現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > え!スカイラインの名付け親は桜井眞一郎氏ではない!?  命名にまつわる意外な秘密

ここから本文です

え!スカイラインの名付け親は桜井眞一郎氏ではない!?  命名にまつわる意外な秘密

掲載 更新 30
え!スカイラインの名付け親は桜井眞一郎氏ではない!?  命名にまつわる意外な秘密

ゴルフボール説を日産が公式に認めた!

2020年12月2日、日産は一般社団法人日本ネーミング協会が主催する「日本ネーミング大賞2020」で、「SKYLINE(スカイライン)」が優秀賞を受賞したと発表した。

スカイラインとブリヂストンのゴルフボールとの不思議なつながり【車名の由来Vol.005】

注目すべきは、その発表リリースのなかで車名の由来について記したくだりである。

『車名の「スカイライン」は、「山並みと青空を区切る稜線」に由来しています。初代モデルの誕生当時、それまでの主力商品であった「プリンス・セダン」に代わる新型乗用車のネーミングとして決定されました。当時の富士精密工業の会長であり、ブリヂストンの創業者としても知られる石橋正二郎会長は、同社製品のゴルフボール「ブルースカイ」、「スカイウェイ」などと共通性のある「空」に因んだ言葉を指向し、社内に存在した命名案の中から、清冽なイメージを持つ「スカイライン」が選ばれたと伝えられています。』

驚いたのは、筆者(ドライバー編集部・吉川)がかつて書いた『車名博物館PART1(八重洲出版)』で紹介した“ゴルフボール説”がオフィシャルに認められて(?)内容に盛り込まれたことである。

さらなる注目点は、一般に流布している桜井眞一郎氏による命名説にまったく触れていない点である。

手元にある1973年7月発行のスカイライン(ケンメリ)の総合カタログでは、以下のように紹介している。

『「スカイライン」の命名は設計者自身 スカイライン。この名は、いまや知らぬ人とてなく、日本の自動車史を飾る栄光のネーミングである。そもそも、この車名は、スカイラインの生みの親であり、育ての親として有名な「桜井真一郎」が志賀高原にスキーツアーにでかけ、北アルプスの真白な山なみと青空に感動。それをイメージして、命名したのだそうだ。』

これを見ると桜井氏による命名のはずだが、今回の発表リリースでは“経営陣による命名”になっている。これ以前に発行された自動車ガイドブック1960年版を見ると、『「スカイライン」とは本来、山、建物などの空に映った輪郭を意味する言葉ですが、この言葉から来るスマートな語感と、昭和32年4月に発表した画期的なプリンス新型乗用車のボデーとベルトラインの流れる様な線とを結びつけて命名した訳で、特別な由来はありません』と書かれていて、桜井氏説はどこにも登場しないのである。

この背景として、3代目スカイライン(ハコスカ)の途中から「愛のスカイライン」の広告キャンペーンが始まった。そのなかでスカイライン設計チームのリーダーを務めていた桜井氏にフォーカスを当てて、血の通ったクルマとしてスカイラインをアピールしていた。おそらくであるが、命名の由来もこうしたキャンペーンの一環として桜井氏によるものとされたのではないだろうか?

名開発者として桜井氏が果たした役割は非常に大きいが、スカイラインの車名については「プリンス経営陣命名説」のほうが有力だろう。

●1957年4月にデビューした初代プリンス・スカイライン。アメリカンスタイルで流れるようなボディラインが特徴的

●3代目スカイライン(ハコスカ)の途中から「愛のスカイライン」のキャンペーンが始まる。1971年9月発行の総合カタログにも桜井氏が登場している

●4代目スカイライン(ケンメリ)は72年9月に登場。この世代から桜井氏命名説が生まれる

●スカイライン(2代目途中から7代目まで)の開発責任者を務めた桜井眞一郎氏(1929~2011年)。日本自動車殿堂にも選ばれている

〈文=ドライバーWeb編集部〉

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

30件
  • それでも桜井眞一郎氏がヒーローであることには変わりがない。
  • こういうのは諸説ある方が楽しいね。
    V36のカタログだったか、日本各地スカイラインの名が付く
    道路が載ってたな、個人的にはスカイラインが似合うのは
    サーキットではなく観光道路的なスカイランだと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索
スカイラインの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

456.9948.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19.02050.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村