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【ヒットの法則455】3代目チェロキーはジープらしい力強さとタフネスさをハイレベルで備えていた

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【ヒットの法則455】3代目チェロキーはジープらしい力強さとタフネスさをハイレベルで備えていた

2008年、7年ぶりのフルモデルチェンジでジープ チェロキーが3代目へと進化した。コマンダーやパトリオットの登場もあって、3代目チェロキーは伝統的なスクエアフォルムに原点回帰。新開発の電子制御4WDシステムを採用したのも大きな話題となった。Motor Magazine誌ではさっそくオフロードとオンロードで3代目チェロキーを試している。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年8月号より)

ぬかるんだオフロードでジープの面目躍如
クライスラー日本によると、ジープグランドチェロキーや三菱パジェロといったSUVモデルの日本での販売台数は、輸入車と国産車の合計で、2003年の18万6558台が、2007年には25万1799台にまで増加したという。

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今回フルモデルチェンジされたチェロキーは、まさにこの人気ジャンルのクルマである。新型チェロキーは、ジープブランドに期待される高いオフロード性能だけでなく、オンロード性能を含めた日常での使いやすさも向上させている。

その最も大きな変化は、4WDシステムを「セレクトラック2 4×4システム」へと進化させたこと。これまでのパートタイム式から、電子制御によって車輪の空転を予測し、前後のトルクを最適に配分するフルタイム式となった。また、左右輪にトルク差が生じた際には、ブレーキロックディファレンシャル(BLD)によって、空転するタイヤにブレーキをかけ、接地しているタイヤのトルクを確保する。これらにより、砂の浮いたような乾燥した舗装路での走行性能も向上した。

セレクトラック2は、センターコンソールによるスイッチで、3つのモードを選択できる。後ろ寄りのトルク配分をベースに、状況によってそれを可変させる4×4オートモードと、前後フルロックとなる4×4ローモード、そして100%後輪駆動となる4×2モードの3つである。

また、急勾配の下りの走行や坂道発進を補助する、ヒルディセントコントロール(HDC)とヒルスタートアシスト(HSA)を初搭載した。これらの機能は、アメリカ本国のグランドチェロキーなどには搭載されるグレードもあるが、日本で販売されるジープブランドのクルマでは意外にも初となる。

試乗にはこうしたオフロード性能を体感するのに、ぴったりのコースが用意されていた。さっそく4×4ローモードでコースインした。コースは朝からの雨でぬかるんでおり、水たまりも深くなっていたが、それらを苦にすることなく走り抜けることができた。

途中、急勾配の下りでは、4×4ローモードでのみ使用できるHDCが重宝した。ギアをローに入れた状態でHDCスイッチを押して作動させれば、1.5km/hで下ることができ、少し余裕がある時にはセカンドに入れると4.5km/hをキープしてくれる。また、坂道発進を補助するHSAも心強く、ジープというブランドからイメージされる、高いオフロード性能を体感できた。

その後の一般道での試乗では、オフロードコースで見せた大きいストロークからは意外なほど、足まわりはしっかりとしており、接地感ある走りを見せてくれた。

また、前後に備えられたスタビライザーが、コーナリング時のボディの傾きをしっかり支え、ロールも抑えられていた。先代と比較して45mm伸びたホイールベース、前35mm/後45mm広がったトレッドとも相まって、安心感を持って走ることができた。

走り終えて、あらためて見た新型は、ひと目でジープとわかる、伝統のセブンスリットフロントグリルや台形のフェンダー、丸型ヘッドランプを持っている。全体のシルエットは、先代の丸みを持った形から、初代に近いスクエア形状となった。こちらの方がよりジープらしいと思う。

インテリアは、インストルメントパネルだけでなく、標準装備となるレザーシートにいたるまでツートーンでまとめられている。そして、リアシートはレッグスペースが38mm広がったこともあり楽に座ることができる。

カーゴスペースは容量を増しただけでなく、汚れた物などを積むときにも重宝する、深さ10cmの防水収納ボックスもカーペット下に備えた。また、先代までリアドアに備えていたスペアタイヤを、ボディ下部に移動させたこともあり、リアドアは跳ね上げて開く形に変更されている。さらに、ガラスハッチのみを開くことも可能で、使い勝手も向上している。

オプションではあるが、スカイスライダー フルオープンキャンバスルーフも注目だ。スカイスライダーが面白いのは前にも後ろにも全開にできるところ。走行中も開閉可能というから、いつでも気分を変えられる。

新型チェロキーは、ハードなオフロードをものともしない力強さと、オンロードも快適に走ることのできる、頼れるクルマだった。(文:川西祐介/Motor Magazine 2008年8月号より)



ジープ チェロキーリミテッド 主要諸元
●全長×全幅×全高:4500×1830×1785mm
●ホイールベース:2695mm
●車両重量:1930kg
●エンジン:V6SOHC
●排気量:3700cc
●最高出力:205ps/5200rpm
●最大トルク:314Nm/4000rpm
●駆動方式:4WD
●トランスミッション:4速AT
●車両価格:444万1500円(2008年)

[ アルバム : ジープ チェロキーリミテッド 3代目 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • ラングレーの外観にチェロキーの快適性で、このチェロキーはイケる!と思っていたら、王道ラングレーから快適な4ドアロングのサハラだかが登場すると、途端にチェロキーが売れなくなって、今じゃチェロキーもFFベースのいわゆるなんちゃって4WDに。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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