BMWから9車種、ミニから2車種
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
【画像】i3、iX3、i4、545e【BMWの電動モデルを写真で見る】 全75枚
BMWはEVのラインナップを飛躍的に拡大しており、今後10年間で新型「i5」や「i7」を含む9車種の展開を計画している。
2030年末までに700万台以上のPHEVと完全EVを販売するという、新しいサステイナビリティ計画「Power of Choice(パワー・オブ・チョイス)」の一環だ。この計画には、ミニブランドのEV2台も含まれている。
オリバー・ツィプセが昨年夏にトップに昇格して以来、初めて指揮する大規模な取り組みとなる。
この計画は、アウディ、ジャガー、レクサス、メルセデス・ベンツ、テスラといったライバルの高級車ブランドに対抗し、BMWをEV市場のリーダーに押し上げ、新車のCO2排出量削減という厳しい目標を達成するためのものである。
これまでBMWグループは、BMWとミニブランドで50万台以上の電動化モデルを販売してきたが、EVやPHEVの新モデルを投入することで、2021年末までにはその数は倍増すると予想している。
また、ミニと長城汽車が中国で設立したばかりのスポットライト・オートモーティブ社などの合弁事業で生産するEVの生産台数も拡大している。
BMWは、今後10年以内に完全EVを460万台販売すると予測しており、これは年間平均46万台で、昨年の4万2249台から大幅に増加している (すべてi3)。
また、PHEVも240万台の販売を見込んでいる。そのため、5シリーズの電動化モデルとなる「545 e xドライブ」を最近発売した。
既存プラットフォームを積極採用
計画では、既存の全モデルにPHEV仕様を追加することを目指しているが、完全EVのラインナップを大幅に増やすことが求められており、当初は少なくとも9車種を発売する予定である。
その中には、先日発表されたiX3をはじめ、5ドアクーペのi4、コンセプトのiNextの市販モデル(iX5と呼ばれる可能性が高い)も含まれている。
BMWはまた、コンパクトSUV「X1」の電動モデル「iX1」も発表しているほか、次世代の5シリーズと7シリーズ・セダンをベースにした新型i5とi7が追加される。
生産計画に精通している情報源によると、次期i4の駆動系を使用して、最新の3シリーズ・セダンの電動モデルを発売する予定だという。現行のi3が生産終了となるため、このEVセダンには、欠番となったi3の名前が採用される可能性が高いようだ。
ミニの計画はあまり明確ではないが、AUTOCARは、最近発表した3ドアの「エレクトリック」に加え、iX1とiX3をベースにしたユニークなスタイルの電動SUVを2台計画しているものと予想している。
BMWの野心的な戦略の基礎は、2011年にEV部門「i」を設立したことで築かれた。しかし、当初の計画ではEV専用プラットフォームを中心としたものであったが、新しい計画は既存のFAARとCLARプラットフォームを中心に構想されたものである。
この「Power of Choice」計画では、X3を皮切りに、主要モデルに最大4種類のパワートレイン(ガソリン、ディーゼル、PHEV、EV)を用意し、同じ生産ラインで生産することになっている。
BMWは当面の間、「あらゆる使用シーンに最適なドライブトレイン」を提供するため、主要モデルにはガソリンエンジンとディーゼルエンジンの両方を設定し続けるとしている。
また、中国での最近の動向を受けて、来年のX5を皮切りに、一部のモデルと市場で水素燃料電池パワートレインの長期リースを開始することも明らかにしている。
計画中のEV全車種紹介
これまでBMWが生産してきた唯一のEVはi3である。2021年からは、iX3をはじめとして、今後数年間で既存モデルのEVバージョンを発売する計画だ。ここでは、開発中の全車種を紹介する。
BMW i1
新型1シリーズのラインナップを電動化したモデル。姉妹モデルのiX1と同様、FAARプラットフォームを採用する。主なライバルにはフォルクスワーゲンID.3などが挙げられる。
BMW iX1
iX1は、2022年に発売予定のコンパクトSUV、X1(第3世代)をベースにしている。関係者によれば、初代 i3の間接的な後継モデルとされている。
BMW i3
まだ確定していないが、新型i3は、i4をベースに3シリーズ・セダンのスタイリングを採用する。情報によると、3シリーズ・ツーリングをベースにしたワゴンタイプとなる可能性も高い。
BMW iX3
2021年に英国で発売予定の後輪駆動SUVで、現行のX3をベースにしている。第5世代の電気駆動システムと、他のEVモデルにも間もなく採用される新バッテリー技術を初めて採用した。
BMW i4
第2世代の新型4シリーズ・グランクーペをベースとし、テスラ・モデル3をターゲットとしている。出力の異なる複数のパワートレインを用意する予定で、レンジトップは530psを発揮するとされている。
BMW i5
2023年に予定されている第8世代の5シリーズには、電動モデルが登場する。i5は当初セダンとして発売されるが、一部の市場ではワゴンバージョンも提供される可能性がある。ライバルには、フォルクスワーゲンID.Vizzionやメルセデス・ベンツEQEの市販モデルが挙げられる。
BMW iX5
すでにBMWのディンゴルフィン工場で試験的に生産されており、2021年に発売される予定である。また、レベル3の自動運転機能も搭載予定だ。
BMW i7
将来のフラッグシップEVは、2022年に予定されている次期7シリーズ・セダンをベースにしているi7だ。情報によると、i5やiX5と多くの部品を共有し、航続距離は740kmに達するという。
BMW iX7
iX5の姉妹車で7人乗り。まだ承認されていないが、情報筋によると、iX7のデザイン案はすでに開発されているという。承認が下りれば、2025年頃に登場する見込みだ。
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