2023年4月18日から21日(現地時間)、FIA世界ラリー選手権(WRC)第4戦ラリー・クロアチアが首都ザグレブを起点としてターマック(舗装路)を舞台に開催される。今シーズンはここまでトヨタとヒョンデがほぼ互角の戦いを見せており、ドライバーズ選手権も大混戦。トリッキーなイベントとして知られているラリー・クロアチアははどんな展開となるのだろうか。
今季ここまでヒョンデが2勝、トヨタ1勝
2024年の世界ラリー選手権はここまでヒョンデ2勝、トヨタ1勝だが、マニュファクチャラーズポイントではほぼ互角。前戦サファリで優勝したトヨタが、ヒョンデを逆転して4点差でマニュファクチャラー選手権首位を奪回した。
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一方、ドライバーズ選手権は、ティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデ)、エサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)と毎回ウイナーが入れ替わる混戦となっている。
【参考】2024年 WRCドライバーズランキング(第3戦終了時)
1位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)67
2位 E.エバンス(トヨタ)61
3位 A.フルモー(Mスポーツ・フォード)46
4位 O.タナック(ヒョンデ)33
5位 K.ロバンペラ(トヨタ)31
6位 勝田貴元(トヨタ)30
7位 S.オジェ(トヨタ)248位 E.ラッピ(ヒョンデ)23
【参考】2024年 WRCマニュファクチャラーズズランキング(第3戦終了時)
1位 トヨタ 131
2位 ヒョンデ 127
3位 Mスポーツ・フォード 72
昨年のラリー・クロアチアでは、首位を走っていたヌーヴィル(ヒョンデ)が土曜午前中のSSでコンクリートブロックに激突してスピン、そのまま立ち木にクラッシュしストップするというアクシデントが発生。これで首位に立ったトヨタのエルフィン・エバンスが、ライバルたちがトラブルに見舞われる中、大量リードに守られて無難に走り切って優勝した。
エバンスは2021年のラリー・フィンランド以来、約1年半ぶりの勝利。2位はMスポーツ・フォードのオイット・タナック、3位にヒョンデのエサペッカ・ラッピが入った。
【参考】2023年 WRC第4戦ラリー・クロアチア 結果
1位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h50m54.3s
2位:O.タナック(フォード プーマ ラリー1)+27.0s
3位:E.ラッピ(ヒョンデ i20 N ラリー1)+58.6s
4位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m18.3s
5位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m28.0s
6位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+2m22.5s
7位:P.ルーベ(フォード プーマ ラリー1)+4m22.6
8位:Y.ロッセル(シトロエン C3 ラリー2))+7m51.3s
9位:N.グライジン(シュコダ ファビアRS ラリー2)+8m07.4s
10位:O.ソルベルグ(シュコダ ファビアRS ラリー2)+9m16.7s
ミスを犯しやすい油断のならないステージが待ち受ける
ラリー・クロアチアは舗装路のみを走行する今季初めての「フルターマックラリー」。ステージはバラエティに富み、ハイスピードな流れるようなコーナーもあれば、曲がりくねったテクニカルなコーナーもある。
このイベントが他のターマックラリーと異なるのは、路面のグリップが刻々と変化すること。1本のステージの中でもコーナーごとに違ったり、ひとつのコーナーでもイン側とアウト側で異なることもある。その上、路肩部分の泥や砂利が「インカット走行」により舗装路上に大量に掻き出されるコーナーも多く、またこの時期は雨も多く降ることから、路面のグリップ変化を予想することが非常に難しいラリーとして知られている。
ラリーの中心となるサービスパークは、昨年まで置かれていたザグレブ中心部の見本市会場「ザグレブ・フェア」から、郊外の「ウエストゲート・ショッピング・シティ」へと移動。ステージは隣国スロベニアにも近いクロアチアの北部に設けられる。
ラリーは4月18日(木)にシェイクダウンとザグレブでのセレモニアルスタートが行われ、競技は19日(金)からスタート。
デイ1は、ザグレブの南西に位置する、アドリア海に臨む都市「リエカー」を目指しながら4本のステージを走行。この日はミッドデイサービスの設定がないため、タイヤ交換と簡便な整備作業のみ可能な「タイヤフィッティングゾーン」を経て、午後は4本のステージを午前中と逆の順序で再走。8本のステージの合計距離は119.74kmと、3日間で最長となる。
デイ2の20日(土)のデイ2はザグレブの西側および南側で、4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。最終日となる21日(日)のデイ3は、ザグレブの北側で2本のステージを各2回走行。そのうち、最終のSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。
ステージは全20本でその合計距離は283.28km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1429.34kmが予定されている。
トヨタはこのラリーに、エルフィン・エバンス、セバスチャン・オジェ、勝田貴元の3台がワークスエントリー。一方のヒョンデは、ティエリー・ヌーヴィル、オイット・タナックに、ターマックを得意とするアンドレアス・ミケルセンの布陣でのぞむ。
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