現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタがヒョンデに先を越される? トヨタにこそやって欲しかった「水素スポーツカー」が韓国から発表された!

ここから本文です

トヨタがヒョンデに先を越される? トヨタにこそやって欲しかった「水素スポーツカー」が韓国から発表された!

掲載 53
トヨタがヒョンデに先を越される? トヨタにこそやって欲しかった「水素スポーツカー」が韓国から発表された!

■FCVの覇権争い、トヨタはどうする!?

 韓国・現代自動車(ヒョンデ)が2022年7月、突如として燃料電池+電池を組み合わせたスポーツモデル「N ビジョン 74」を発表しました。ヒョンデのモータースポーツ部門の手によるもので、2025年頃の市販化も計画されているといいます。
 
 しかし燃料電池自動車(FCV)で世界TOPを争うトヨタからこうした話は聞かれません。FCVの覇権争いは大丈夫なのでしょうか。

【画像】「こりゃカッコいいじゃん!」ヒョンデの燃料電池+電池の先進スポーツカーを写真で見る(29枚)

 燃料電池自動車(FCV)といえばトヨタが世界最先端だと思っている人も多いでしょう。確かに大きく先行していました。

 けれど現行型の「MIRAI」になって進化が止まってしまいました。あまりに販売台数が伸びなかったため、熱意を失ったのかもしれません。

 加えて最近は水素エンジンに注力しており、燃料電池で競技車両を作ったり楽しいクルマを作ろうというパワーも感じません。私(国沢光宏)のような燃料電池応援団としちゃ寂しい限りです。

 そんな中、韓国・現代自動車(ヒョンデ)が突如、燃料電池+電池のスポーツモデル「N ビジョン 74」を発表しました。 

 日本でいえばトヨタの「GR」に相当するヒョンデの「N」(WRCを中核としたスポーツモデルディビジョン)という部門によるもので、現時点ではコンセプトカーながら、2025年あたりの発売を考えているといいます。

 かつてイタリアのカロッツェリア(デザイン工房)ジウジアーロにデザインを依頼した1974年のコンセプトカー「ポニークーペ」を模したデザインに、500kW以上という高出力な後輪2モーターの燃料電池車を組み合わせたもので、蓄電用に62.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しています。

 日本の自動車メーカーが情熱を失った「クルマ本来の楽しさ&夢」をキッチリ追いかけたいということらしい。

 日本人は忘れてしまっているけれど、世界レベルで見ると、スポーツモデルがそのメーカーのブランドイメージを作ってくれます。

 だからこそ高性能車を作らなくなった日本の自動車メーカーって世界規模で見たらジリ貧状態。このままでは、やがて家電製品のように日本ブランドが忘れさられることになってしまいます。

 今や日本ブランドのテレビなど絶滅危惧種と考えれば自明のこと。燃料電池スポーツモデル、本来ならトヨタがやるべきジャンルです。

 もっといえば、2025年くらいになると純エンジンの高性能パワーユニットは消えていく。こうなった時にスポーツモデルをどうしようということになることは間違いなし。

 トヨタや日産の動きを見ると、将来のスポーツモデルには電気自動車などを考えているようです。

 けれど電気自動車のハイパフォーマンスカーを作ろうとすれば、電池を大量に搭載しなければならず重くなる。同時に充電時間も掛かってしまいます。

 そんななか、ヒョンデは燃料電池でスポーツモデルを作ろうと提案してきました。

 水素なら充填時間3分程度。燃料電池だけの出力じゃ足りないとなれば、ある程度の容量を持つ電池でカバーしてくれます。

 サーキット走行をイメージしてください。

 コースインと同時に、燃料電池はフル出力を出し続ける。減速やアクセル全開じゃない時は余剰になった電力を電池に貯める。フル加速時は燃料電池+電池の合計を使うというもの。

 これだと電池だけ使うスポーツモデルより大幅に軽くできるし、長い時間掛かる充電だって不要です。

 しかも燃料電池技術は、トヨタやホンダと並ぶヒョンデのストロングポイントでもあります。フェラーリやポルシェ、当然の如くテスラなどと勝負しても負けないクルマになる可能性を持つのです。

 もちろん課題だって多い。

 なかでも厳しいのが冷却。電池の冷却も燃料電池の冷却も技術レベル高い。私が参戦してきたレースやラリーでも、日産EV「リーフ」やFCVのMIRAIは、最後まで冷却に苦しみました。

 この点、ヒョンデN部門の責任者に聞いてみたら「その通りです。燃料電池と電池、モーターの冷却は凄く凄く難しい」。

 この答えを聞いて少し驚く。夢物語じゃなく、すでに相当レベル高いところまで開発は進んでいるということです。

 トヨタも燃料電池のスポーツモデルをやるべきだと思う。繰り返しますが、このままだと家電の二の舞になります。

 思い出して欲しい。

 2010年時点で、日本の電気自動車技術は間違いなく世界TOPだったと思います。私は2013年、リーフを競技車両に仕立てて全日本ラリーに出場したけれど、電気自動車の面白さと課題が明確に解りました。

 おなじように燃料電池車も2015年から競技で使い始め、これまた改良を加えていくことで着実にポテンシャルアップ。世界で最も燃料電池のノウハウを持っていたと考えます。

 しかし、すでに電気自動車は完全に周回遅れになってしまった。もはや日本の電気自動車技術で世界に勝負できる部分なしです。

 2013年から育てていけば、現在進行形で世界と勝負できていたろう。当時の日産、そんなこと全く考えておらず。

 このままだと燃料電池技術も追いつかれ、抜かれてしまうかもしれない。

 我が国は完全に「茹でガエル」状態になった感じ。大いに心配です。

 世界を見ると「嫌韓」というコンセプト無し。日本人の大半が未だ韓国を日本の2ラップ遅れくらいに考えているようです。

 実際、日本語堪能なヒョンデのチャン社長に聞くと「ハイブリッド技術はもうトヨタに追いつけません。だから次世代の技術で追いつこうと思っています」。

 自動車業界は今が剣が峰。いや、すでに追いつかれ、抜かれているメーカーもあります。

 日本はもう少し危機感を持つべきです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
VAGUE
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
Webモーターマガジン
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
WEB CARTOP
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
バイクのニュース
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
【最新モデル試乗】期待のストロングHV登場! SUBARUクロストレックS:HEVの実力
カー・アンド・ドライバー
新車198万円! スバルの全長4.3m「“7人乗り”ミニバン」が凄い! 得意な「AWD×水平対向エンジン」採用しない“謎のモデル”に注目! 意外な「小型ミニバン」誕生した理由とは
新車198万円! スバルの全長4.3m「“7人乗り”ミニバン」が凄い! 得意な「AWD×水平対向エンジン」採用しない“謎のモデル”に注目! 意外な「小型ミニバン」誕生した理由とは
くるまのニュース
愛車の履歴書──Vol54. 池松壮亮さん(番外・後編)
愛車の履歴書──Vol54. 池松壮亮さん(番外・後編)
GQ JAPAN
トヨタ世界初!謎の「“パイ”エース」に大反響! 屋根なし&12人乗りに「成人式仕様みたい」「オトナも楽しめそう」の声! “マル秘システム”搭載の「ハイエース」がスゴイ!
トヨタ世界初!謎の「“パイ”エース」に大反響! 屋根なし&12人乗りに「成人式仕様みたい」「オトナも楽しめそう」の声! “マル秘システム”搭載の「ハイエース」がスゴイ!
くるまのニュース
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
頑張れ日産! フェアレディZの2025年モデル発表、あわせて新規注文を再開!
カー・アンド・ドライバー
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
もう待ちきれない! [新型GT-R]はなんと全個体電池+次世代モーターで1360馬力! 世界が驚く史上最強のBEVスポーツカーへ
ベストカーWeb
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
「ジャパンモビリティショー2024」に若者たちはどう感じたか? 対話と提案で「次世代モビリティ社会」を作る
ベストカーWeb
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
プライベート空間重視な人におすすめ! トヨタ ハイエースがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
熊本「交通系ICカード廃止」はむしろ良かった? “大危機”から垣間見える「地方の選択肢」と、都心で広がる可能性とは
Merkmal
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
スズキ初ってマジか!! 新型フロンクスの新アイテム採用のヒミツが衝撃
ベストカーWeb
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
12月7日(土)京都お東さん広場(東本願寺門前広場)で「京都モビリティ会議」開催(入場無料)
ベストカーWeb

みんなのコメント

53件
  • 日本へたびたび来られても答えを出すのはそちら側です、無駄な来日よりも日本からの和解金をネコババ横領で使い込んだ韓国政府や役人、関連企業が謝罪と保証をやるべき そして竹島から完全に撤退しなければ国交断絶もありえると何故脅せない? 何故のうのうと奴等のクルマまで上陸させやがった? 危機感ゼロだから舐められバカにされ放題、KドラマにKポップ K宗教の次はK車 気持ち悪くて嫌になる

  • 誰かと思ったら韓国ゆかりの国沢か
    言ってる事が掲示板レベルなんで笑ってしまったわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

726.1861.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.0640.0万円

中古車を検索
MIRAIの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

726.1861.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

58.0640.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村