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気鋭のデザイナー、マルセル・オースターターク氏が語るOPELの先進的なカーデザイン論

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気鋭のデザイナー、マルセル・オースターターク氏が語るOPELの先進的なカーデザイン論

会場に展示された『MOKKA-e』とアンバサダーを務めるデザイナーのオースターターク氏。

〝クルマとファッション〟は切っても切れない関係にある。クルマはファッションの一部であり、またその逆もしかりだ。時代を象徴するヒストリックカーには、それにふさわしいファッションがあるように、個性的で若々しく、クリーンなデザインの最新OPEL車にも、ふさわしいファッションがある。ベルリン発の気鋭のファッションブランド「Marcel Ostertag」のデザイナーに、『MOKKA-e』と自身のコレクションについて語ってもらった。

バイオレットGT、フルヴィアアクーペ、ストラトス、131ラリー、2000GT、今年も名車が集結した「オートモービルカウンシル2021」

 ドイツはフランスやイタリア、イギリスなどと比べると、一般的にはファッショナブルなイメージは強くない。

 もちろん世界的に有名なファッションブランドがあり、ヒューゴ・ボスやカール・ラガーフェルド、ジル・サンダーのように、日本でもその名が知られた有名デザイナーも輩出している。

 だが、ドイツのファッションは、一部を除けば〝モード系〟というよりは〝トラッド系〟のものが大半で、グレーやブラックの服が多い。8年以上ドイツで暮らした筆者としては、〝ドイツ人ほど「黒」にこだわりを持った人たちはいない〟と思っている。

 一説には、アメリカにおけるムービースターや、イギリスにおける王室、フランスにおける上流階級のようなファッションアイコンが、ドイツにはおらず、ファッショナブルであることよりも機能性や快適性を重視する国民性がそうさせているともいわれている。アディダスやプーマのようなスポーツブランドの人気が高いのも、そのような背景があるのだろう。

 だが近年は、そのようなドイツ的ファッションセンスに変化もみられるようになってきた。インターネットの普及で世界中の情報が手に入るようになったことで、特に若い世代を中心に、カラフルでスタイリッシュなモード系ファッションの人気が高まっている。

 またドイツの中でも国際化が進んでいるベルリンやハンブルク、デュッセルドルフといった街では、日本人の感覚でもオシャレな若者を目にすることも珍しくない。

2021年9月8日に、ベルリン・ファッション・ウイークの一環として、ベルリン・ミッテ地区にある聖エリザベス教会で行なわれた「Marcel Ostertag」のショーは、ブランド創設15周年を記念した特別なイベントだった。

会場の一角でメイク中のモデル。メイクアップアーティストも一流どころが揃う。

ショー開始前に談笑するモデルたち。モデルは世界中から集まり、日本人も出演していた。

聖エリザベス教会のバックヤードでのショット。リノベーションしたレトロな建築と最新ドイツモードが、独特な空気感を醸し出す。

バックヤードでスタッフに指示を出すオースターターク氏。その表情は真剣そのもの。

 特に世界的に有名な「ベルリン・ファッション・ウイーク」が、毎年夏と冬に開催される首都ベルリンは、その傾向が顕著だ。旧東ベルリンのミッテ地区には、世界中からクリエイターが集まり、最先端のファッションやコンテンポラリーアートなどが生み出されるエリアとして、今や世界的に注目を集めているほどだ。

 そんなベルリンを拠点に活動する、気鋭のファッションデザイナーのひとりがマルセル・オースターターク氏。だが出身は南ドイツのバイエルン州で、デザイナーとしてのキャリアもミュンヘンでスタートしている。

 2008年にベルリン・ファッション・ウイークで、コレクションが高い評価を受けたことを契機に、彼のコレクションは、ドイツ最大(当時はヨーロッパで2番目)に大きなデパートチェーン、カールシュタットで取り扱われるようになる。今では彼のブランド「Marcel Ostertag」は、ドイツの若い女性から絶大な支持を集めるまでに成長している。

 今回は、2021年9月8日にベルリン・ファッション・ウイークの一環として行なわれた、オースターターク氏の2022春夏コレクション「15 YEARS JUBILEE SHOW 〝YOU ARE MY SUNSHINE〟」を観に行ってきた。実はオースターターク氏は、オペルのブランドアンバサダーでもあるのだ。

 会場はベルリンのミッテ地区にある聖エリザベス教会。1830年代に建てられた、4つのベルリン郊外教会の中で最大の教会だ。第2次世界大戦で甚大な被害を受けたが、1990~2001年に改装され、現在は様々なイベントに使用されている。宗教的な神々しさと現代建築のクールな雰囲気が融合した、とても独特な空気感が感じられる施設である。

 ショー開演前の休憩時間に、オースターターク氏に話を聞いた。

「私はオペルのブランドアンバサダーで、『MOKKA』と『MOKKA-e』を紹介する〝TEAM MOKKA〟の5人のメンバーのひとりです。オペルのクルマはクリアなラインを使った、モダンで時代の先を行くデザインだと感じています。特に堂々とした姿の『MOKKA』は、自動車デザインに新しい風を吹き込んでいるように思います。私のコレクションとも、とても相性が良いですね」

 自身の作品と『MOKKA-e』には共通点もあるという。

「サステナブルで心地よい点が共通すると思っています。私が乗っている『MOKKA-e』はBEVで、シートにはマッサージ機能まで付いています。私の作品も肌触りの良い素材を使って、快適な着心地になるように作っています。今回のコレクションに関しては、〝70年代の夏のスタイル〟をイメージして制作し、ピンクやイエローを強調したコレクションになっています」

『MOKKA-e』の印象や、彼の日常についても聞いてみた。

「2021年の2月に初めて運転したのですが、とても軽快で速くて大好きになりました。私のパートナーも喜んで運転しています。私はあまり無目的にドライブするタイプではないのですが、仕事で移動する時はよく運転しています。ラゲージに荷物をたくさん積んで、ベルリン中を走っていますよ。『MOKKA-e』は若々しいデザインで、乗っているととても豊かな気持ちになるので、若い人に限らず、幅広い層にフィットすると思います」

 インタビューの後、程なくしてショーがスタートした。ピンクのキャットウオークを行き交うオースターターク氏の最新コレクションは、70年代の夏をテーマにしているだけあり、どこか懐かしさを感じさせながら、大胆さと繊細さが同居していた。ビビッドでありながらやさしい色使いはとても健康的で、ファンが多いのも頷ける。

 またドイツ的でありつつ無国籍/多国籍な雰囲気もあり、ある意味とても現代のドイツらしいコレクションという印象を受けた。

 ショー終了後に、会場に居合わせたオペルのマーケティングディレクターが、次のように語っていたのはとても印象的だった。

「彼の作品のクリーンで健康的なイメージは、オペルの世界観にふさわしいと感じています。彼にアンバサダーになってもらえて、とても喜んでいます」

『MOKKA-e』のデザインは、大胆で時代の先を行っている。
自動車デザインの世界に、新しい風を吹き込んでいる

全身に刻まれた蝶や花、魔法陣などのタトゥーが独特のセンスを感じさせるオースターターク氏。ショー開演前の貴重な時間に、『MOKKA-e』と自身のコレクション、クルマへの想いなどを語ってくれた。

「YOU ARE MY SUNSHINE」と銘打たれた今回のショーでは、「70年代の夏のスタイル」をイメージした作品が多数披露された。個々の作品はそれぞれ個性があり、とてもインターナショナルな雰囲気だったが、コレクション全体には統一感が感じられた。

濃い目のピンクのパンツスーツに薄いピンクのロングブーツを組み合わせたスタイルは、モダンでありながら、70年代を想起させる雰囲気。背景に映る『MOKKA-e』の大胆なデザインによくマッチしている。

ショーの終わりに来場者へ挨拶し、出演したモデルたちに感謝の意を伝えるオースターターク氏。スタンディングオベーションで幕を閉じた。

Profile|マルセル・オースターターク

『MOKKA-e』のアンバサダーを務める、気鋭のファッションデザイナー、マルセル・オースターターク氏は、1979年にバイエルン州ベルヒテスガーデンで生まれる。13歳で怪我のためにバレエの道を諦め、ファッションを学び始める。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ・カレッジ卒業後、ミュンヘンにショップを開くが、ベルリンでの活動が増え、2016年に拠点をベルリンへ。同年にはNYファッション・ウイークにも参加した。http://www.marcelostertag.com

取材・文/竹花寿実 撮影/吉田タイスケ

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランドMOOK「&OPEL 未来を創るクルマ。」発売中

 1862年の誕生以来、不断の進化によっていつの時代も時代も最先端のポップカルチャーであり続けたOPEL。そのブランドDNAとその魅力を、チーフデザイナーへのインタビューや歴史的名車の検証などをもとに解き明かすムック本「&OPEL」が発売されました。

 ドイツの自動車メーカーOPELは、160年の歴史を持つ老舗ブランドです。日本との縁も深く、戦前から輸入され、2006年までは日本国内でも販売されていたので、ご存じ方はもちろん、実際に乗った/所有したことがある方も多いのではないでしょうか。

 そして今、OPELが再び、日本に上陸するといわれています。今度、日本にやって来るOPELは、私たちがしばらく見ないうちに、すばらしくモダンで、ポップな佇まいに変身していました。ドイツ車としての信頼感と堅実さはそのままに、ガジェット感あふれるデザインやカラーリングからは、「どんな人生を愉しみたい?」と、クルマが語りかけてくるようです。そんな、ニュー・ジャーマン・カーで実現するライフスタイルのテーマは「リラックス」。

 本書では、暮らしをアップデートするモダンジャーマンなクルマづくりの魅力を、160年の歴史とともに余すところなく、紹介します。

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランド大図鑑

『&OPEL(アンドオペル) 未来を創るクルマ。』

定価1650円(税込)A4変形判/132ページ

小学館刊

https://www.shogakukan.co.jp/books/09104254

■本書のコンテンツ紹介

PART 1  OPELが提案するRELAX LIFE

●人気モデル「CORSA」「MOKKA」「GRANDLAND」徹底解剖!

PART 2 Pop&Future! OPELの秘密

チーフデザイナー・Mark Adams インタビューファッションデザイナー・Marcel Ostertag インタビュー「ASTRA」「MANTA」「COMBO LIFE」最新モデルの魅力OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクションPART3  Just like an OPEL

注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPELPART 4   ドイツから特報!元気なOPEL

「MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビューPART 5   Republish of Historic car impression

革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史

老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力OPEL in Motorsports「CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA」PART6 「&OPEL」 Square

FUN collectionOPEL FUN in JapanOPEL Engineering HistoryLogo transition of OPELOPELディーラーの斬新なCI【オンライン書店で購入する】

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