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日本で乗れないミニバン3選

掲載 更新 3
日本で乗れないミニバン3選

日本市場へ未導入のミニバンのから、スタイリッシュな最新モデルを小川フミオがセレクトした。

日本でも見かける機会が多いのがメルセデス・ベンツのマルチバン「Vクラス」だ。シートアレンジのバリエーションが多く、多用途性に富むマルチバンは、日本メーカーもいろいろ手がけている。いっぽう、日本未導入のマルチバンにも魅力的なモデルが多い。

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堅牢な作り、剛性感の高いボディ、出来のいいシート、快適な室内空間、そして機能主義的であるもののどこかスタイリッシュな外観……海外で売られるマルチバンをみていると、ぜひ日本でも、と言いたくなるモデルがある。

電動化が進んでも、マルチバンはしっかり残りそうだ。たとえば、ここで紹介するメルセデス・ベンツ「コンセプトEQT」はいってみればピュア電動ミニバンとして提案されている。フォルクスワーゲンもピュアEVの「ID.」シリーズに「ID. VIZZON」なるマルチバンを近い将来追加すると発表している。

スポーツやサイクリング、キャンプなどの趣味をもつひと、ファミリーでの移動が多いひとなど、マルチバンがぴったりなユーザーは日本にも多い。日欧にかぎらず、北米メーカーもマルチバンに熱心なのは、まさに商用から趣味までカバーする多用途性が評価されているからだ。

米国製のゾンビ映画などでは、かならずミニバンが登場。襲ってくるゾンビに対して、移動する家というか砦(とりで)のような姿が観られる。思うに、ボディもそれなりに大きなミニバンは、頼りがいのある存在なのだ。

カーライフをひと味ちがったものにしてくれるマルチバン。さいきんではフードトラックなども増えてきて、マルチバンと私たちの生活の結びつきはますます強くなってきている感すらある。

トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」からホンダ「フリード」など、数多くのマルチバンのバリエーションが手に入る日本であるものの、さらにゆたかな可能性を見せてくれる新しいタイプのマルチバンがいっそう充実したら、これまたさらにカーライフが楽しくなるはず、と、思う。

(1)新型フォルクスワーゲン「マルチバン」

フォルスクワーゲンにとってマルチバンの歴史は古い。オリジンは、いわゆる「ビートル(タイプ1)」のシャシーを使って開発された「タイプ2」(1950年)にまでさかのぼる。

フォルクスワーゲンのマルチバンはモデルチェンジを繰り返し、「T3」(1979年)までは、ビートルゆずりの空冷リアエンジン+後輪駆動のレイアウトを継承。1990年の「T4」でようやく水冷フロントエンジン+前輪駆動へと大きく転換したのだった。

2021年6月10日に欧州や英国で発表されたその名も「マルチバン」は第7世代に属するあたらしいマルチバンだ。新型「ゴルフ8」など、フォルクスワーゲンのエンジン車と同様「MQB」と呼ばれるプラットフォームを使い、最大7人乗りの仕様が用意される。

フラットな床面を作り、仕様によっては後部座席までのウォークスルーも可能。また、2列目と3列目を回転対座にして、中央にテーブルを据えた移動式オフィスとして使える仕様もある。

全長は4973mm(5173mmのロングバージョンもある)に抑えつつ、469リッターの荷室容量を確保するなど、使い勝手のいいパッケージングはさすが欧州車といいたくなる。

フォルクスワーゲンの日本法人は、過去に数回、マルチバンを日本に輸入しようと検討したことがある(と、聞いている)。ただし5m前後の全長と、2mに届こうかという全幅によるボディの大きさがネックになって、残念ながら思いとどまってきた。

欧州では、1.5リッター(マイルドハイブリッド)と2.0リッターのガソリン・エンジンと、2.0リッターディーゼルが用意され、いずれも、7段ツインクラッチ変速機と前輪駆動方式と組み合わされる。

スマートフォンでクルマの操作がいろいろ行える「We Connect Plus」をはじめ、コネクティビティもデジタル化もゴルフ8なみというマルチバン。日本でももういちど販売にトライしてもらいたいものだ。

(2)新型メルセデス・ベンツ「EQT」

ピュアEV「EQ」シリーズの拡充に熱心なメルセデス・ベンツ。日本でも「EQC」(2020年)、「EQA」(2021年)とつづき、近い将来もっとも大きなサイズの「EQS」の導入が計画されている。

2021年5月に本社が発表したのは、ピュアEVのマルチバン「コンセプトEQT」だ。Tはトランスポーターやトラフィックなど商業車を意味する頭文字であり、同時にメルセデス・ベンツでは過去においてEクラスのステーションワゴンをTシリーズと呼んだ歴史もある。

EQTは、Vクラスよりひとまわりコンパクトな“スモールバン”で「ファミリーやプライベートカスタマーに向けて」のコンセプト(つまりすぐには発売されない)と、メルセデス・はプレスリリースに記す。

全長4945mm、全幅1863mm、全高1826mmと、発表されている。このサイズは日本では充分に余裕がある。レジャーを楽しむファミリーに、というコンセプトは、ようするに、日本で人気のミニバンセグメントに、メルセデス・ベンツというブランドと、ピュアEVというポジティブなイメージで、あらたに分け入っていこうというマーケティングの結果なのだ。

バッテリー容量をはじめ動力性能は現時点では未発表。あまり大きなバッテリーではコストや重量など、ミニバン市場ではやや苦戦しそうなネガも出てくるかもしれない。そのあたりの商品戦略を観るのも楽しみだ。EVはトルクがあるので、図体のおおきなマルチバンによく合うパワートレインだ。

メルセデス・ベンツがTクラスと呼ぶ新型マルチバン。発売は2022年とされている。Sクラスのように座席ごとにボイスコマンドが効く新世代のMBUXシステムも用意されるだろうし、新しいレベルの快適性をそなえていることが容易に予想される。トヨタやレクサスなど、うかうかしていられないはずだ。

(3)トヨタ「シエナ・ウッドランドエディション」

日本で発売すれば売れそうなのに……と、思った記憶がいまも残っているのが、トヨタが1998年に北米で発売した「シエナ」の初代モデルだ。ボディとドアが一体化してみえるプレスドアを使ったスタイリッシュな外観といい、3.0リッターV6エンジンといい、魅力的な内容だった。

全長5m前後のトヨタ製マルチバン、シエナはモデルチェンジを重ね、2021年4月27日に2022年モデルとして、あたらしい4WDシステム搭載の「シエナ・ウッドランド・スペシャルエディション」を追加。これもまた、なかなかよさそう。

「つぎのアウトドアの冒険へと出かけるために必要なものはすべてそなえました」と、ホームページでうたうのが新型「シエナ・ウッドランド・スペシャルエディション」だ。2.5リッターの4気筒ガソリンエンジンに電気モーターを組み合わせたハイブリッド仕様で、駆動方式は4WDになる。

通常は前輪に100%のトルクを、オフロードでは前20、後ろ80%のトルクを配分。オフロードでの走破性を高めるとともに、コーナリング時はアンダーステアを解消するなど、電子制御ならではの路面を選ばないドライバビリティの高さをうたう。

全長は5085mm、全高は1750mm。車高は、ウッドランド・スペシャルエディションだけは標準モデルより0.6インチ(1.5センチ)持ち上げられている。日本にあったら余裕あるサイズで、路上で眼をひくことまちがいない。

インテリアは“北米でウケる”といわれている直線基調だ。機能主義と、独自のエモーショナルなテイストが混ざっていて、こちらもユニークである。

トヨタは「ハイランダー」など北米向け車両をそのまま左ハンドルで売るディーラーを設立してはどうだろう。それなりに、マーケットで人気が出そうに思われる。

文・小川フミオ

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みんなのコメント

3件
  • で、何の意味があって3つ選んでみたんだ?
    ああ、単なるネタ切れか。
  • 筆者の願望や妄想話だった。笑
    VWのマルチバンは、おそらく現行のT5カリフォルニアに変わって新しく出して来るだろう。
    その中で、FF駆動車輌だけなのかAWDの車輌も含まれて出て来るのを、私は期待してる。
    メルセデスも、現行のVクラスに代わる事を視野に入れての発表だから。
    トヨタのシェナは、日本の車輌保安基準に合致してない車輌だから日本への逆輸入は無い!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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