トヨタ車の残念なポイントはアグレッシブさや強さの象徴でもある
登場の新しいクルマというのは技術の進歩もあり、大きな欠点があることは滅多にない。しかし世の中に完全なものはないというのはクルマも同じだ。今回はここ1年ほどで登場したクルマの残念なところを挙げてみよう。
前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5
1)トヨタ・カローラ(セダン、ツーリング)&ヤリス
昨年登場したカローラはこれまでのカローラとは一線を画す「移動の道具としての素晴らしさ」だけではない、日本の道路環境における使いやすさ、今年登場したヤリスは各部のクオリティの高さや充実した安全装備といった質の高さが魅力だ。
それだけに両車とも前席後席に共通する乗降性の悪さと、ボディサイズの割に後席が狭い点は残念だ。しかしこの2点は「トヨタの量販車がこれだけ攻めている」という最近のトヨタのアグレッシブさや、「社内にほかの選択肢もある」というトヨタの強さの象徴ともいえるのかもしれない。
2)トヨタGRヤリス
来シーズンのWRC参戦を大きな目的に開発されたGRヤリスであるが、残念ながら現行レギュレーションでのGRヤリスによる来シーズンのWRC参戦は新型コロナウイルス禍の影響もあり消滅し、目的を1つ失ってしまったのは事実だ。しかしモータースポーツ参戦も視野に入れ、これだけ力の入ったモデルが登場することはなかなかないだけに、その魅力が色褪せることはない。
そのGRヤリスで1つ残念なのが、ライトなモデルとして発売される1.5リッターNA+CVTとなるRSのパーキングブレーキが、電動タイプとなる点だ。GRヤリスはヤリスとはまったく別のクルマになるため、RSは「プレミアムなコンパクトカー」というキャラクターも持つようで、そのためなのか先行車追従型のアダプティブクルーズコントロールは停止まで対応するタイプとなりそうだ。その関係でパーキングブレーキが電動タイプとなるのは分かる面もあるのだが、GRヤリスRSは2ペダル車で参戦できるラリーへのベース車という可能性も感じられただけに、もしGRヤリスRSのパーキングブレーキが電動タイプのみでスピンターンなどができないのは惜しい。
バリエーションの拡充や最新装備の追加設定がほしいところ
3)日産キックス
つい最近登場した軽自動車以外の日産車としては久々の新型車となるコンパクトSUVのキックスは、日本で売れる車種が偏っている日産車における新しい柱となるのに相応しいクルマに仕上がっているようだ。
しかしタイ国での生産という不利もあるにせよ、パワートレインが現在2モーターシリーズハイブリッドのe-POWERのFFのみで、4WDや安価なガソリン車がないというのは販売面で厳しく、早急なバリエーションの拡充を行ってほしい。
4)日産スカイライン
日産を代表するモデルの1台となるスカイラインは昨年行われたビッグマイナーチェンジで、3.5リッターV6ハイブリッドには世界最先端の運転支援システムであるプロパイロット2.0を搭載し、ガソリンエンジン車も2リッター4気筒ターボから400馬力の400Rも含め3リッターV6ツインターボにグレードアップされ、先進性とスポーツ性というスカイラインらしい魅力に磨きが掛かった。
それだけにプロパイロット2.0は入念なテストが必要な非常に精密なものというのもよくわかるのだが、ガソリンエンジン車にはプロパイロット2.0の設定がないというはやはり惜しく、なるべく早い対応を望みたい。
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