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【真冬の採石場でオフロードテスト】スズキ・ジムニー・シエラ(4) 長期テスト

掲載 更新
【真冬の採石場でオフロードテスト】スズキ・ジムニー・シエラ(4) 長期テスト

積算1万8225km 都市部での取り扱いの良さ

text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)

【画像】スズキ・ジムニー(シエラ) 全45枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


出かけた先の立体駐車場で、たまたま先代ジムニー・シエラの隣に停める機会があった。長期に渡ってコンパクトなプロポーションを保ってきたジムニー。新型になって、一回り大きく、ボクシーなデザインを得たことに改めて気付かされた。

先代のジムニー・シエラにもレトロ・クールな雰囲気はある。だが新型の方が、デザインはカッコいいと思う。

積算1万8800km レンジャー・ラプターと悪路テスト

これまで都市部や郊外で、運転しやすく快適な相棒として走ってきたジムニー・シエラ。だが、本来のジムニーの強みでもある、本格的なオフロード走行を試していなかった。

以前からジムニーやジムニー・シエラは、軽量なボディと4輪駆動による走破性の高さを自慢としてきた。長期テスト車のジムニー・シエラの場合、車重は約1135kg。ちなみに、新しいランドローバー・ディフェンダー90の車重は2300kgもある。

今のところ、筆者がジムニー・シエラで走行したオフロードといえば、泥だらけの草地を横切った程度。そこで仕事が落ち着いている1月の月曜日、リンカンシャーのティックオーバー採石場に向かった。ジムニーが期待通りのクルマかどうかを確認しに。

一緒にテストしたのは、フォード・レンジャー・ラプター。この2台でオフロード走行のビデオ撮影も行っている。英国サイトには掲載する予定だから、あわせてご覧いただければと思う。

シンプルなジムニーの驚くほどの走破性

さて、フォード・レンジャー・ラプターの隣に停まったジムニー・シエラは、小人のように小さい。レンジャー・ラプターのボディサイズに、2台のジムニー・シエラが収まりそうにすら思える。

フォード・レンジャー・ラプターも、優れたオフロード走行を前提に生まれたクルマ。こちらはオンロードも得意科目だ。幅広いオフロード・モードを備え、ロッキングデフも装備する。

一方のジムニー・シエラは、シンプル。ロッキングデフもオフロード・ドライブモードもない。ローギアとハイギアが選べる4輪駆動に、ラダーフレーム・シャシー、リジットアクスルが付いているだけ。ブレーキ制御によるトルクベクタリングが付いているのが、目新しいところ。

壮観な採石場を走り始めると、特定の場面でジムニーよりもラプターの方が優れていることは明らかだった。大きな水たまりだ。

ラプターが対応できる水深は最大で850mm。小柄なジムニーは320mmに留まる。ラプターの方がトルクも太く、10速ATもあるから、失速する可能性は遥かに低い。

ではジムニー・シエラはどこまで頑張れたのか。相当に応えてくれた。オフロード走行に慣れている英国編集部のマット・プライヤーは、走破性を少し疑っていた。だが、とてもキツイ急斜面をジムニー・シエラは何の問題もなく登りきった。筆者も驚き、興奮してしまった。

急斜面の1つでは、ヒルディセント、斜面を下ることにも挑戦した。クルマへの信頼感が大切だ。ブレーキペダルに添える足は緊張したが、ジムニーはここでも一切の助けを必要としなかった。

発見したオフロード走行の楽しさ

ビデオ撮影の内容的に、ジムニーがスタックする場所を探した。その状況に近かったのは、ひどくうねった急勾配を登れなかった時だが、実際はバックして下がれたから、スタックしたわけでもない。

採石場にジムニーは勝った。ここ数年、筆者はオフロード走行に縁がなかった。唯一、ランドローバーで計画されたルートを走ったくらい。

今回のオフロードテストで、ラフロードを力強く走り抜けるという喜びを実感した。しかも、ランドローバーよりはるかに安価で、質素なクルマだという点も良い。

軽量でオーバーハングが短いということは、ロックデフがなく、高回転が必要な自然吸気4気筒エンジンという、オフロードマシンとしては心もとない仕様を穴埋めしてくれる。余計な車重がないぶん、ジムニー・シエラは悪路を楽々と走りきった。

自動車の楽しみ方は、出発地点から目的地までのスピードだけではない。サーキット走行も安くは済まない昨今、ジムニーでオフロード走行の限界に迫る楽しみは、筆者にとっては負けないほどのものだと実感した。

テストデータ

テスト車について

モデル名:スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)
新車価格:1万8499ポンド(259万円)
テスト車の価格:1万9149ポンド(268万円)

テストの記録

燃費:13.3km/L
故障:なし
出費:なし

気に入っているトコロ

過酷な地形の走破:小さなジムニー・シエラで走るオフロード走行ほど楽しいものはない。

気に入らないトコロ

高速道路:以前にも触れたが、英国の高速道路はジムニーにとって幸せな場所ではない。

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