初回 強い独自性で存在感を放つマツダ
マツダらしくあることは、簡単ではないだろう。日本の広島に拠点を置く自動車メーカーは、強い独自性で存在感を放ってきた。
【画像】スタイリッシュなマツダのSUV CX-5とCX-3 CX-30とCX-60も 全84枚
世界的なスポーツカー氷河期となっていた時代に、手頃な2シーターのMX-5(ロードスター)を発表。ほぼ唯一といえたロータリーエンジンを、観音開きの4シータークーペに搭載してきた過去もある。
近年は、多くのメーカーが排気量を小さくしターボチャージャーで過給する道を選ぶなかで、毅然として自然吸気エンジンの可能性を追い求めてきた。ブランドの粘り強さに、感心する英国人は少なくない。
自動車市場は、クロスオーバーやSUVへ大きく流れている。多くの人が、ドイツ製の電動化されたモデルに関心を寄せている。流石に、この流れにはマツダも逆らえないらしい。現在の英国では、マツダの販売台数の60%をSUVが占めている。
今回、英国編集部の長期テストにやって来たのは、フェイスリフトを受けた新しいCX-5だ。ファミリー層向けに開発された中型SUVで、一般的にはあまり運転が楽しいとはいえないカテゴリーに属している。
今回確かめたい疑問は、比較的シンプル。各メーカーが新モデルをリリースし、混迷するカテゴリーの中にあって、カッコいいマツダらしさは健在なのかどうか。数か月の試乗を通じて、CX-5の実力に迫ってみたい。
魂動デザインの魅力が表現された見た目
CX-5の見た目はカッコいい。少し過剰気味に個性を放とうとするライバルもいるが、マツダはずっと控えめ。同社が掲げるデザイン・スタイル、魂動デザインの魅力が良く表現されていると思う。
車群のなかで目立つクルマではないかもしれないが、間違いなくハンサムだ。ボディカラーはオプションのエターナル・ブルーマイカで、これも普段の道での上品さを高めているように思う。
エンジンは、2.5L 4気筒のスカイアクティブGと呼ばれる自然吸気ガソリン。英国仕様では最高出力193ps、最大トルク26.2kg-mを発揮する。ターボではない証拠として、最大トルクの発生回転は4000rpmと高い。
マツダは、2.5Lという排気量が正しいと考えている。この車格のSUVには、必要な大きさということなのだろう。一方、マイナーチェンジで気筒休止システムを採用し、燃費はカタログ値で12.5km/L。実際の利用条件での数字が楽しみだ。
近年はガソリン代が高い。少しでも燃費は良い方がうれしいことに間違いはない。
エンジンはノイズが大きいものの、それに伴うパワー感はあまりない。保守的なユニットとはいえ、第一印象で秀でているわけではない。これからの普段使いで、印象はどのように変化していくだろうか。
追加する必要がないほど装備は充実
それ以外の部分は、筆者の日常へ既に馴染んでいる。内装は高級なナッパレザーで仕立てられ、カラーもダークブラウンでスマート。子どもたちは、チョコレート・ブラウンなどと呼んでいる。
トリムグレードは、英国では最上級に当たるGTスポーツ。ちなみに、ほかにSE-Lとニューグランド、スポーツ・エディション、スポーツブラック・エディションの4種類がある。
GTスポーツの場合、19インチのアルミホイールにヒータとベンチレーション内臓のシート、熱線入りステアリングホイール、アダプティブLEDヘッドライト、360度カメラ、ヘッドアップ・ディスプレイなど装備は至って充実。不足はない。
結果として、選ばれたオプションはボディカラーのみとなった。マツダの考えも同様なようで、英国版のホームページにあるコンフィギュレーターへ飛んでみても、選べるのはキーフォブ(キーの筐体)などしかない。
CX-5 GTスポーツの英国価格は3万3675ポンド(約555万円)から。最も上級な2.5Lエンジンを選ぶと、3万7785ポンド(約623万円)へ上昇する。安くはないが、ライバルと比べるとお手頃かもしれない。
記憶に残るクルマといえるのか
既に筆者が鍵を受け取ってから1600kmほどを走行しているが、幾つかの長所も発見している。荷室の明るい照明は有用だし、40:20:40に分割して倒せる後席の背もたれは、テールゲート側からでも操作が簡単。長尺の荷物も積みやすいはず。
クルマとして際立つ強みではないかもしれない。それでも、ファミリーSUVに求められる能力、実用性を下支えしてくれる機能だと思う。
クルマ好きから一目置かれる素晴らしいブランドのSUVとして、CX-5からマツダらしさを感じ取ることはできるだろうか。記憶に残るモデルといえるのか、これからの長期テストで確かめてみたい。
セカンドオピニオン
マツダCX-5の動的能力を、英国の峠道で確かめたことがある。路面は濡れていたが、このサイズのSUVとしては例外的に、遥かに自信を感じながら運転することができた。その能力に疑いの余地はない。
一方で、このセグメントではランニングコストも大切な要素となる。褒めにくい燃費が、今後の印象へどのように影響するだろうか。 Felix Page(フェリックス・ペイジ)
テストデータ
テスト車について
モデル名:マツダCX-5 2.5 AWD GTスポーツ・オート(英国仕様)
新車価格:3万7785ポンド(約623万円)
テスト車の価格:38,365ポンド(約633万円)
オプション装備
メタリック塗装:580ポンド(9万6000円)
テストの記録
燃費:10.9km/L
故障:なし
出費:なし
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント