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【昭和の名車 159】ダイハツ ミラターボTR-XXが軽自動車のパワーウォーズに火を付けた

掲載 更新 1
【昭和の名車 159】ダイハツ ミラターボTR-XXが軽自動車のパワーウォーズに火を付けた

昭和は遠くなりにけり・・・か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「ダイハツ ミラTR-XX」だ。

ダイハツ ミラ TR-XX(L70V型):昭和60年(1985年)8月発売
軽初のターボ車として1983年(昭和58年)2月に登場した三菱のミニカエコノターボの後を追うように、同年10月に登場したダイハツのミラターボ。0.55Lの直2 SOHCにターボを装着し、41ps/5.7kgmの動力性能は話題となったが、どうしても急造りの感は否めなかった。そこで1985年8月のフルモデルチェンジと同時に投入したのが、ミラターボTRだった。

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搭載されるエンジンは、0.55L(正確には547cc)の直3 SOHCターボで52ps/7.1kgmを発生することが走り好きな若者層に注目された。小型ながらインタークーラーも備える本格的なものだ。さらにドライバビリティ向上のため、吸気温度の自動調整機構も設定している。

エンジン本体も吸気効率を向上させるために、3Sインテークポートを採用している。これは、燃焼室内で混合気に強いスワール(横回転)を起こし、吸気抵抗を少なくするためにインテークポートの形状をスラント&ストレートポートとしたもの。さらに燃焼室中心寄りの点火プラグの配置やコンパクト燃焼室の採用など、徹底的な合理化が行われている。このクルマが本格的な軽自動車のパワーウォーズに火を付けたと言って良いだろう。

さらに決定打となったのが、同年10月に追加発売されたTR-XX(ダブルエックス)だ。動力性能は同一だが、スタイルも従来の軽自動車の実用一辺倒のものから大きく変わったのだ。エアスポイラー一体式の大型樹脂パンパ−、バックドアスポイラー、サイドスカート、エアロタイプのアルミホイールなど、空気抵抗を軽減し、高速走行安定性を追求したエクステリアも注目を浴びた。軽らしからぬエキゾーストノートを生み出すデュアルエキゾーストパイプも精悍なものだ。

サスペンションは、TRもTR-XXもフロント:ストラット/リア:セミトレーリングアーム式の4輪独立。TR-XXは大径のフロントスタビライザーを装着してロールを抑え、TRよりもトレッドを5mm拡大、車高を15mmダウンしたこととあいまってスポーティな仕様としている。ブレーキはフロント:ディスク/リア:LT式ドラムという組み合わせだが、十分な制動力と、サイドブレーキターンで便利なリアドラムというのはありがたい装備だった。タイヤサイズは145/70SR12という現在でみればプアなものだが、アルミホイールと組み合わされることでけっこうスポーティに見えたものだ。

インテリアはファブリックでサイドサポートを張り出したTR-XXのバケットシートはかなり走り指向のもの。小径3本スポークのステアリングホイールやインパネなども当時の軽自動車のレベルから見るとかなり突き抜けていた感がある。

TR-XXを実際にワインディングなどで走らせるときの楽しさは格別なもので、570kgという軽量ボディをぐいぐいと引っ張り、最小限のブレーキングで高いスピードを維持してコーナリングするのが病みつきになるほど。ペダルレイアウトも悪くないのでヒール&トゥも自然にできた。何よりありがたいのは軽ボンネットバンなので自動車税も安いこと! 経済的で速くて楽しいということでは、今でも受け入れられる素地のあるクルマといえるだろう。



ダイハツ ミラターボ TR 主要諸元
●全長×全幅×全高:3195×1395×1415mm
●ホイールベース:2250mm
●重量:570kg
●エンジン型式・種類:EB(ターボ付)型・直3 SOHCターボ
●排気量:547cc
●最高出力:52ps/6500rpm
●最大トルク:7.1kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:145/70SR12
●価格:70万5000円

[ アルバム : ダイハツ ミラターボ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • 4ナンバーでしたっけ?
    TR-XXがバカ売れし、スズキもアルトターボ・ツインカムで迎撃するも歯が立たず、アルトワークスへと繋がったんだっけか?
    もう昔のことなので、まちがってたらゴメン
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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