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「軽EV」が市民権を獲得か。日産「サクラ」の販売台数が発売1年で5万台を達成。補助金が販売を後押し

掲載 更新 60
「軽EV」が市民権を獲得か。日産「サクラ」の販売台数が発売1年で5万台を達成。補助金が販売を後押し

軽バッテリー電気自動車(BEV)の「日産サクラ」が売れている。日産自動車の発表によると、昨年6月に発売した「サクラ」の受注累計が5万台を突破したと発表した。年間5万台というのは、軽乗用車全体の中でもかなり優秀な数字。詳しく見ていこう。

普通車に匹敵する充実装備も人気の秘訣か

[THE視点]現役エンジニアが見抜いた「日産サクラ」JNCAPファイブスター獲得の要因

全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,655mmという人気のトールワゴンスタイルで三菱「ekクロスev」と同時にデビューしたサクラは、BEVにもかかわらず、当初233万3,100円という戦略的な価格設定で大人気を博し、一時は新規受注が停止される騒ぎとなった。

もちろん、BEVハッチバック「リーフ」を世界に先駆けて販売した日産が自信を持って送り出すモデルだけに、走行性能も妥協はなく、最高出力47kW(64ps)/最大トルク195Nmを生み出すモーターや20kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。航続可能距離(WLTCモード)は180kmと軽乗用車として実用に過不足ない水準を確保し、「CHAdeMO(チャデモ)」方式の急速充電にも対応しているため、80%までの充電時間は約40分で済む。

軽自動車の枠を超えた装備の充実も人気の秘訣で、エントリーグレードの「X」(254万8,700円)でもLEDヘッドライトや電動パーキングブレーキなど日常遣いに便利な装備が標準。さらに、上級の「G」(304万400円)なら、アダプティブクルーズコントロールなどからなる運転支援システム「プロパイロット」や9インチワイドディスプレイを備えたインフォテイメントシステムまで付いてくる。

スタート価格については、各種原材料の高騰などから数回の値上げを経て現在254万8,700円となっているが、例えば東京都の場合、国の補助金55万円に加え、都独自の補助金55万円(基本補助額45万円+メーカー別上乗せ補助金10万円)が上乗せされ、計110万円が支給されるから、車両本体の自己負担は150万円以下で済む。

これだけの充実装備を持った軽自動車なら通常の内燃機関車(ICE)でも200万円弱はいくから、BEVのサクラに注文が集まるのも無理はないだろう。さらに、日産のホームページによると、今ならサクラは注文から工場出荷まで1~2ヶ月程度と納期も短いから、非の打ち所がないという状況だ。

>>>次ページ 軽ベストテンも見えてきた

軽ベストテンも見えてきた

ここで、販売開始から約1年で5万台という数字がどの程度すごいのか他のモデルと比較すると、2022年度軽自動車販売ランキング第10位のダイハツ「タフト」が5万8,208台だから、軽ベストテンにギリギリ入るか入らないかという位置付けとなる。

ただし、サクラは先述のとおり人気爆発のあまり一時新規受注を停止していたから、それさえなければ数字はさらに上向いていたはず。つまり、2023年度は軽自動車販売上位に食い込むポテンシャルを持っているということだ。

参考まで注文から納車までがすこぶる順調で実績が2割程度上振れしたと仮定すると、2023年度の販売台数は6万台に載せてくるだろうから、昨年度ランキング9位のダイハツ「ミラ」(6万3,038台)が視野に入ってくる。ミラといえば、軽ハッチバックとして長い歴史を持つモデルだから、そんなビッグネームにサクラが肩を並べるとしたら、電動化時代を象徴する大きなトピックになるのではないだろうか。

もちろん、以上の数字はすべてサクラ単独のもので、車台等を共用する兄弟車の三菱ekクロスevは含んでいない。ekクロスevも年間1万台に迫る勢いで売れており、兄弟トータルではさらに販売は好調なのだ。BEVの普及がなかなか進まない我が国において、突破口を開くのは意外にも軽自動車なのかもしれない。

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みんなのコメント

60件
  • 補助金ビジネスって答を最初に出してどうするのよ
  • 補助金がハイブリッドにも散々出てたのに
    EVだけ補助金で普及しても廃れるって言うの何でだろう?
    補助金なんて住宅もガソリンも色んなところに出てるのにEVだけ批判するの何でだろう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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