A 35 4MATICは、メルセデスAMGの新たなエントリーグレード「35」シリーズの第1弾となるモデルだ。
これまで国内で販売されるAクラスにはべーシックなA180とディーゼルエンジンを搭載したA200dしかラインアップがなかった。本国にはA250というよりパワフルなモデルも存在するが、それは諸般の事情で導入が見送られているようだ。
環境から車社会を見るモータージャーナリストが熱弁──クルマの未来予想図!【西村直人編】
18C0618_102メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATIC
メルセデスAMG初となる35。2リッター直4ガソリンエンジンと7速DCTを組み合わせ、最高出力306ps、最大トルク400Nmを発揮する。
そしてAクラスの最上位モデルといえばAMG「45」シリーズだ。最高出力421ps、最大トルク500Nmという量産エンジンとして世界一パワフルな2リッター直列4気筒ターボを搭載する、性能もそして価格もクラスを超えた1台だ。
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ボディサイズは全長4440×全幅1800×全高1410mmで、価格は628万円。エンジンなど性能だけでなく、各部エクステリアもAMG仕様としてデザインしている。
スポーティなAクラスが欲しい、でも45までの性能は必要ない。そういったニーズにうまくマッチさせようというのが、この35シリーズの狙いだろう。
18C0618_107メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATICインテリアまでぬかりなし試乗車は発表記念特別仕様車の「A35 4MATIC Edition 1」だった。デニムブルーという渋いダークブルーメタリックに、特別仕様車専用としてボディサイドにはマットゴールドのデカールがつき、19インチアルミホイールも一部が同色でペイントされていた。さらにフロントグリルのルーバーの一部やサイドスカートインサート、サイドミラーハウジング、リアディフューザー、エグゾーストエンドなどの数々のエクステリアパーツがハイグロスブラック仕上げとなっており、ハッチゲートの上には大型のリアウイングが装着されるなど本来はオプションのエアロダイナミックパッケージなどが備わっていた。フロントバンパーにはカナードまで装着されていたのには驚いた。
18C0618_113メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATICインテリアはアルミを使った専用のトリムやフラットボトムのAMG専用ステアリングが目をひく。特に秀逸なのがシートだった。レザーとDINAMICAという人工スエードを座面や背面に組み合わせたAMGパフォーマンスシートは、座り心地よく、ホールド感もあって、スポーツ走行はもとよりロングドライブにも適したものだ。
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レザーとDINAMICA人工スエードを組み合わせたAMGパフォーマンスシート。全席だけでなく後席も同様の素材だ。
パワートレインは、最高出力306ps、最大トルク400Nmを発揮する2リッター直列4気筒ターボエンジンに7速DCTを組み合わせ、4輪を駆動する4MATICだ。このAMG専用にチューニングされた4MATICは、トルクの前後配分をドライビングに応じて、前後100:0から50:50まで連続可変制御するものだ。
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AMGトラックペースというサーキット走行時のデータを記録する装備も備わっている。ラップタイムや区間タイムを保存することもでき、ワイドスクリーンディスプレイやヘッドアップディスプレイに表示できる。
ドライブモードは「コンフォート」、「スポーツ」、「スポーツプラス」をはじめ、滑りやすい路面でパワーを落としてトルクを抑制する「スリッパリー」、好みの設定にできる「インディビジュアル」の5つだ。さらにこの試乗車はオプションの電子制御式AMG RIDE CONTROL サスペンションを装備しており、ドライブモードに合わせて協調制御される。
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4MATICシステムは通常コンフォートに固定されているが、ESPをESPスポーツハンドリングまたはオフにすることでスポーツモードへと切り替わる。
マイナスの美学が現れている普段、市街地を走るには「コンフォート」がいいだろう。国内に導入されているAクラスは、リアサスペンションがトーションビーム式だが、この35ではより懐の深いマルチリンク式になっていた。さらにアンダーボディには補強用にアルミパネルと2本のブレースが入っておりねじり剛性が高められている。これらの効果でオプションの19インチタイヤであっても乗り心地は良好だった。
18C0618_080メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATICワインディングに入ると、ステアリングスポークの右下にあるダイヤルで「スポーツ」、「スポーツプラス」と切り替えてみる。エグゾーストノートが一気に高まり、軽快なハンドリングで、アンダーステア傾向もなくスムーズに曲がっていく。「スポーツプラス」では、ステアリングは最小舵角で曲がれるようになり、シフトダウン時のブリッピング機能まで備わっていて、いやがうえにも気持ちが盛り上がってくる。
18C0618_075メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATIC実は、このA35には、最近のAMGモデルが多く採用するAMG GT譲りのパナメリカーナグリルは装着されていない。A45には採用されており、押し出しの強いデザインはトップエンドの45のほうで、と棲み分けされているのだろう。
18C0618_008メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATICこの特別仕様車の化粧を落としたベースモデルのスタイルがカタログに掲載されているのだが、そちらはフロントグリルの横桟が、AMG仕様として2本になり、フロントとリアに小さくAMGのバッヂが備わる程度だ。おそらく一般の人が見ればAMGモデルとは気づかないだろう。
18C0618_164メルセデスAMG A 35 4MATIC|Mercedes-AMG A 35 4MATICそもそもいまのメルセデスのチーフデザイナーであるゴードン・ワグナー氏が掲げているデザインフィロソフィーは“Sensual Purity(官能的な純粋さ)”であり、それは「飾り立てるのではなく、削ぎ落とすこと」という意味だ。アンダーステイトメントだけれど速い、そんな素のA35にとても惹かれる。
文・藤野太一 写真・ダイムラーAG 編集・iconic
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