2020年11月2日、一時列島が騒然とした生産終了の報もどこ吹く風とばかり、日本が誇るオーセンティックセダン、トヨタ クラウンが一部改良を受けさらに進化した。価格帯は489万9000円~739万3000円(税込)。
とはいえやっぱり気になる…!!? 仰天のクラウン「SUV化計画」その真相はこちら!
納車6ヵ月以上の現行型もいいけど先代ハリアーの中古は今が狙い目!?
内外装の質感向上と安全装備の充実に加え、乗り心地もよりしなやかに。また一歩、理想のセダンに近づいた。
自動車評論家 岡本幸一郎氏が試乗、欧州セダンとの比較も交えながら、そのさらなる熟成の度合いを見つめる。
【画像ギャラリー】これぞトヨタの、日本のフラッグシップモデル! トヨタ クラウンをギャラリーで見る
※本稿は2020年12月のものです
文/岡本幸一郎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部、撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』 2021年1月26日号
■乗り心地、安全性、デザイン…妥協なきフラッグシップのかたち
スタイリッシュなセダンを颯爽と乗りこなすのはカッコいいことだ。
いくらSUVやミニバンが人気でもカッコよさではセダンにはかなわない。
時代は移ろい変わり、いつしかセダンのほうが特別なものになってきたけど、そうなるとなおのことセダンはカッコいいという認識が高まるってもんだ。
伊豆のワインディングを駆け抜ける新型クラウン。富士山によく似合うクルマだ。ボディカラーは新色のプレシャスホワイトパール
そんなセダンの世界で日本でも幅を利かせているドイツの御三家は、けっして安くはないにせよ、がんばればなんとか手が届く価格帯から品揃えしていて心くすぐられる。
ところが、もっとリーズナブルに手に入り、中身も充実した魅力的な選択肢が目の前にあるじゃないか! ほかならぬクラウンだ。
今回の「RS」は、ラインナップの中で最もスポーティなグレードとなり、スポーティな外観が特徴。
6ライトウィンドウの伸びやかなスタイリングは細部の見直しで洗練度がアップ。リアコンビランプがスモークメッキになり、いっそうスポーティな印象に生まれ変わった
しかも、歴代で初めて6ライトウィンドウを採用した流麗なシルエットや、ドイツのニュルブルクリンクサーキットで鍛えた優れた走行性能を身につけていることにも注目だ。
インテリアのクオリティ感もハンパない。ドイツ勢と比べると同程度の価格帯同士ならクラウンがずっと上。
最新版では上質な本革シートの採用が拡大されたのも朗報だ。加えて最新版にはカーナビに12.3インチTFTタッチワイドディスプレイが採用されたのもありがたい。
T-Connect SDナビゲーションシステムは従来型の8インチのダブルディスプレイがTFT液晶12.3インチの大型ディスプレイに変更になり視認性が大幅にアップ
TFTタッチワイドディスプレイのおかげでナビゲーションの操作は簡単になり、左右独立式のエアコンの温度調節などの操作も可能になった
それだけではない。安全装備も相当に充実している。
最新版にはドライバーの異常時に停車を支援したり、カーブで自動的に速度を抑制するなどのトヨタ初の機能を備えたほか、プリクラッシュセーフティで対応できる事故形態が増やされた(下段にて詳細を解説!)。
また、アクセルの踏み間違いを検知すると加速を抑制する「プラスサポート」もディーラーオプションとして新設定された。ドイツ勢もがんばっているが、ここまでやっているクルマはまだない。
Toyota Safety Senseの進化に加え、乗り心地が格段によくなり、ドライバーの負担と疲労は大きく軽減された
■遠出したくなる、気持ちのいいスポーツセダンだ
クラウンなら経済性と動力性能のバランスに優れる本格的なハイブリッドが2タイプから選べる点でも大きなアドバンテージがある。
今回は2.5LハイブリッドのRSアドバンスを駆り市街地と高速と山坂道を同程度ずつ合計260kmほど走ったのだが、17.4km/Lをマークしたのは立派じゃないか。
システム出力226psを誇る2.5Lハイブリッドはパワーと燃費、静粛性のバランスが高次元で取られている
専用の足まわりを与えられたRSアドバンスは電子制御の可変タイプダンパー、AVSが装着されハンドリングも上々で、コーナーでハンドルを切るのが楽しみになる味つけ。
それでいて最新版は乗り心地もずいぶん快適になっているし、改めて静粛性にも感心した。これなら後席に乗る家族や友人もありがたい。
クルマから降りて眺めると、新色のプレシャスホワイトパールの上品で澄んだ白さが流麗でスポーティなRSによく似合っていてホレボレする。
「RS Advance」のシートは本革となり、ほかのグレードもブランノーブと呼ばれるスエード調の合皮を採用するなど高級感を高めた
後席のヘッドクリアランスとレッグスペースはご覧のとおりの余裕ぶり。乗り心地も抜群にいいからリラックスできる
4人が乗って4人分のゴルフバッグが積めることがクラウンであることの証し。左右の出っ張りがなく積みやすいこともポイントだ
日本で生まれた日本人のための日本の高級セダンは、世界を相手にしても充分に通用する。それでいてドイツの御三家よりもずっとお値段控えめ。コスパの高さも際立つ。
触れるほどにクラウンの価値を改めて見直した1日であった。
潮風を浴びながら海岸沿いの道をクルージング。新型は従来モデル以上に遠出したくなるクルマになった
トヨタ 新型クラウン価格表
■最新のToyota Safety Senseを装備
プリクラッシュセーフティが進化し、交差点右折時の対向車、右左折時の横断歩行者を検知し、ぶつかると判断すれば自動ブレーキを作動。
対向車検知、歩行者検知がさらに進化。
(2)衝突の可能性があり、操舵による衝突回避、自車線内回避が可能と判断した場合、ドライバーの回避操作をサポートしてくれる。
ドライバーの回避操作をサポート
(3)ディーラーオプションで「プラスサポート」が用意されブレーキとアクセルの踏み間違いで急加速を検知し、加速を抑制してくれる。そのほか運転操作がない状態が続くと自車線内で減速、停止するドライバー異常時停車支援システムを追加している。
ディーラーオプションで用意される「プラスサポート」
■インポートセダンと比べても高級感と安心感は一枚上
クラウンのライバルは輸入車で言えば、ドイツ御三家のセダンとなる。高い剛性がもたらす乗り味はどれも安心感が高いが、クラウンほど燃費のいいハイブリッドモデルが見あたらず、今回の安全装備と運転支援機能の向上により、クラウンの魅力は一歩抜けた印象となった。
●トヨタ クラウン RS Advance(597万9000円)
スポーティなRS系は、ミニバンやSUVにはない確かなハンドリングと乗り心地のよさが魅力となる
●メルセデス・ベンツ C200 Laureus Edition(613万円)
Cクラスの主力エンジンは1.5Lターボとなるが、ローレウスエディションはマイルドハイブリッドだ
●BMW 320i M Sport(599万円)
BMW 3シリーズの主力320iは2Lターボを搭載し、CクラスやA4に比べるとスポーティな走りが魅力
●アウディ A4 35 TSFI Sライン(570万円)
4台では唯一のFFで、縦置きエンジン独特の安定感を持つ。Sラインはスポーティな外観を採用する
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みんなのコメント
流行りのボディーに手を染めたらそれは名前だけのクラウンになってしまうから。カローラも
クラウンもじだいはかわっても決して絶やしては
いけないクルマだと思います。
かつてのライバルのサニーやセドグロは絶命して
長い時間がもう経ちますな。