■かつて輸入車トップだったVW 現状は?
以前は輸入車の販売1位といえばVW(フォルクスワーゲン)でしたが、いまは売れ行きが落ち込んでいます。2021年1月から7月は海外ブランドのなかでは、メルセデス・ベンツとBMWに続いてVWは3位でした。
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輸入車販売ランキングを振り返ると、2014年まではVWがほぼ安定して1位だったのですが、2015年から後退。2015年の1位はメルセデス・ベンツでVWは2位となりました。
2016年および2017年のVWは、メルセデス・ベンツとBMWに抜かれて3位。2018年はBMWを抜き返して2位に戻りましたが2019年は再び3位となり、2020年は2位に戻って、2021年1月から7月は前述の通り3位です。
このように2015年以降のVWは、輸入車販売の1位をメルセデス・ベンツに奪われており、BMWと2位を争って、時々3位に転落しています。
VWの販売不振が始まったきっかけは、2015年に北米で発生したディーゼル車問題です。排出ガス規制を不正な方法でクリアしたことが報道され、日本でも2015年10月の登録台数がマイナス48%に達しました。
この背景には、日本においてVWのブランド構築が成功していたことがあります。
VWは安全性や燃費が優れ、デザインは控え目に抑えた品行方正なブランドと認識されていたので、排出ガス規制の不正問題は日本のユーザーにショックを与えました。
信頼性が極めて高いブランドだったからこそユーザーの落胆も大きく、海外での不正だったにもかかわらず日本国内の売れ行きが半減したのです。
このときにドイツのVW本社では「日本ではディーゼルを売っていないのに、VWの販売が半減する理由が分からない」という意見が聞かれましたが、これには呆れました。
ドイツのVW関係者は、日本のユーザーと日本でVWを販売している人達について、何も理解していなかったのです。
仮に日本のユーザーがVWに深い信頼と愛情を持っていなかったら、登録台数が半減することもなかったでしょう。
このとき以来、日本でのVWの売れ行きは伸び悩み、輸入車販売ランキングも2位・3位に留まっています。
また北米でディーゼルが問題になった結果、VWのディーゼル車を日本へ導入する時期が遅れたことも、販売面で不利な要素になりました。
たとえばメルセデス・ベンツは、2010年にはSUVの「Mクラス」にポスト新長期排出ガス規制に適合したディーゼルを搭載しました。BMWなども含めて、2010年代の前半には、排出ガス規制に対応したディーゼルが日本へ輸入されています。
ディーゼルは実用回転域の駆動力が高く、日本では軽油価格も安いです(正確には軽油に含まれる税額が低い)。
クリーンエネルギー自動車に分類されたので、購入時に納める環境性能割(旧自動車取得税)と自動車重量税も非課税です。これはボディが重く、価格の高い輸入車にとって、大きなメリットになりました。
そして2010年以降は、セダンやワゴンよりもボディの重いSUVが人気を高めたので、実用回転域の駆動力が高く、燃料代と税金の安いディーゼルが一層注目されました。輸入車のSUVには、ディーゼル比率が70%に達する車種もあります。
ところがVWは、もともとディーゼルの導入計画が遅く、不正問題でさらに先送りされました。
排出ガス規制に対応したディーゼルがVW「ティグアン」や「パサート」に設定されたのは2018年に入ってからとなり、ディーゼルの不正問題と導入遅延が重なってVW全体の販売低迷に結び付きました。
■新型ゴルフの好調な販売に期待 今後の課題は?
その意味で注目されるのが、2021年6月に国内投入された8代目「ゴルフ」です。ディーゼルはありませんが、VWの国内販売にとって救世主になるかが注目されています。
8代目ゴルフの売れ行きを販売店に尋ねると、以下のように返答されました。
「8代目ゴルフは欧州では2019年に発売されています。日本への導入は歴代モデルと比較してもかなり遅れました。
それでも新型ゴルフは、マイルドハイブリッドを採用して安全装備も進化させたので、トヨタ『プリウス』など日本車からの乗り替えも多いです。8代目ゴルフは、好調な販売を見込めるでしょう。
ただし日本市場への割り当て台数が少ないのは困ります。いまは在庫車も減り、本国にオーダーすると約半年は待たされます。
またワゴンの『ゴルフヴァリアント』は、遅れることなく2021年7月に日本仕様を発売しましたが、今後はこの納期も課題になります」
8代目ゴルフの評判は良好です。1.5リッター直列4気筒ターボの価格は370万円以上(消費税込、以下同様)ですが、1リッター直列3気筒ターボは、「eTSIアクティブ」を312万5000円に抑えました。
しかもeTSIアクティブにオプション設定される「テクノロジーパッケージ」は、10品目の安全装備を加えて価格は20万9000円です。eTSIアクティブ+テクノロジーパッケージの組み合わせは買い得だといえます。
またゴルフヴァリアントは、5ドアハッチバックのゴルフに比べてホイールベース(前輪と後輪の間隔)が50mm長く、後席の足元空間を広げました。
従来のゴルフヴァリアントはゴルフの荷室のみを拡大した仕様でしたが、新型は居住性も向上させています。
この背景には、VWのワゴンとしては海外ではパサートの人気が圧倒的に高く、低迷しているゴルフヴァリアントの付加価値を高めた事情もあります。
新型ゴルフはヴァリアントを含めて商品力が高いですが、今後のVWはゴルフを原動力に売れ行きを伸ばし、輸入車販売の1位に復活できるのでしょうか。
可能性はありますが、解決すべき課題も多いです。まずはゴルフを筆頭にした納期です。前述のように納車に半年もかかってしまうと売れ行きも伸びません。
また、メルセデス・ベンツを超えるには、車種の選択肢を増やす必要もあります。
現在のメルセデス・ベンツは、日本で約16車種を販売。主要車種だけでも、A/B/C/E/Sクラスがあり、SUVも幅広く用意されます。
一方、VWは8車種ほどです。メルセデス・ベンツは車種の選択肢を急増させて売れ行きも伸ばしましたが、VWでは小型の「up!」などを廃止しており、今はゴルフ以外に「ポロ」SUVの「Tクロス」と「Tロック」が日本の販売を支えている状況で、これだけでは弱いといわざるを得ません。
VWがこれから売れ行きを伸ばすには、日本のユーザーに好まれる車種を充実させて、なおかつ納期を短くすることが不可欠です。
ディーゼルの不正問題に際して、VW本社が「日本ではディーゼルを売っていないのに、VWの販売を半減させる理由が分からない」とコメントしているようでは、1位を奪回するのは難しいかも知れません。
クルマの売れ行きを伸ばすには、輸入車、日本車を問わず、その市場に本気で取り組むことが必要です。
いまのメルセデス・ベンツは日本市場にも真剣に取り組み、輸入車の販売1位になったことは事実です。今後のVWに期待しています。
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