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アウディA7新型 55 TFSIを評価 50 TDIの方が「やや好ましく」

掲載 更新
アウディA7新型 55 TFSIを評価 50 TDIの方が「やや好ましく」

もくじ

どんなクルマ?
ー 新型アウディA7 どのように変わったか
ー 「55 TFSI」の命名法/MHVについて

アウディ新型RS4アバント 初試乗 4代目の操舵/乗り心地、洗練と迫力を両立

どんな感じ?
ー オプション多く、Sラインならではの装備も
ー ガソリンもディーゼルの優秀 気になるCLS

「買い」か?
ー ガソリンもディーゼルの優秀 気になるCLS

スペック
ー アウディA7スポーツバック55 TFSI Sラインのスペック

どんなクルマ?

新型アウディA7 どのように変わったか

2代目アウディA7スポーツバックでまず登場するガソリンエンジン版。一筋縄ではいかない高級GTクーペ市場で栄冠を勝ち取るべく、打倒メルセデス・ベンツCLSを掲げるモデルだ。

プラットフォームはMLBの最新型で、今年のうちに登場する次期A6と共通。先代よりホイールベースは12mm長く、全長は5mm短い。

最初に出る2種類のエンジンのうち、英国で主に売れるのは既に報じた50 TDI版(くわしくは「新型アウディA7スポーツバック 50 TDIを試乗評価 CLSとの差異を明確化」)の方だろう。ただ発売はこの55 TFSIの方がわずかに早い。

「55 TFSI」の命名法/MHVについて

アウディファンにはモデル名の新しい命名法はご存じと思うが、「55」という表記はパワートレイン全体の最高出力が333ps~474psであることを表す。

このクルマの場合、3.0ℓV6ターボエンジンで340psを発生する。TDI版と同じく、既に新型A8でお披露目されたマイルドハイブリッドシステムも付く。

これは発進に48Vのベルト駆動オルタネーターを使い、惰性走行/減速時に12kW(16ps)のエネルギー回生も行う。また55~160km/hで惰性走行に入ると、エンジンが駆動系から自動的に切り離される。

最大トルクの51.0kg-mは1370~4500rpmで発生し、7段Sトロニックで変速する。センターデフにはLSDの代わりに多板クラッチ式を用いる。通常は2WDで走行し、さまざまなセンサーの情報から必要(になりそう)なときのみクラッチをつないで4WDとなる。

どんな感じ?

オプション多く、Sラインならではの装備も

新型はアウディの新しいデザイン言語に則ったスタイルとなった。先代とがらりと変わったところはないが、スリークで魅力的だ。

テスト車はトップグレードのSラインで、専用バンパーにサイドスカート、各所のSラインバッジが付く。フロントにはHDマトリクスLEDヘッドライト、リアには車幅いっぱいの「ダイナミック」LEDテールライトが光る。

インテリアでは、ダッシュボードを占めるタッチスクリーン式MMIシステムのモニター2台(10.1インチ/8.6インチ)が目に入る。メーターパネルも12.3インチのバーチャル・コックピットだ。既報の50 TDIスポーツの装備に加え、レザー/アルカンターラ地のスポーツシートが付く。

最上級の新型A8で登場した新技術も、盛りだくさんの運転支援機能など多くを取り入れる。

また、いつもながらオプション装備も多岐にわたる。今回のクルマにもバング&オルフセンの3Dアドバンスト・サウンドシステム、スマートフォンのインターフェースとワイヤレス充電機能、ナイトビジョンなどが付いていた。

55 TFSIエンジン/4輪操舵を検証

Sラインには標準で車高10mmダウンのスポーツサスペンションと20インチホイール(標準モデルは19インチ)が付くが、このクルマはアダプティブ・エアサスペンションと21インチホイールにグレードアップされていた。

これまたオプションの4輪操舵も付いており、後輪を低速では逆位相に操舵して回頭性を、高速では同位相に操舵して安定性を高める。たしかに安定したハンドリングで反応もよく、自信を持って操れる。

ただ運転支援機能があれこれ手を出してくるためか、操作に対する反応を欠くところがあったが、運転モードをいろいろ替えてみると良くなった。

55 TFSIエンジンはとても静か、かつしとやかに大パワーを紡ぎ出す。手動で低いギアを選び、頑張って踏まないと快音は聴けない。

車名に「スポーツ」を掲げる割に、エンジンのレスポンスはハンドリングの性格に合ったものだ。スポーツカーのような打てば響く反応よりも、リラックスした運転が似合っている。とはいえ、とんでもなく速いし巡航能力は高い。

運転モード「コンフォート」でもまだ乗り心地が期待よりちょっと粗く、クルージングの気持ちよさがいくぶん削がれるのはちょっと残念だ。20インチホイールの50 TDIの方が、これまた期待ほどではないにしてもいくぶん滑らかだった。

とはいえ、長距離移動は50 TDI同様に楽しめるだろう。

「買い」か?

ガソリンもディーゼルの優秀 気になるCLS

英国の場合、初代A7の大多数はディーゼルだったし、今度もそうなるだろう。前にテストしたトルキーで快適性に優れる50 TDIの方が、低速で時々ガソリンモデルより荒っぽいことはあるが、いくぶん好ましく思う。

ただガソリンの方も、乗っても運転しても快適な、非常に優れたクルマには変わりない。もちろん、間もなく登場するメルセデスCLSと比べてどうなのか、こればかりは見てみるまで何ともいえないのだが。

アウディA7スポーツバック55 TFSI Sラインのスペック

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