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10年過ぎても圧倒的な加速力 テスラ・モデルS プレイドへ試乗 3モーターで1033ps

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10年過ぎても圧倒的な加速力 テスラ・モデルS プレイドへ試乗 3モーターで1033ps

システム総合での最高出力は1033ps

一部のバッテリーEVが叶える鋭い加速力は、既に周知の事実かもしれない。それでもテスラ・モデルS プレイドのアクセルペダルを踏み込むと、背中がシートへ押し付けられ、ボディは地平線の彼方へすっ飛んでいく。忘れられないイベントだといえる。

【画像】10年過ぎても圧倒的な加速力 テスラ・モデルS プレイド 同クラスのEVサルーンと比較 全122枚

もし条件が許すなら、静止状態から250km/h超の速度域まで、ためらうことなくダッシュを続ける。その間にギアは切り替わらず、ノイズも殆ど発しない。とても不思議なのだが、ポルシェ・タイカンとはスピード感が異なる。

こんな異次元の加速が超高額なハイパーカーではなく、普段使い前提の大型サルーンで達成されていることへ、発売から10年以上が過ぎた今でも驚かずにはいられない。モデルSを指名買したいと思える、大きな理由になり得る。

現在は、右ハンドル車をテスラは提供していない。オプションを除いた英国での車両価格は、11万3480ポンド(約1986万円)から。決してお安い金額ではないが、動力性能を考えれば、お手頃だと表現しても間違いではないだろう。

モデルS プレイドには、3基の駆動用モーターが搭載されている。フロントには427psのユニットが1基、リアには420psを発揮するユニットが2基載り、システム総合での最高出力は1033psに達する。

3基のモーターが、同時に全力で働くことはない。95kWhの容量を持つ、駆動用バッテリーが提供できる電力で制限されている。

世界最高水準にある電動パワートレイン技術

テスラの電動パワートレインの技術力は、今でも世界最高レベルにある。0-100km/h加速を2.1秒(AUTOCARの計測では2.5秒)でこなし、日常的な電費は5.3km/kWhと、エネルギー効率も優秀。多くのメーカーが、まだ達成できていない水準にある。

航続距離は600km。急速充電能力にも長け、残量10%から80%まで、29分で電気を蓄えられる。ソフトウエアが必要だと判断すると、トルクベクタリング機能も働く。

そんなモデルSは、最近になって微妙なフェイスリフトを受けた。特にインテリアは、大幅に刷新されている。

これまでと同様に、テスラは最善を尽くすべきところと、妥協すべきところを巧みにわけている。他を圧倒する電動パワートレインと、車載機能のほぼすべてを司る17.0インチのタッチモニターが、これまでは最優先されてきた。

だがフェイスリフトによって、冷淡で淡白すぎるとも感じられたインテリアにも、改良が施されている。内装の素材が、温かみや上質さを増した。タイカンのように贅沢な雰囲気にまでは届いていないものの、居心地は良くなっている。

通常ならステアリングコラムから伸びている、ワイパーやウインカーなどのレバーが存在しないことに変わりはない。ミニマリスティックな仕上げは従来どおり。テスラにも、レバーの方がベターだと疑問を抱いている技術者はいるように思う。

シャシーの洗練性ではタイカンに及ばず

シャシーの洗練性では、タイカンには届いていない。乗り心地は悪くないものの、高速道路ではロードノイズが小さくない。ステアリングホイールには、細かな振動が常に伝わってくる。

操縦性は、余り深く探らない方が良いだろう。グレートブリテン島の人里離れた道を飛ばすと、ステアリングに課題があると見えてくる。

ステアリングホイールは丸く、安心感を抱ける重み付けがなされ、セルフセンタリング性も悪くない。だが、速度域を高めてもグリップレベルがまったく感じ取れない。

専用設計のミシュランを履くから、グリップ力自体に不足はない。それでも、1000馬力超えの動力性能を考えると、もう少しドライバーへ自身を抱かせる特性が必要だと考える。正確性も、更に高めることはできるだろう。

コーナーへ突っ込むと、フロントタイヤが先に外へ流れる。スタビリティ・コントロールが介入するものの、パワーアンダーステアに陥る場面もゼロではない。トルクベクタリング機能が備わるはずだが、実感は得にくい。

スタビリティ・コントロールの効きを弱め、前後のパワーバランスを調整できる、トラック(サーキット)・モードも選べる。しかし、前後のアクスルへ掛かるトルクを明瞭に実感できるタイカンと比較すれば、制御が巧みだとまでは感じられない。

圧倒的な加速力と長い航続距離は大きな強み

本当にサーキット走行を楽しみたい場合は、カーボンセラミック・ブレーキが追加されるトラック・パッケージを選んでおきたい。車重のかさむモデルS プレイドの場合、標準のブレーキでは過熱気味になってしまう。

秀でた動力性能やトラック・モードの存在を知ると、電動のスーパーサルーンだと受け止められそうだが、実際はそうでもない。最高出力が598psと見劣りしても、同等の価格で選べるタイカン GTSの方がドライバーの充足度は高いだろう。

とはいえ圧倒的な加速力と、長い航続距離は大きな強み。この点へ注目すれば、モデルS プレイドは優秀な電動サルーンだといっていい。

テスラ・モデルS プレイド(英国仕様)のスペック

英国価格:11万3480ポンド(約1986万円)
全長:5021mm
全幅:1987mm
全高:1431mm
最高速度:322km/h
0-100km/h加速:2.5秒
航続距離:600km
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2265kg
パワートレイン:トリプル電気モーター
駆動用バッテリー:95kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:1033ps
最大トルク:−
ギアボックス:シングルスピード/四輪駆動

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みんなのコメント

70件
  • 10年落ちのテスラのバッテリは怖い
  • テスラはいい車なのは分かるけどやっぱり白物家電感がある・・・
    貧乏人なのでブランドイメージで迷う事なくタイカン選びました
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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