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BMW M440ixDrive試乗記 驚きの連続 Mパフォーマンスモデル

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BMW M440ixDrive試乗記 驚きの連続 Mパフォーマンスモデル

BMWの4シリーズM440i xDriveに試乗してきた。ご存知のように3シリーズとの兄弟関係にある4シリーズは4ドアとクーペというポジションの違いからスタートしているが、もはや全く別のカテゴリーに区別できるモデルと言えるだろう。

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4シリーズは3シリーズと同じプラットフォームのCLARを採用し、共通するものも多いが、今回試乗した440ixDriveは明らかに3シリーズとは異なる立ち位置にあるモデルだと多くの人が感じるだろう。

ちなみにこの「CLAR」とう名称のプラットフォームは、BMWのFRないし全輪駆動に対応し、スチール、アルミ、カーボンを組み込んだモジュラープラットフォーム。ICE搭載をベースにPHEVまで対応する。車両セグメントとしてはDセグメントからE、Fセグメント、スポーツカー、SUVまで幅広くカバーするプラットフォームだ。そしてFFでは「UKL2」という名称のプラットフォームを開発している。

Mパフォーマンスモデル

試乗車のM440i xDriveはM社が開発する高性能モデルで、現在M社ではサーキット走行が楽しめるMハイ・パフォーマンスモデル、いわゆるM3やM5といったMモデルと、サーキットでの知見を盛り込んで開発したストリートモデルがMパフォーマンスモデルで、試乗車のM440i xDriveはこのMパフォーマンスモデルに分類されているモデルだ。

だから、ハイパフォーマンスなのは当たり前性能とも言え、搭載するエンジンは、直列6気筒ターボ+ZFの8速ATを搭載している。パフォーマンスは285kW(387ps)/5800rpm 、500Nm/1800-5000rpmで、0-100km/h加速は4.5秒という俊足を味わってきたのだ。

またxDriveとあるように全輪駆動でMデファレンシャルを搭載し、抜群の安定性と安心感を感じることができる。

インテリアも3シリーズとは異なる印象を持つ。細部に渡り加飾され、演出されているため高級感は増す一方。アルミを思わせる鈍く光る樹脂やカーボンを思わせるデザイン、ルームランプのカバーにもテールレンズと同様のデザインを施すなど、細かく仕上げている。

だから見た目の満足感と、手で触れたときの納得感も同時に立ち上がり「いいもの感」が湧き出てくる。試乗車のシートはタンカラーの茶系で、これがまたダンディズムを刺激するカラーで、渋く大人な印象を醸し出していた。こうした感覚や乗る人の感性に響くような演出が随所にあり、走り出す前から高揚していくのを感じる。

エクステリアはさらにインパクトがある。外人じゃないが「わぉ~」と言いたくなる。なんといっても大型のキドニーグリルだ。2019年の上海モーターショーでコンセプトモデルを見かけたが、ほぼそのまま北米でデビューした。そのインパクトのまま、国内デビューしたわけだが、とにかく印象に残る。このデザインを見ていると近い将来ナンバープレートは意味がなくなるのか?という想いも湧く。

そして美しいサイドシルエットはため息も出てくる。ショートオーバーハングにロングノーズ。小さく見えるキャビンに流れるルールライン。ドアが2枚しかないという贅沢。「かっこいい」を実感するシルエットだ。

ピュアスポーツカーとジェントルな乗り味も

走り出すと、見た目とは少しギャップがあり、しなやかな乗り心地を感じる。もっとスポーティな乗り心地をイメージしたが、しっとりとした優しい乗り心地なのだ。ドライブモードにより可変するダンパーがいい仕事をしているということなのだろう、ジェントルな乗り心地を提供してくれる。ちなみに、デフォルトは「コンフォート」モードだ。

そしてエンジン音はわずかに聞こえてくる。これがまたいい。高級車になればなるほど、静粛性が求められるが、こうしたクーペボディでスポーティなルックスであれば、「走り」を予感させる演出はぜひ欲しいところ。なめからに回る6気筒エンジンと心地よいサウンドはクルージングドライブを格上げする。

ドライブモードを「スポーツ」に切り替えるとメーターパネルもスポーツモードになり赤色の演出が入る。わずかにエンジン音も大きくなり、本領を発揮する。500Nmの大トルクと滑らかに回転上昇するタコメーター。「気持ちいい」が思わず口からこぼれてしまう。

アクティブMサスペンション、Mスポーツデファレンシャル、バリアブルスポーツステアリングなどの機能が一気に開花し、ピュアスポーツカーへと変身する。xDriveの全輪駆動は踏ん張り、左右輪のトルク差を常時制御するため、コーナリングからの立ち上がりでも安心して強く踏み込める。それに反応するエンジン音はまさにスポーツカー。

ステアリングの切れ角を制御するバリアブルスポーツステアリングにより、僅かな舵角でも回頭し、ロール、ピッチングは抑えられ、フラットに回頭していき旋回性の良さを満喫する。まさにM社のMパフォーマンスモデルであることが印象付く瞬間だ。

先進のコンシェルジュ

今回のワインディング、高速道路の試乗では試せなかった機能を少しご紹介しておくと、渋滞時のハンズフリーが搭載されている。一定の条件下であればドライバーはステアリングから手を離すことが可能で、運転疲労軽減に大いに役立つ。またリバースアシスト機能も搭載。これは袋小路などバックで戻る必要が生じたとき50mまで来た道を自動でトレースしてバックする機能。狭い日本の道路では役立つという話だ。この他の安全運転システムや運転支援システムも搭載していることは言うまでもない。

またiphoneによるデジタルキーがある。iphoneがキー代わりになる機能で、複数の端末で共有できるので便利。さらに専用アプリで遠隔でのリモート操作が可能で、鍵の施錠、解錠や室内の空気の入れ替えができるので、夏の暑い時期に熱気を排出させることができる。さらに駐車位置を地図上に表示したり、広い駐車場ではヘッドライトを点滅させて位置確認ができるなどの機能もある。

もちろん「OK BMW」で機動するAIを搭載したインテリジェント パーソナルアシスタントも搭載しており育てていく楽しみもあったりする。

これらの先進安全運転支援システムやさまざまなサービスを搭載しながら、BMWらしさがきちんと作り込まれている。4シリーズならではのピュアスポーツカー性能、ジェントルなコンフォート性能も持ち合わせており、驚きの連続だった。さらに3シリーズと兄弟関係にあることを踏まえると、人が感じる魅力の沸点やしきい値を定量化したかのごとく味付けの違いを作り出し、造り分けていることにも驚かされ、プレミアムブランドならではの高いバリューを感じる試乗だった。<レポート:高橋明/Akira Takahshi>

価格

BMW M440ixDrive 1025万円(税込み)

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