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メルセデス GLBとディスカバリースポーツを比較試乗! トレンドの3列シート7人乗りSUV、覇権を獲るのはどちらか?

掲載 更新 8
メルセデス GLBとディスカバリースポーツを比較試乗! トレンドの3列シート7人乗りSUV、覇権を獲るのはどちらか?

Mercedes-Benz GLB 250 4MATIC Sports × Land Rover Discovery Sport

メルセデス・ベンツ GLB 250 4MATIC × ランドローバー ディスカバリースポーツ

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紛れもない時代の寵児

ミッドサイズSUVの真打ちとも呼べる存在が日本に上陸を果たした。日本の交通環境に適したボディサイズに3列シートを備えるメルセデスGLBである。挑むのは2020年モデルでプラットフォームを一新したディスカバリースポーツ。3列シートを有するミッドサイズSUVの覇権を握るのはどちらだろうか? 試乗を通じてモータージャーナリストの吉田拓生が検証する。

「走りの質感、実用的な3列目シート、GLBは日本で大ヒットするだろう」

メルセデス・ベンツ対ランドローバーと聞いてもすぐにピンとは来ない人が多いかもしれない。けれどもし20世紀に「SUV対決」なるものがあったとすれば、ゲレンデ対レンジローバーの一騎打ち以外にあり得なかったのだから、これは伝統の一戦と言えるのかもしれない。

両ブランドの最もホットな戦いは、メルセデスのSUVファミリー7作目となるGLBと、ランドローバーの末っ子、ディスカバリースポーツの組み合わせだろう。新鮮さはGLBの方が上に思えるが、ディスカバリースポーツも2020年モデルでビッグマイナーチェンジが施され、その際プラットフォーム自体が最新に切り替えられている。実は今回の2台はブランニュー同士なのだ。

中心価格帯が600万円前後という点も似ているし、全長4600mm台のボディの長さも40mm違うだけ。7人乗り3列シートが選べ、エンジン横置きというレイアウトも一緒。ディーゼルとガソリンを選べる点も共通項といえる。

「ともに4駆のパワートレインを持っているが、試乗のステージは都会が相応しい」

今回試乗したモデルはGLB250 4マティックスポーツとディスカバリースポーツRダイナミックSE D180。GLBは2リッターターボで224ps、ディスカバリースポーツは2リッターディーゼル180psという部分に違いはあるが、比較したくなる2台であることは確かだろう。

早朝の都心に並んだ2台の最新クロスオーバーSUV。少しの違和感もなくビル群に馴染んでしまうあたり、オフロード由来という彼らの出自はどこに行ってしまったのか? ともに4駆のパワートレインを持っているが、試乗のステージとしては都会の方が相応しいように思う。

第一印象は、メルセデスに少しがっかりさせられた。GLAやGLCのような色気がないし、Gクラスのような実直な押しの強さもない。10人のデザイナーが寄ってたかって意見したような煮え切らない感じは国産大メーカーの作品の如し。

「全体の仕立てはSクラスと遜色なかった190Eのように、メルセデスの伝統は健在だ」

だが運転席に乗り込んでみると、そこは最先端のメルセデスである。小ベンツなんて言われた190Eでも、全体の仕立てはSクラスと遜色なかったが、そんなメルセデスの伝統は健在なのである。リヤシートも広い。3列目シートにアクセスするためシートスライドが付いているのだが、それを目いっぱい下げるとEクラスよりも広いくらいの足元スペースが確保されている。

3列目シートはGLBとディスカバリースポーツと交互に乗り換えて比較してみた。2列目シートバックを倒して乗り込む煩わしさはどちらにも共通するが、一旦乗り込んでしまうとGLBの快適さが光った。足元スペースにも余裕があるが、天井も高いし2列目シートバックの圧迫感もないのだ。どちらも子供のためのスペース的な立ち位置は一緒だが、直接比較するとGLB圧勝。煮え切らないスタイリングは室内の広さに効いているということか。

「現行のディスカバリーやディスカバリースポーツは徹頭徹尾お洒落」

ではディスカバリースポーツの内外装をチェックしてみよう。ドイツの田舎者といった風情のGLBと比べると、ディスカバリースポーツはロンドン出身(?)な匂いが強い。兄弟車であるイヴォークと同じく顏が精悍だし、サイドビューにも躍動感がある。初代から4代目までのディスカバリーは牧歌的で泥っぽかったが、現行のディスカバリーやその弟分であるディスカバリースポーツは徹頭徹尾お洒落なのだ。

同じことは室内にも言える。2色のレザーで仕上げられたシートは1列目のみならず2列目も3列目でもスポーティだ。今回のビッグマイナーチェンジで特に変わったと思えるのはダッシュ周りで、スイッチ数も減り、すっきりとしている。モニターで見る360度カメラの性能も確実に向上しており死角がない。

「ディスカバリースポーツはガソリンモデルが気になるところ」

ディスカバリースポーツの走りは車名の通りスポーティだが、今回のように都心を走らせた場合には不満もあった。ディーゼルであるにもかかわらず発進加速が滑らかではないし、ボディが重たく感じられる。最大トルクは1750rpmから出ているので、9速ATの捌きの問題だろうか。それ以外はちゃんと今日的に仕上がっているので、ガソリンモデルが気になるところだ。

ではGLBの方はというと、これが素晴らしかった。ランドローバーの末っ子が今日的だとすれば、GLBは未来的? というか最新のメルセデスという以外の何者でもない感じだ。ボディはGクラスを彷彿とさせるほど硬いが、足まわりはエアサスのようにしっとりしていて乗り手に優しい。エンジンもターボがしっかりと効く以前から必要なだけのパワーが感じられるのでストップ&ゴーの連続でもストレスがない。

ADAS(先進運転支援システム)もGLBは見事だ。アダプティブクルーズコントロールの加減速は滑らかだし、レーンキープも安心してクルマに任せられる。ディスカバリースポーツもACCとレーンキープ機能を備えていたが、こちらは件のパワートレインのクセもあり、加減速が少し唐突でレーンキープはドイツ的なレベルに達してなかった。

「旦那さんの週末用がランドローバー、奥さんの普段のアシがメルセデス」

スタイリングを重視し、たまにオフロードに踏み込むようなオーナーにはディスカバリースポーツが正解だが、動的な完成度の高さはGLBの方が上。とはいえ個性がかなり違うので、旦那さんの週末用がランドローバー、奥さんの普段のアシがメルセデスなんていう組み合わせも成立すると思う。これからの日本の自家用車のスタンダードともいうべきミッドサイズSUVの両雄。あなたはどちらを選ぶ?

REPORT/吉田拓生(Takuo YOSHIDA)
PHOTO/田村 翔(Sho TAMURA)

【SPECIFICATIONS】

メルセデス・ベンツGLB 250 4マティックスポーツ

ボディサイズ:全長4650 全幅1845 全高1700mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1760kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCターボ
総排気量:1991cc
最高出力:165kW(224ps)/5500rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1800-4000rpm
トランスミッション:8速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後マルチリンク
ブレーキ:前ベンチレーテッドディスク 後ディスク
タイヤ&ホイール:前235/45R20 後235/45R20
燃料消費率(WLTCモード):12.0km/L
車両本体価格:696万円

ランドローバー・ディスカバリースポーツRダイナミック SE D180

ボディサイズ:全長4610 全幅1905 全高1725mm
ホイールベース:2740mm
車両重量:2120kg
エンジンタイプ:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量:1999cc
最高出力:132W(180ps)/4000rpm
最大トルク:430Nm(43.8kgm)/1750-2500rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:AWD
サスペンション:前マクファーソンストラット 後インテグラルリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール:前235/55R19 後235/55R19
燃料消費率(WLTCモード):12.0km/L
車両本体価格:660万円

【問い合わせ】
メルセデスコール
TEL 0120-190-610

ランドローバーコール
TEL 0120-18-5568

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みんなのコメント

8件
  • 旦那さんの週末用がランドローバー、奥さんの普段のアシがメルセデスって、もはや何でもありだな。この調子で義理の父用、従兄弟の奥さん用、はとこの友達用とかやってくれ。
  • ボディサイズが同じクラスでも、ガソリンとディーゼルで機関のクラスは、上位と下位クラスの比較。この比較は参考にならない。同価格帯というレベルだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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