輸入車の大定番モデルであるBMW3シリーズセダン。そのエントリーグレードは、質実剛健なドイツ車の伝統を受け継ぎ、優れた基本性能を備えるため、人気が高い。
新型にも、ついに廉価な「318i」が復活を果たした。驚くべきことに、新しい「318i」は限りなく、「320i」に近いにも関わらず、お値段がグッと抑えられている。
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その違いとお得な理由を解説しよう。
文:大音安弘 / 写真:BMW
【画像ギャラリー】時代を超えて愛される!歴代BMW 318iを振り返る
馴染み深い318iが復活
BMWは、2020年8月3日、主力モデルであるBMW3シリーズセダンに、新たなエントリーグレード「318i」を追加し、同日より販売を開始した。
価格は、標準車が489万円、Mスポーツが559万円。全車が右ハンドルの8速AT仕様となる。
新型3シリーズに、定番のエントリーグレード「318i」が復活した
最大の違いのエンジンは?
先代の318iでは、ダウンサイズとなる1.5L直列3気筒ターボエンジンを搭載し、パワーはそこそこだが、鼻先の軽さを活かした軽快な走りを楽しませてくれた。
新型では、再び排気量を拡大。2.0Lの4気筒DOHCターボエンジンを搭載する。このエンジン、上位モデルである320iと同型式のもの。つまり性能を落としたデチューン仕様なのだ。
その性能差は、最高出力で28ps、最大トルクで50Nmのダウンになる。とはいえ、必要十分以上の性能を備えており、最高出力156ps/4500rpm、最大トルク250Nm/1350~4000rpmを発揮する。
もちろん、排気量が拡大されたことで、先代318iよりも力強くなっている。また燃費についても、320iよりも、+0.4km向上の13.4km/L(※WLTCモード)と経済的だ。
トランスミッションについても、上位モデルと同様、8速ATが与えられる。スポーツ指向の「Mスポーツ」では、8速スポーツATとなる。
エンジンは、320iと同じもののスペック違いとなる
なんと装備は320iとほぼ同等
エンジン性能には差が設けられた一方、装備面の差はごくわずか。非装着となるアイテムは、前席シートヒーターとワイヤレスチャージングのみ。
これらのアイテムも、電動式トランクゲートやHI-FIスピーカーシステムなどを含む「コンフォートパッケージ」を選べば、装着することも可能だ。
代表的な標準装備として、アダクティブLEDヘッドライト、HDDナビゲーションシステム付きのインフォテイメントシステム及びデジタルメーターパネル、DSRC車載器、SOSコールやサポートデスクなどを含む「BMWコネクテッド・ドライブ・プロフェッショナル」、ACCや衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全運転支援機能のパッケージ「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」など充実の内容を誇る。
先進安全運転支援機能については、高速道路及び自動車専用道路で、60km/h以下でハンズオフを実現した「ハンズオフ機能付渋滞時運転支援機能」や35km/h以下で走行中の直近50mの軌跡を記録し、後退時のハンドル操作を支援する「リバースアシスト」などBMWならではの先進機能も、しっかりと抑える。
先進機能も、上位モデルと同等だ(写真は本国仕様車のもの)
価格もずっと身近に
厳密にいえば、320iでは、より多くのオプションが選択できるなどの違いはあるものの、基本的装備は充実しており、標準状態でも不満を感じることはまずない内容となっている。
それでいて価格は、標準車で49万円、Mスポーツで40万円も抑えれているのは、かなり魅力的ではないだろうか。
また政府のサポカー補助金の対象車として認定されており、令和2年度中に満65歳以上となるユーザーの購入ならば、6万円の補助を受けることもできる。
サポカー補助金の対象車として認定されているので、65歳以上の人はよりお得に購入できる
今回の318iの導入で、320iの装備を簡素化した「320i SE」は廃止となったが、装備内容を考えると、断然318iとなりそうだ。
また現時点では、ステーションワゴン「ツーリング」には、非設定となり、引き続き、「320i SE」がエントリーを担う。
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