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ATにバックミラーにパワステ! 昔から変わってないようで中身がメチャクチャ進化してる装備3選

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ATにバックミラーにパワステ! 昔から変わってないようで中身がメチャクチャ進化してる装備3選

この記事をまとめると

■クルマには基本の機能こそ変わっていないがメカニズムが大きく進化を果たしたものがある

トラウマのある人も再チャレンジを! 登場時は使えなかったけど立派に進化したクルマの装備5つ

■後方を確認するルームミラーは普通の鏡から防眩ミラー、そしてバックカメラへと進化した

■ATとステアリング機構はその中身が劇的な変化を遂げている

車両の後方確認は鏡からカメラへと変化

基本機能は変わらないが、その内容が大きく進化したメカニズムが少なくないことに気づかされる。塵も積もれば山となる、といわれるが、文字どおり改良の積み重ねによって大きな進化を果たし、現代に生きるメカニズムに焦点を当ててみることにした。

ドライバーズシートに腰を下ろして、目に入るものをチェックしてみるとルームミラーが目に飛び込んでくる。いわゆる後方確認システムだが、最初はふつうの鏡だった。しかし、夜間、追尾する後続車のヘッドライトが映り込むとドライバーの目が眩惑されることから、反射率を下げた防眩ミラーが考案された。

この防眩ミラーは、反射率の低い透明のガラス面(防眩側)と反射率の高い鏡面と、ふたつの反射面を設けたところがカギとなる装備だ。通常は、反射率の高い鏡面で後方の状況を見る方式だが、夜間、後続車のヘッドライトが映り込んで眩しく感じる場面では、反射率の低い反射面に切り替え、眩しさを抑えるミラーである。

この防眩ミラー、基本は手動切り替え方式だが、ミラー内に光を検知するセンサーを設け、光が当たると自動的に反射率を下げる自動防眩ミラーが開発された。ミラーに光があたった状態では防眩ミラー、光がなくなると元の反射率の高い通常モードに戻る自動切り替え方式で、使ってみると夜間走行で非常に便利な装備であることを実感できる。

また、バックミラーを鏡による光学方式ではなく、バックカメラとモニターを連動させたカメラモニタリングシステムも法令(2016年)で認められるようになった。フェンダーミラー、ドアミラーと較べて死角が少なく、夜間でも視認性のよいことが特徴だ。

なお、モニターで見る後方視界は、鏡で見る左右反転したものではなく、実像が映し出される点が大きな特徴となる。

自動で変速してステアリングをまわせば曲がるは不変

D(ドライブ)レンジにセレクトしておけば自動で変速操作を行うATも、シフトセレクターを操作する行為そのものは変わらないが、自動変速を行うトランスミッション本体の内容は、時代の流れともに大きく変化した機能ということができるだろう。

ただ、話を進める前に、ATの定義をはっきりとさせておこう。ここでいうATは、トルクコンバーター+ギヤ式変速機構を持つ、従来から一般的に定義されたAT(自動変速機)のことで、CVT(連続可変式=無段変速式)やDCT(デュアル・クラッチ式)は含めないものとしよう。

さて、ATの歴史をさかのぼってみると、行く先は1900年代初頭にたどり着く。自動車用として現在のような方式が実用化されたのは、1939年にGMが商品化した「ハイドラマチック」が最初となる。日本では、1959年に2世代目へと進化したトヨペット・マスターライン(RS20系=クラウンの双子車)でオプション装備として用意され、ATには「トヨグライド」の名称が与えられていた。余談だが、RS20型クラウンを日本車初のAT採用車とする記述もあるが、正確にはマスターラインのほうが先である。

基本構造を見てみると、すでに現在と同じトルクコンバーター+プラネタリーギヤ(遊星ギヤ)式の自動変速機構を持っていた。正確には、前進2速の半自動変速機で、通常の走行域は2速ホールドでカバーできるが、低いギヤ比(強いトラクション)が欲しい場合には、手動で1速にセレクトする方式を採っていた。

実用化当時は高速道路もなく、100km/h以下の速度域をカバーできれば十分実用に耐える性能だったが、高速道路網が整備され自動車が高速化の時代を迎えると、AT側にも高速性能が求められるようなった。基本的にはミッションギヤ比の多段化で、3速→4速→5速→6速と時代を追って変速段数は増え、現在では8速仕様も存在する。

ただ、トルクコンバーター(流体継手)方式は、伝達反応の遅れと伝達力の損失が大きく、燃費性能が芳しくなかったことからほかの自動変速方式に目が向いた時期もあったが、電子制御技術の進化によってこれらの問題を払拭。大きく貢献したのは、エンジン出力を直接伝えるロックアップ機構が考え出されたことで、実用当初は最上位ギヤのみに作用する方式だったが、現在では全段ロックアップ機構が実用化されている。

限られたスペース(ミッションケース)内に、複数のプラネタリーギヤセットの組み込みを可能にした工作技術の進化、運転状況を的確に判断して瞬時に適正な制御を行う電子制御技術の進化など、Dレンジにセレクトしてアクセルを踏み込む運転操作そのものは、数十年前のATとなんら変わりはないものの、自動変速の反応時間、変速精度、受け持つ速度レンジのワイド化、省燃費性能などの進化は、比べ物にならないほど長足の進歩を遂げている。実用性能は、完全にMTをしのいだといってもよいだろう。

トランスミッションと並び、ステアリング機構(ギヤボックス)も大幅に進化を遂げた部分と言えるだろう。ステアリング機構は、ドライバーが進路方向変更のためにまわしたステアリングの回転運動によって前輪の向きを変える装置だが、当然ながら、最初は人間の腕力だけで操作する機構だった。このため、車重が重くなったりするとステアリングをまわすために大きな力が必要となり、場合によって、相当な重労働になる場合もあった。

こうした問題を解決するため、ステアリングを大きくまわす(大きく向きを変える)場合には、可変ギヤ比のギヤボックスを考案し、ステアリングをまわす量は増えるが軽い力で操作できるステアリング機構が実用化された。しかし、それでもステアリングをまわすためにはそれなりの力が必要で、これを解決するために機械の力によって操舵力を補助する機構が考え出された。

これがパワーステアリング機構で、ステアリングをまわす力を機械が補助することで、低い変速比(少ない操舵量)のギヤボックスが使えるようになった。最初はエンジンを動力源とする油圧式が使われたが、機構のコンパクト化やエンジン出力の損失を避ける目的で、電動モーターによるパワーアシスト機構が考え出されるようになった。

当初は、操舵感など情報フィードバックで問題を抱えていたが、実用を重ねる段階で完全に払拭。小型・軽量で制御の幅が広いこと、反応速度が瞬時であること、エンジン出力の損失がないことなどから、現在ではパワーステアリングの主力方式として使われている。

ドライバーが接する安全装備や操作系は、自動車の誕生(そのメカニズムが誕生した当時)から変わっていないが、その実、大きく内容が変貌した代表的なドライバーインターフェースに目を向けてみたが、これ以外にもウインドウガラスの質的(UVカット、遮音ガラスなど)な変化も見逃せない要素のひとつだ。

アクセルを踏んでクルマを走らせ、ステアリングをまわして向きを変え、ブレーキを踏んでクルマを止める基本操作は、自動車の誕生以来変わっていないが、ドライバーの操作を受けて機械が反応(作動)する内容は、科学技術の進歩とともに劇的な変化を遂げてきた。ありがたきかな時代の進歩、と言ったところだろうか。

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みんなのコメント

15件
  • いやー、エンジン自体が超絶進化してるし。
    排ガス処理もメッチャ進化してるし。
    車体の衝撃吸収構造だって。。。
  • 記事に無いけど、
    ドアミラーの進歩は40年クルマに乗ってきて便利になったと感じる。
    最初はフェンダーミラー車。次はMR2でドアミラー解禁まもなくのクルマ。まだ手動の可倒式。
    暫くするとボタンを押して畳める電動格納式。
    次はウィンカー内蔵ドアミラー。
    そして、ドアロックアンサー機能電動格納式。
    オレのはちょっと前のクルマだから自分でドアロック連動スイッチを付けたが、今は軽でも付いてる。進歩したなぁ。
    ところで、欧州車の一部のドアミラーって格納するとミラー面が上に向くのがあるけど、雨が降ってミラーハウジング内に水が溜まってモーターなどイカれないのかな?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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