2021年、本格オフロード車 ジープ ラングラーから、PHEVモデル「4xe(フォー・バイ・イー)」が登場した。現在は欧州・北米で販売を展開中で、年内には日本にも上陸する予定だ。
オフロード車として長い歴史を持つラングラーも遂にPHEVをラインナップ。PHEVになったラングラーの乗り味を、モータージャーナリスト 木村好宏氏がアメリカで試乗チェック!
北米でRAV4と熾烈なトップ争い中!!! ジープ ラングラーのPHEVモデル「4xe」年内日本上陸予定!
※本稿は2022年5月のものです
文/木村好宏、写真/Stellantis
初出:『ベストカー』2022年6月10日号
■ラングラーPHEVモデル 4xe(フォー・バイ・イー)登場
ジープ ラングラー「4xe(フォー・バイ・イー)」。日本には年内に上陸予定だ
伝統的でアイコニックなデザインというとポルシェ911が挙げられるが、ジープ ラングラーの歴史は911よりも20年も古い1944年のCJ(シビリアン・ジープ)に始まっている。
しかもワイルドでオリジナルに近いエクステリアと走破性は2017年に登場した4世代目の現行モデル「JL」にも引き継がれており、伝統の継続性という意味では大先輩である。
しかもだからと言って決してカルトな存在ではなく、非常にポピュラーで、その販売台数は北米だけで20万台超。
日本でも昨年は6931台を販売して、ステランティスグループ躍進の牽引役として大きな存在感を示している。
しかし、こうしたワイルドな存在にも環境問題が重くのしかかっており、ジープはラングラーシリーズに昨年からプラグインハイブリッドモデルの4xe(フォー・バイ・イー)を登場させた。
このPHEVシステムにおけるICE(内燃機関)パワートレーンは2L、4気筒ターボで、最高出力272ps、最大トルク40.8kgmを発生する。
そして組み合わされる8速ATとエンジンの間に最大145ps/25.0kgmを発生するモーターが挟み込まれ、システム出力は380ps(最大トルク65.0kgm)を発生。
なお、EV走行時の航続距離は約34km(WLTP)をカタログ上で約束している。
年内が予定される日本導入を前に、テキサス州の首都オースティンでテストしたラングラー4xeのエクステリアデザインは大きな変化はなく、各所に電気(エレクトリック)を象徴するブルーのアイキャッチャーが見られるだけだ。
■アメリカのPHEV市場では独走状態だったトヨタRAV4とトップ争い中
見切り性能は着座位置の高さからして抜群。PHEVになったことでワンペダルドライブや十分なる加速力など電気の力を見せる。もちろんオフロードも難なくこなせた
トップモデルであるルビコンの試乗車に乗り、最低地上高27.4cmに加え、フロアから座面まで30cmのシートに腰掛けると抜群の視界が目前に広がる。
これに加えて見きりのいい角ばったボディによって、混雑した市街地での走行は容易に感じられる。
ステアリング左に並んだドライブモードスイッチは「エレクトリック」「ハイブリッド」「eセーブ」で、まずはエレクトリックモードを選択して市街地へ入り込む。
ここでは最大0.25Gまでのブレーキング回生を行うワンペダルドライブも可能だ。
ただし、シャシーセッティングは相変わらず固めで、前後リジッドサスペンションのために荒れた路面ではけっこう揺すられ、ショックもやや大きい。
やがてハイウェイでハイブリッドモードに切り替えるが、8速ATを介したモーターとICEの協調はスムース。
車重はスタンダードよりも454kgも重い、2.3トンにもかかわらず、逞しい加速を見せ、法定速度70マイル/時(約112km/h)で軽快なツーリングも可能。ブレーキ回生においても不自然さは見られなかった。
ちょっとばかりオフロード気分も味わおうと、ハイウェイを下りて未舗装路へ入る。そこは採石場へ続く道で、大型トラックによる深い轍が続いていたが、余裕のある地上高とアプローチ/デパーチャーアングルのおかげで難なくクリア。
さらにオンデマンドフルタイム4WD「セレックトラック」も素晴らしいトラクションを見せてくれた。
ラングラー4xeはその逞しい外観の中に、環境への優しさを内包した心優しいマッチョなアメリカンヒーローのようなクルマで、アメリカ中西部に暮らし、環境破壊による竜巻などの異常気象とガソリンの高騰に怯える私ならずとも一家に一台は欲しくなる存在だった。
事実、昨年の発売以来、アメリカ市場では引っ張りだこで、PHEV市場では数年前から独走していたトヨタRAV4とトップ争いをしているほどである。
●ジープ ラングラー 4xe(欧州仕様)主要諸元
・全長×全幅×全高:4882×1894×1894mm
・ホイールベース:3008mm
・車両重量:2313kg
・エンジン形式:直4DOHCターボ+モーター
・排気量:1995cc
・エンジン最高出力:272ps/5250rpm
・エンジン最大トルク:40.8kgm/3000rpm
・システム出力/トルク:380ps/65.0kgm
・トランスミッション:8速AT
・EV走行時航続距離:約34km
・アプローチアングル/デパーチャーアングル:44度/35.6度
【番外コラム】続々と電動化が進むジープブランド
ジープのPHEVは日本にレネゲード4xeが上陸しているが、海外ではコンパスやグランドチェロキーの4xeも登場済み。
また、ラングラーには、EVながら6速MTを備えたコンセプトカーも発表されている。
海外ではグランドチェロキーの4xeが登場済み
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みんなのコメント
プラグインハイブリッドといってもトヨタのTHSⅡハイブリッドと同程度
エンジンとミッションの間にモーターがあるのみ
外部充電しなければならないのでエンジンで充電は無理
EV走行は出来るけど日本のPHEVと同じ感覚で見ないほうが良いね