフォテインメント・システムを操作するように変更された点がトピックだろう。2連モニターの表示は、鮮明で見やすい。
内装の品質は、格上モデルほど入念に拘られているわけではない。それでも見た目はスタイリッシュだし、ダッシュボード上の操作系のレイアウトも機能的といえる。ステアリングホイールは、ダブルスポークの最新版になった。
一貫性が若干足りないドライビング体験
さて、実際にA 35で公道へ出てみると、基本的な個性は変わっていない。登場から5年が経過するものの、動力性能の高さは印象的。若干、ドライビング体験に一貫性が足りないことも同様だ。
流れの速い郊外の道では、アグレッシブに駆け回りたいという姿勢が伝わってくる。サスペンションのスプリングは硬めだが、ある程度速度域が高くなれば乗り心地には落ち着きが出てくる。
反面、ステアリングの反応は、切り込んでいくとやや鈍く感じられる。またフロントシートは座面が高めで、横方向のサポート性が充分とはいえない。引き締められたサスペンションと、上手く歩調を合わせられていない。
ペースを緩めてA 35を運転すると、乗り心地には硬さが目立ち出す。特にツギハギの多い区間では、リアアクスル側の揺れが大きい様子。スプリングレートが高いことが原因といえ、ダンパーを最もソフトな設定にしても、明確に改善されることはない。
5万ポンド(約900万円)もするホットハッチなら、もう少し幅の広い特性が必要だと思う。サスペンションは、もっとしなやかでいい。
ロードノイズは小さくない。タイヤは有能なコンチネンタル・スポーツコンタクト6だから、違う銘柄へ交換しても解決は難しいかもしれない。筆者の経験としては、ミシュランの方がうるさく感じられることが多い。
胸のすくような動力性能 8速AT獲得
それでも、胸のすくような動力性能に間違いはない。電圧48Vのマイルド・ハイブリッドを獲得し、低回転域では従来から13psほど向上しているという。ただし、306ps/5800rpmの最高出力に変わりはない。追加の部品で、車重は15kg増えている。
アップデートに伴い、8速デュアルクラッチATも獲得している。従来の7速ATより1段多いにも関わらず、軽量でコンパクトだというのがうれしい。変速スピードは、シフトダウン時にワンテンポおく感じだが、シフトアップは唸るほど素早い。
メルセデスAMG A 35は従来通りすこぶる速く、運転スタイル次第では爽快に走り回れる。だが、単体で見れば充分に納得できるものの、高次元にまとまりのある個性を宿すとまでは、いえないかもしれない。
メルセデスAMG A 35 4マティック・プレミアムプラス(英国仕様)のスペック
英国価格:5万825ポンド(約914万円/試乗車)
全長:4439mm
全幅:1790mm
全高:1400mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.7秒
燃費:11.6-11.8km/L
CO2排出量:193g/km
車両重量:1495kg
パワートレイン:直列4気筒1991ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps/5800rpm
最大トルク:40.7kg-m/3000-4000rpm
ギアボックス:8速デュアルクラッチ・オートマティック
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
RS3と変わらないじゃないですか。
グリルとグレードバッチを交換する底辺を生むだけ。