衝撃的なほど徹底軽量化が施された車体
2018年7月7日、スバルテクニカインターナショナル株式会社(以下STI)では、30周年記念行事の一環として「STIサーキットドライブ」をつくばサーキットTC1000にて開催。STI単独では初のサーキット走行イベントとして開催された。
このイベントでは、なんと噂のスバルWRX STI TYPE RA-R CONCEPTが初披露された。気になる実車をマニアックにチェックしてみた。
RA-R CONCEPTは現行型WRX STIをベースに各部の軽量化により走る楽しさを純粋に追求したモデルだそうだ。
まずエクステリアの相違点ではチェリーレッドストライプの入るメッシュタイプグリルのほか、なんといっても目を引くのが新形状のドライカーボン製エアロドアミラーカバーだ。ドアミラーカバー上部に設けられたフィンにより、フェンダーから流れる空気を清流し、フロントリフトを低減する働きがあるという。もちろん素材そのものがドライカーボン製ということもあり大幅な軽量化も期待できるアイテムだ。
フェンダーに備わるサイドガーニッシュはS207や208同様ブラックタイプのものを採用。ルーフのブラックカラードルーフアンテナと併せSシリーズにも通じるスポーティなルックスに貢献している。
エンブレム関連ではRA-Rと一目でわかるオーナメントに加え、STI 30周年記念エンブレムも添えられる。
じつはフロントバンパーもよく見るとヘッドランプウォッシャーのノズルが装着されていない。こちらもレス化することで軽量化をはかっている。
車両全体でもっとも軽量化に貢献しているというタイヤ、ホイールでは18インチBBSを装着しホイールでの軽量高剛性化を実現するとともに、国内では市販品を含め初採用となる18インチのミシュランパイロットスポーツ4Sがおごられている。
タイヤ、ホイールトータルでのバネ下重量軽量化により高い運動性を発揮してくれるそうだ。また、小さなポイントの積み重ねという点でもリヤフォグランプやリヤワイパーのレス化を実施。エクステリアだけでも相当の軽量化を果たしているようだ。
このほかにも「見えにくい外装」という部分では、一部のアンダーカバーが省略されている。本来全車に標準装備されるアンダーカバーをレス化することで、RA-R CONCEPTにはカバーを省略した部分にチッピングによる損傷を抑えるアンダーコートを専用で施している。
エンジンルームに目を移すとフードインシュレーターのレス化が目を引く。こうしたちょっとしたものでも前述の小さなものの積み重ねと併せて結果大きな軽量化となるのだ。
また、意外と知られざる軽量化ポイントとして、ウォッシャータンク容量も縮小。4リットルから2.5リットルへと変更されている。ヘッドランプウォッシャーやリヤワイパーが装着されないこともあり、少量でも十分の容量となっているそうだ。
パワーユニットはS208同等の329馬力を発生、ボールベアリングターボを採用しレスポンスも重視している。車両重量は徹底した軽量化により1480kg程度となっているため、圧倒的なパワーと軽さを武器に最強のVABに仕上がっている。
もちろんインテリアでも軽量化ポイントは多岐にわたる。たとえば国内仕様のVABであればシートはウルトラスエードか本革仕様の2択だが、ファブリックとすることで生地もより軽いものを採用。
リヤシートもアームレストやカップホルダーをレス化することで後席の軽量化も果たしている。
細かい部分ではシフレバーのブーツもベースモデルが静粛性や質感を重視した2重構造となっているものが1枚物へ変更されている。
もちろん、シフトノブそのものもジュラコン製のものを使用し、徹底した軽量化が施される。
トランクルームに目を移すとスペアタイヤをレス化し、パンク修理キットとしている。スペアタイヤパン内のメルシートもレス化する徹底ぶり! じつは工場のラインで通常モデルと異なる工程はかなり実現が難しく、レス化するだけでもかなりの苦労があるようだ。
ひとまずコンセプトモデルとしてお披露目されたRA-R。この完成度は市販化へのカウントダウンを感じさせる。
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