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新世代のクラウン「クロスオーバー」。トヨタが狙った「オーナーの若返り」には成功したのか?

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新世代のクラウン「クロスオーバー」。トヨタが狙った「オーナーの若返り」には成功したのか?

2022年7月にワールドプレミアされ、9月から発売開始された16代目のクラウンは、まずクロスオーバーSUVとして登場した。発売開始から1年近くを経たところで、その人気動向などを実際のセールスデータを基に探ってみたい。

オーナー層の若返りを図った16代目クラウン
1955年(昭和30年)に初代が登場以来、日本を代表するクルマの1台であったトヨタ クラウン。「いつかはクラウン」などというキャッチフレーズとともに永くオーナードライバーの憧れの1台ではあったが、21世紀に入りクルマの主流は日本市場でもSUVやミニバンに移り、セダンの人気は陰り続けている。

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クラウンも保守的で比較的裕福な高齢者がオーナーの中心となり、先代の15代目が登場した2018年頃はオーナーの平均年齢は70歳を超えていたという。そこでオーナーの若返りを図ってイメージを刷新して登場した15代目クラウンだったが、やはりセダンというボディでの限界はあったようで、思惑どおりのオーナーの若返りは見込めなかった。

それゆえ、15代目の先代クラウンは約4年という最近のクルマとしては短い期間でフェードアウトし、16代目の新型クラウンが登場した。「DISCOVER CROWN」をキャッチフレーズに、4つのボディタイプを公開。最初に登場したモデルはセダンとSUVを融合させた、まさにクロスオーバーなモデル。そしてこのクラウンクロスオーバーは、日本専用モデルではなく海外でも販売されるグローバルモデルとなった。

滑り出しは順調。納車までの期間は半年くらい
新型クラウンは、現在発売されているクロスオーバーに続いて、スポーツ(SUV)、セダン、エステート(ワゴン)と2023年秋以降にボディ バリエーションを展開していく予定だ。では、クロスオーバーが発売開始されてから1年近くを経た2023年7月までの実際のセールスデータから、その人気動向を探っていこう。

2022年9月から2023年7月までの販売台数は、累計で約3万5000台(トヨタ調べ)。自販連のデータでは、2023年上半期(1月~6月)で2万3288台(前年比280.6%)を販売し、軽自動車と海外ブランドを除く乗用車で19位にランク入りしている。ちなみに、2023年7月単月では、3200台(前年比1523.8%!)で20位だった。発表時の月間販売目標台数は3200台だったから、まずは順調な滑り出しといえるだろう。もっとも、受注台数はさらに多いようだが。

いま新車を買おうとするときに最も気になるのはオーダーしてから納車までの期間だが、トヨタでは「Jスリム」と呼ばれる受注システムを採用しており、オーナー個々のオーダー(ボディカラーやオプションなど)によって異なるが、平均としては5~6カ月程度であるという。自分でチョイスしたクルマがやって来るまでの期間と考えれば、それほど長く待たされるという感じではなさそうだ。

人気グレードのトップ3は、以下のとおりだ。

1位:G アドバンスド レザーパッケージ(55%)
2位:RS アドバンスド(20%)
3位:G アドバンスド(15%)

と、この3グレードで9割を占めている。いずれもラインナップの中では高価格なグレードだが、ニューモデルは上級グレードから売れるという傾向は、このクラウンクロスオーバーにも当てはまっているようだ。

パワートレーンでは、GとXに搭載される2.5L ハイブリッドのA25A-FXSが77%、RSに搭載される2.4Lターボ ハイブリッドのT24AーFTSが23%。ターボのハイパワーも捨てがたいが、いずれもハイブリッドだし、クラウンらしく?乗るならノンターボでも十分ということだろうか。なお、駆動方式は全グレードとも電気式4WDのE-Fourとなる。

オーナーの平均年齢は10歳以上若返った!
人気のボディカラーと比率は、1位がプレシャスホワイトパール(50%)、2位がブラック(20%)、3位がプレシャスメタル(10%)。CMなどで展開しているバイカラーは意外と人気が低いようだ。アバンギャルドなボディスタイルを選んでも、ボディカラーはコンサバに、というオーナーが多いということだろうか。

それでも、インテリアにこだわるオーナーは多いようで、たとえば人気No.1グレードのG アドバンスド レザーパッケージでは、ブラック/ダークチェスナットやフロマージュのシートカラーも好まれている(標準はブラック)。装備の充実しているクラウンクロスオーバーゆえ、メーカーオプションの設定は少ないのだが、デジタルインナーミラーは人気を集めている。

さて、クラウンクロスオーバー購買層の男女比率は、男性が90.5%、女性が9.5%。クラウンというクルマの立ち位置などを考えると、男性比率が高いのは仕方ないところか。もっとも、オーナーは男性でもパートナーが運転することもあるだろうから、ユーザー比率では女性がもう少し増えているだろう。

そして、オーナーの平均年齢は59歳と、15代目登場以前から10歳以上も若返っている。つまり、既存のクラウンからの買い換えではなく、新たな若いクラウン オーナーが増えつつあるということだ。また、インポートSUVからの買い換えも多いという。

今後、SUVの「スポーツ」やワゴンの「エステート」が登場すれば、セダンも登場するとはいえ平均年齢はさらに若返るのではないだろうか。クラウンクロスオーバーによるトヨタの狙いは、まずは成功といえるだろう。そして、これから登場する新たなクラウン ブラザーズへの期待も膨らむばかりだ。

トヨタ クラウンクロスオーバー G アドバンスド レザーパッケージ 主要諸元


●全長×全幅×全高:4930×1840×1540mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:1780kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター×2
●総排気量:2487cc
●最高出力:137kW(186ps)/6000rpm
●最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600−5200rpm
●モーター最高出力:前88kW(119.6ps)、後40kW(54.4ps)
●モーター最大トルク:前202Nm(20.6kgm)、後121Nm(12.3kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:4WD(E-Four)
●燃料・タンク容量:レギュラー・55L
●WLTCモード燃費:22.4km/L
●タイヤサイズ:225/45R21
●車両価格(税込):570万円

[ アルバム : クラウンクロスオーバーの人気動向 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

12件
  • そして誰もいなくなった
  • クラウンの若返りを記事にするなら、スポーツが出てからだろ?
    まだ全て出揃って無い中ではよくわからん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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