現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【動画付き】ドルチェ ヴィータを体現した優雅なスポーツクーペ、フェラーリ「ローマ」の魅力

ここから本文です

【動画付き】ドルチェ ヴィータを体現した優雅なスポーツクーペ、フェラーリ「ローマ」の魅力

掲載 更新 4
【動画付き】ドルチェ ヴィータを体現した優雅なスポーツクーペ、フェラーリ「ローマ」の魅力

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

フェラーリが2019年12月に発表したのがフェラーリ「ローマ」という新しいモデルだ。それは最新のV型8気筒3.9L(3855cc)エンジンをフロントに載せ、後輪を駆動するという2+2クーペ。昨年春に日本でもごく一部の顧客にプライベートビューをはたし、受注を開始した。しかし、世界的なコロナ禍の中で、生産が順調に進まず、年末になり、正式にプレス向けの試乗車もナンバーが付いた。

ドライバー1000人に聞く「ヒヤリ!とした瞬間」TOP3、3位スリップしそうになった、2位追突しそうになった、1位は?

 実車を見た印象は、これまでのフェラーリデザインとは一線を画しており、新世代に移行したように感じた。例えば、テールランプも丸型ではない。フェンダーの跳ね馬のエムブレムもなく、フロントの跳ね馬を見なければ、アストンマーティンか、マクラーレンか、はたまたジャガーの新型車か、と思う人もいるかもしれない。そんなふうに感じてしまうほど激しく変化している。



 内装に関しても、パドルシフトのレバーはコラムから生えており、指の動きでダイレクトにシフトするが、他の操作は大半がタッチスイッチになってしまった。トグルスイッチやプッシュボタンのコクピットが懐かしい、とちょっぴり過去に浸ってしまうほど「ローマ」の操作系は未来指向に進化を遂げている。



 ドライバーの目の前には、16インチのHDスクリーンが備わっている。ここに7500~10000回転がレッドゾーンのエンジン回転計を中心に、計器や操作系が浮かび上がる。全面をナビ画面に切り替えることも可能だ。センターパネルには、8.4インチのHDディスプレイが2基、備わっている。インフォテインメントや空調の調節はここで行なう。

と、ここまでは、他社のスーパーカーにも備わっている装備だが、「ローマ」には、助手席の前にも8.8インチのフルHDカラータッチスクリーンを備わっている。助手席のパッセンジャーが独自に目の前のスクリーンで、車両のパフォーマンスの数値や状況を確認できるのだ。さらに、音楽の選択、カーナビの確認、エアコンの調整などの操作もできる。このクルマの助手席に乗るような女性がこうした操作や設定に興味があるかどうかは疑問だが(笑)、新しい試みであることは間違いない。他社のスーパースポーツカーがこの装備を踏襲するのも時間の問題かもしれない。

 室内については、+2の後席にも触れておきたい。このシートはクッションもなく、頭上も身長150cmまでが限界。レッグスペースもツマ先はかろうじて前席の下に入るものの、広さはミニマム。左右1名分ずつのスペースはコートやバッグを置く場所と割り切ったほうがよさそうだ。

後席の背もたれは上半分を、トランクのスイッチで前倒させることができ、トランクと一体化させることができる。ゴルフバッグも収納可能だ。内装のチェックが終わったところで、動力性能を試してみた。

 フェラーリが、V8エンジンをフロントミッドに搭載したモデルを最初に発売したのは、2008年の「カリフォルニア」から。フロントエンジン、リアドライブのFR方式を継承しながら「カリフォルニア」は「ポルトフィーノ」に発展した。「ローマ」は別のシリーズとして今回、生まれ変わったのだ。V8、3.85Lのターボエンジンには、新開発の8速ATが組み合わされている。

センターパネルのAボタンを押して、ハンドルスポークに備わるハンドリング性能とグリップ性能を選択できるスイッチで「コンフォート」をチョイスし、スタートする。Aレンジで停止してもクリープのない走りは、1800回転からアクセルペダルに対しての反応が俊敏になる。試しにクローズドコースで、0→100km/hの加速を計測したが、手持ちのストップウォッチで3.8秒を記録し(カタログ値は3.4秒)、その実力を見せてくれた。この時もV8エンジンは、レッドゾーン入口の7500回転まできれいに回った。

一方、街中では60km/hを 8速900回転というアイドリングのような回転数で走行することができた。これは新しい8速ATのハイレベルなセッティングで、7~8速はハイギアード化されているので、1500回転あたりでも余裕がありそうだ。ちなみに、100km/hの巡航は8速が1500回転、7速が2000回転だった。

 ハンドリングに関しては、コンフォートモードでは路面からのザラつきやゴツゴツ感、上下動のキツさなどを感じることはなかった。スポーツモードも試してみたが、乗り心地こそ硬めに感じたものの、クイックなハンドル操作はボディーのロールや揺り戻しも感じられるほどコンフォータブルだった。このクルマにはこういうセッティングが合っているのかもしれない。

 仕事を終えたローマに住む富豪がフィレンツェに住む愛人のところに急ぐのに、これほどお似合いのクルマはない。これまでのフェラーリは硬派すぎる印象だったが、ドルチェ・ビータ(甘い生活)を体現したというフェラーリ「ローマ」は、優雅な生活を愉しむ遊び人のためのスーパースポーツなのだ。



■関連情報
https://www.ferrari.com/ja-JP/auto/ferrari-roma

文/石川真禧照 撮影/萩原文博 動画/吉田海夕

こんな記事も読まれています

初日3番手の勝田貴元「今回は最初から最後までとにかく攻め続ける」/WRCポルトガル デイ1後コメント
初日3番手の勝田貴元「今回は最初から最後までとにかく攻め続ける」/WRCポルトガル デイ1後コメント
AUTOSPORT web
いまクルマを買うなら絶対選びたい装備5選! でも超便利装備なハズなのに……あれ? とならないための注意点とは
いまクルマを買うなら絶対選びたい装備5選! でも超便利装備なハズなのに……あれ? とならないための注意点とは
WEB CARTOP
スズキが“新”「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ「画期的な荷台」がすごい! 精悍ブラック顔×4WD採用の「軽トラ市」向けモデルとは
スズキが“新”「斬新軽トラ」を実車展示! めちゃ「画期的な荷台」がすごい! 精悍ブラック顔×4WD採用の「軽トラ市」向けモデルとは
くるまのニュース
MG新型「サイバースター」英国で受注開始 “シザーズドア”がカッコいい! 名門MGで復活した2座オープンスポーツカーは約1080万円から
MG新型「サイバースター」英国で受注開始 “シザーズドア”がカッコいい! 名門MGで復活した2座オープンスポーツカーは約1080万円から
VAGUE
スズキ「GSX-8S」をよりスポーティに スズキ・フランスが「GSX-8S Team Suzuki」発表
スズキ「GSX-8S」をよりスポーティに スズキ・フランスが「GSX-8S Team Suzuki」発表
バイクのニュース
スズキ、インドで新型「スイフト」発売 プレミアムハッチとして若者へ訴求
スズキ、インドで新型「スイフト」発売 プレミアムハッチとして若者へ訴求
日刊自動車新聞
本田技研工業、過去最高の利益を報告---2023年度決算
本田技研工業、過去最高の利益を報告---2023年度決算
レスポンス
対抗馬に変わり種、ポニーカー揃い踏み!そして微妙なパワーバランスの変化も…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第26回
対抗馬に変わり種、ポニーカー揃い踏み!そして微妙なパワーバランスの変化も…【アメリカンカープラモ・クロニクル】第26回
LE VOLANT CARSMEET WEB
めちゃ「オシャレ」! しかも「ChatGPT機能」搭載! 魅惑のレッドに染まる特別な「DS 4」550万円で発売
めちゃ「オシャレ」! しかも「ChatGPT機能」搭載! 魅惑のレッドに染まる特別な「DS 4」550万円で発売
くるまのニュース
奧伊吹で開幕する2024年のD1グランプリ。注目の2世ドライバーが今季デビュー
奧伊吹で開幕する2024年のD1グランプリ。注目の2世ドライバーが今季デビュー
AUTOSPORT web
円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー
円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー
レスポンス
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.5.11)
今週、話題になったクルマのニュース3選(2024.5.11)
@DIME
アバルト F595Cの第2弾 MTで左右のハンドル位置が選べる限定車
アバルト F595Cの第2弾 MTで左右のハンドル位置が選べる限定車
Auto Prove
フォード、カルロス・サインツSr.の獲得を発表。強力布陣で2025年のダカール挑戦へ
フォード、カルロス・サインツSr.の獲得を発表。強力布陣で2025年のダカール挑戦へ
motorsport.com 日本版
【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス
【F1第6戦無線レビュー】「今朝からそんな気がしていたんだ」ようやく掴んだ初優勝。自信を持ってレースに臨んだノリス
AUTOSPORT web
運転席が回転するから超便利! 車内スペースを無駄なく使えるトヨタ ノアがベースのキャンパー
運転席が回転するから超便利! 車内スペースを無駄なく使えるトヨタ ノアがベースのキャンパー
月刊自家用車WEB
ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗
ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗
くるまのニュース
1.9億円を集めた電動バイクプロジェクト「COSWHEEL MIRAI」が再始動! 完全電動バイク仕様の原付一種&二種モデルが登場
1.9億円を集めた電動バイクプロジェクト「COSWHEEL MIRAI」が再始動! 完全電動バイク仕様の原付一種&二種モデルが登場
バイクのニュース

みんなのコメント

4件
  • 液晶は見やすいが、このタッチパネルはかなり使いづらいです。
    以前のスイッチの方がやはり使いやすい。試乗時によく確認してください。
  • 例の物書きはオウナーになるのか?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2889.04980.0万円

中古車を検索
ローマの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2870.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

2889.04980.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村