ツーリングカーレースが日本で一番熱かった9年間を1冊にまとめた「グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(モーターマガジン社/2970円)」が1月31日から発売されている。ここでは、そこからの抜粋をお届けする。
旧時代と新時代の過渡期。フォード・シエラの快進撃が続く
1988年シーズンの開幕は、1月17日の「新春NRC鈴鹿300km自動車レース」から。ポールポジションは前年の最終戦を制したトランピオシエラ(長坂尚樹/横島久)。セカンドローにはリコーニッサンスカイラインGTS-R、3番にはミノルタスープラターボ(関谷正徳/小河等)と新時代を告げるような配置。決勝ではリコーニッサンスカイラインGTS-R(オロフソン/鈴木)が、トランピオシエラ(長坂/横島)を逆転して優勝。3位にミノルタスープラターボ(関谷/小河)という結果だった。
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第2戦は3月20日に西日本サーキットで開催された「オールジャパン ツーリングカー300kmレース」。予選はトランピオシエラ(長坂/横島)とリコーニッサンスカイライン(オロフソン/鈴木)が激しいアタック合戦の末、シエラがポールに。決勝ではシエラが序盤でサスペンショントラブルでリタイアする一方、スカイラインが順調にラップを重ね2連勝。総合2位にはオートテックM3(W.ホイ/柳田春人)が予選12位から追い上げ入賞した。
6月5日、第3戦「ハイランドツーリングカー300km選手権レース」が開催される。ポールは昨年最終戦から4戦連続でトランピオシエラ(長坂/横島)。2位にはカルソニックスカイライン(和田孝夫/北野元)だが1秒近い差。今回は決勝でもシエラが強くトランピオシエラ(長坂/横島)がシーズン初勝利。2位にはSTPミツビシスタリオン(高橋国光/中谷明彦)が予選位からしぶとく順位を上げ入賞を果たした。
インターTECで国産勢の最上位はスープラターボの2位
第4戦は8月21日、筑波サーキットで開催された「88レース・ド・ニッポン」。暑さとの戦いでもあった。ポールポジションは、狭い筑波でパワーを持て余しつつもトランピオシエラ(長坂尚樹/津々見友彦)で、タイムはほぼ1分フラット。その100分の5秒差で2番グリッドとなったのがカルソニックスカイライン(和田孝夫/北野元)。決勝ではトランピオシエラが第2戦に続きサスペンショントラブルでリタイア。カルソニックスカイラインも終盤に差し掛かるあたりでオーバーヒートでリタイア。変わってピューミニ トランピオシエラ(清水和夫/横島久)が予選5位から逆転優勝を果たした。
9月18日に開催された第5戦「SUGOグループA300km選手権レース」ではフォードシエラの強さが際立つことになる。ポールポジションは昨年から6戦連続でトランピオシエラ(長坂/津々見)。スカイライン勢は2位、3位を占め速さを示す。決勝ではダンロップ シミズ シエラ(E.エルグ/M.サンドロ サーラ)が予選4位から快走。2位にピューミニトランピオシエラ(清水/横島)、3位にトランピオシエラ(長坂/津々見)とシエラが上位を独占した。
最終戦として11月13日に富士スピードウェイで開催された「インターTEC」。ここでは、リコーニッサンスカイラインGTS-R(オロフソン/鈴木)が国産車として初のポール。決勝では予選2位から逃げるピューミニ トランピオシエラ(ニーツビーツ/横島)をスカイラインとスープラが追う展開。スカイライン勢は中盤までに姿を消し、ピューミニ トランピオシエラが優勝。2位にミノルタスープラターボ(関谷/小河)という結果となった。
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当時のレース車両を見ると、ダッシュボードが市販車の形そのままだったり、クルマ好きが身近に感じられるものでした。