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ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆

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ロードテスト 日産ジューク ★★★★★★★☆☆☆

はじめに

日産の初代ジュークが大ヒットしたことで、Bセグメント級SUVのマーケットが確立したと言ってもいい。今やコンパクトクロスオーバーハッチバックは、欧州でもっとも販売規模の大きいカテゴリーとなった。

【画像】日産ジュークとライバル 全23枚

それゆえ、2代目ジュークが欧州で発売されたのは必然だ。シャシーもエンジンも刷新され、ルノー・日産・三菱アライアンスのプラットフォームが採用された。

そして、先代モデルの登場時より競争が激化していることを考えれば、次のフルモデルチェンジまでは、今回のように9年もかかることはないように思える。

先代モデルとの差異は多い。初代のシャシーは日産のみが使用する専用アレンジで、エンジンはガソリンとディーゼル、駆動方式はFFと4WDが用意された。

新型はガソリンユニットが1機種のみで、ディーゼル車は設定されていない。プラットフォームはルノーのクリオやキャプチャーと共有。生産はキャシュカイとともに、英サンダーランド近くのウィアサイドで行われる。

フォルクスワーゲンやスコダ、マツダにフォードといったこのクラスの後発勢は、強力なライバルの世代交代に興味津々だろう。もちろん、われわれもそうだ。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

新型ジュークのデザインの方向性は、ずっと極秘扱いとされてきた。この数年、それについて日産のデザイナーたちに話を振ると、誰しもがただほほえみながらうなずいた。

彼らが認めたのは、初代を個性的なクルマ足らしめていた風変わりなデザインを、新型でもキープすべきだと十分理解しているということのみだ。

ライバルが増えたこのセグメントを勝ち抜くべく、ジュークの強みを活かすために、大きくスクエアになるのが当然とは考えられなかった。

それでも、新型は先代より大きく、スタイリングもやや一般的なものに近づいた。とはいえ、大胆なラインとディテールのおかげで、独特のデザインやヴィジュアル的インパクトは健在だ。

もしも日産が、先代ジュークで室内の実用性を満足行くものにできていたなら、新型のエクステリアを先代よりプレーンで合理的に仕立てることはなかっただろう。使い勝手の向上は、成功の鍵となるファクターだ。

新型ジュークは拡大したとはいえ、それもほんのわずか。同等の仕様で比較した場合、重量増加もみられるが、それほど大きく違うわけではない。

全長は50mm少々伸び、全幅と全高の拡大は50mm以下。エントリーグレードのビジアでは、先代より19kg重い。ボディがやや大きくなり、装備内容が充実し、室内スペースが広がったことを踏まえれば、その程度の増量に留めたというのは悪くない。

シャシーのベースとなっているのは、ルノーと共用するアライアンスプラットフォームというべきもの。CMF-Bと銘打たれたそれは、刷新されたクリオやキャプチャーにも採用されている。

オールスティールのモノコックは、フロントに独立懸架のストラット、リアにトーションビームという組み合わせのサスペンションを装備。ホイールベースは、100mmも延長された。

今のところ、エンジンの選択肢は999cc直3ターボガソリンのみ。ダイムラーと共同開発したユニットで、新型クリオやアップデートされた日産マイクラ、最新のダチア・ダスターにも搭載されている。

最高出力は117ps、最大トルクは一時的なオーバーブースト作動時で20.5kg-m。トランスミッションは6速MTと7速DCTが用意され、前輪を駆動する。なお、今回のテスト車はMT仕様だ。

今後、パワートレインのラインナップは拡充される見込みで、日産ではガソリンハイブリッドの導入を示唆している。ただし、ディーゼルと4WDの追加に関しては否定している。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

風変わりでファンな初代ジュークのインテリアデザインは、新型ではややトーンダウン。同時に、マテリアルの質感を引き上げ、テクノロジー的な魅力を高めようとした努力の跡がハッキリと見て取れる。

それでもヴィジュアル的なキャラクターは強く、楽しげな要素も明らかに見受けられる。どちらも、より上位のテクナ+グレードを選べば、今回のテスト車よりさらにアップする。

だが、デザインのセンスのよさが受け継がれたとはいえない。その代わり、ライバルに対抗しうるキャビンスペースや質感を手に入れた。

先代ジュークのセンターコンソールは、サイズが非常に大きくて、コントラストのハッキリしたものだった。新型はそれより平凡な形状となり、ボリュームも抑えられた。

デザイン要素は控えめになり、今回のテクナ仕様ではレザートリムが張り込まれた。そこにはスターターボタンや走行モードのセレクター、リング状のアンビエントライトに囲まれたシフトレバーが据え付けられている。

ドライビングポジションはやや高く、わずかながら脚を曲げ気味に座らされる、コンパクトクロスオーバーにありがちなもの。トラディッショナルなハッチバックより、乗降性や外界の視認性には優れている。

メーター類はアナログで、十分なサイズのデジタル式ドライブコンピューター用ディスプレイが、計器盤の中央に鎮座。トリップコンピューターの一般的な項目や、エンターテインメント系の情報を表示する。

もちろん、今やこのクラスでも高級さを売りにするモデルなら、フルデジタルの計器パネルを備えていてもおかしくない。とはいえ、ジュークのアナログメーターが古臭いというようなことはまったくない。鮮明で、シンプルで、好みに合わせて容易に調整もできる。

レザーとクローム調プラスティックを日産が用いたのは、ジュークの上級移行を狙ったことを示している。それなりに成功してはいるが、質感の一貫性がやや不足している。

プラス要素としては、室内スペースの広さが挙げられる。あまりにも実用性に欠けた先代モデルを思えば、そこからの拡大ぶりはなかなかのものだ。

パッケージングや快適性のクラスベストに躍り出たわけではないが、後席と荷室は、かつての最下位レベルからみごとに脱している。

先代ジュークの後席は、背の高い大人ならば乗り込みたくない場所だったが、新型ではまともに座れるようになった。

荷室容量も先代比20%増量の422Lを実現。まだ主なライバルには水をあけられてはいるが、高さ調整式フロアを備え、積み下ろしの際のアクセスがしやすくなっている。

走り ★★★★★★★☆☆☆

新型ジュークのスペックは、ライバルに十分太刀打ちできるパフォーマンスを見せるはずだと思わせるもの。しかし、唯一用意されたエンジンは、このクラスで競争力を発揮するにはやや力不足気味である。

今回は冷たい雨の中でのテストではあったが、たとえドライコンディションであったとしても、その評価が変わることはないはずだ。

0-100km/h加速の公称値は10.4秒。テスト時のコンディションを考えれば、実測値がコンマ5秒程度は遅くなってもしかたないところだ。しかし、その差が最低でも1.5秒ほどに広がるとなれば、話は違ってくる。

ここから推測されるのは、このエンジンが慣らしにかなりの距離を必要とすることだ。さもなければ、単にこのエンジンが、期待したほどのフレキシブルさや速さを備えていないのかもしれない。

変速ありでの48~113km/h加速タイムにも、不安要素が見出だせる。2017年に計測したセアト・アロナ 1.0 TSIは、新型ジュークより非力だが、1秒以上速かったのだ。となれば、導き出される結論も同じようなものとなる。

この3気筒エンジン、全開時には、主観的に見る限り十分に力強く、5000rpm辺りまでよく回る。ただし、真にエンスージアストを満足させるような性質とはいえないが。

低回転域で、ターボのレスポンスが明らかに遅いのは短所に挙げられる。エンジンがパートスロットルにどう反応するかを把握するまでは、わずかながらドライバビリティを損なうハードルになるだろう。

もっともそれは、スポーツモードを選ばない限り、すぐさま大きな問題になるようなものではない。また、スロットルペダルの踏みはじめ数cmをひときわ注意することに慣れてしまえば、それほど気にしなくて済むはずだ。

残りふたつのペダルに関しては、ありがたいことに操作がずっと楽で直観的。ていねいなチューニングが功を奏しているといっていい。6速MTのシフトクオリティはなかなかに軽く、なめらかで、曖昧なところはない。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

最廉価グレードのビジアを除けば、全車に8.0インチのタッチ式ディスプレイを用いるインフォテインメントシステムのニッサンコネクトが装備される。

下から2番目のアセンタでも標準装備で、システムにはApple/Android双方のスマートフォンに対応するミラーリング機能や、リアルタイム情報サービス、リアビューカメラも含まれる。それでいて、車両価格は1万9000ポンド(約266万円)を切る。

Nコネクタ仕様では、ライブ交通情報を受信できるトムトム製の純正ナビゲーションも追加される。これはなかなか出来のいいシステムだ。入力やセッティングの操作がシンプルで、表示も見やすい。これが最量販グレードになりそうだ。

テスト車に装備されていたサラウンドオーディオのBoseパーソナルプラスは、テクナ以上に与えられるアイテム。追加出費を決意する最大の理由にはなりえないが、サラウンドサウンドの広がりは納得の行くレベルだ。

燈火類

ハイビームアシスト付きのLEDヘッドライトは標準装備。明るく、自動減光の反応も悪くない。

ステアリングとペダル

足元は適度に広く、ペダル配置は良好。ステアリングコラムにテレスコピック調整が加わり、初代ジュークのエルゴノミクス面で一番の欠点は解消された。

操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆

おそらく、多くのひとびとがファントウドライブだと認めるクルマではないだろう。それでも、価格帯やサイズが近いクロスオーバーの平均からすれば、スポーティでハンドリングバランスに優れているといえる。

初代はキビキビした走りで、若くエネルギッシュなドライバーにも訴求できるクロスオーバーとなった。新型にもその点は受け継がれているが、さらに乗り心地が洗練され、初代より快適になった。

ステアリングの手応えはほどほどで、自然な速さ。サスペンションは、このクラスではやや硬め。上下方向のボディコントロールは良好でプログレッシブだが、そのぶん乗り心地はクラスベストのライバルよりは多少劣る。

この手のクルマにはそれが欠けていることもあるが、ジュークは路上で小ささの恩恵に預かれるクルマだ。シンプルに俊敏さを感じさせるグリップとボディコントロールを備え、ややソフトでレスポンスに劣るライバルとは異なる趣を見せる。

ターンインでは、ロールによってエネルギーをロスしていると感じることがまったくない。四輪のグリップの均衡を乱すほどロールさせようと思ったら、かなりのスピードで激しく切り込まなければならない。

どんなスモールカーにも劣らぬほど自信たっぷりに飛ばせる新型ジューク。大きく重いクルマだと感じさせられることはまずない。

限界ハンドリングをテストしている間、スタビリティコントロールが非常に効果的であることはよくわかった。また、スイッチがオフになっていると表示されているときには、バックグラウンドでは作動しているものの、介入が抑えられている。

シャシーは、先代モデルではなし得なかったほどドライバーオリエンテッド。エミッション規制の激しい現状にあっても、ニスモ仕様の追加に期待したくなってしまう。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

背の高いコンパクトカーが、そこそこ上級グレードとはいっても19インチホイールを標準装備するというのは驚くべき事実だろう。日産は、このジュークが型通りのクルマではなく、いくつかの点では実に合理的だと即答するのではないか。

それはともかく、そのホイールは乗り心地に悪影響を与えている。ヴィジュアル的な魅力やグリップレベルは高まっているのだが。

A級道路や高速道路の速度域では、背景音として多少のタイヤノイズがキャビンに聞こえてくる。もっとも、かなり低いことは変わらず、このクルマの洗練度を目に見えて損ねるほどではない。

ただ、ロードノイズは路面状況によってレベルが変化する。舗装が荒れていたり目が粗かったりすると、スムースで目の詰まったところよりも悪化するのだ。とはいえ、それが気になってしまうのは、後者から前者へと移ったときくらいだが。

しかしながら、セカンダリーライドはバンプやエッジに遭っても、思うほど雑でドタバタすることはない。プライマリーライドのコントロールぶりは立派なものだ。

鋭い入力はときとして車軸を突き上げるが、ハーシュはほとんどない。運動性能の進歩には多大な労力が注ぎ込まれたとみえるが、同時に乗り心地のチューンもていねいに行われたことがよくわかる。

シートの快適性は良好だが、全体的なサポート性はキャシュカイのレベルに達していない。その一因は、日産がこのクルマのシートバックをスポーティなルックスのモノフォルムとしたことにある。ヘッドレストが一体化されたことで、アジャスト性が低くなっているのだ。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

新型ジュークの価格設定は、フォルクスワーゲンTクロスやプジョー2008、ルノー・キャプチャーといったライバルに対する競争力を発揮できるものだ。

最量販グレードになると見込まれるNコネクタは、8.0インチのタッチ式ディスプレイを備えるインフォテインメントシステムにトムトム製ナビが加わり、キーレス操作やオートエアコン、17インチのアルミホイールなどが装備される。

テクナ仕様へのグレードアップには1500ポンド(約21万円)の追い金が必要だが、フロントシートやフロントウインドウのヒーター、Bose製オーディオ、アクティブセーフティシステムが備わることを考えれば妥当な金額だ。

アドバンストセーフティシールドと銘打った先進安全技術の中でも、アクティブレーンキープとインテリジェントスピードアシストは優秀。これまでテストしたこのクラスのモデルと比較しても、出来のいい部類に入る。

もし、エミッションや燃費を重視するなら、MTよりDCTを選んだほうがいい。今回のテストにおけるツーリング燃費は16.3km/Lで、ボディサイズと背の高いSUVタイプであることを考えれば悪くないのだが、最高レベルというわけでもない。

スペック

レイアウト

プラットフォームは、ルノー・クリオと同じCMF-Bがベース。エンジンはフロント横置きで、トランスミッションはクランクシャフトと直線状に並ぶ。前輪駆動で、現時点では4WDの設定はない。

サスペンションはフロントがストラット、リアがトーションビーム。前後重量配分は62:38だった。

エンジン

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列3気筒999cc、ターボ、ガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ72.2×81.3mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:117ps/5250rpm
最大トルク:20.5kg-m/1750~3750rpm
許容回転数:6400rpm
馬力荷重比:97ps/t
トルク荷重比:17.0kg-m/t
エンジン比出力:117ps/L

ボディ/シャシー

全長:4210mm
ホイールベース:2636mm
オーバーハング(前):857mm
オーバーハング(後):717mm

全幅(ミラー含む):1980mm
全幅(両ドア開き):3540mm

全高:1595mm
全高:(テールゲート開き):2100mm

足元長さ(前):最大1110mm
足元長さ(後):最大700mm
座面~天井(前):最大1030mm
座面~天井(後):最大900mm

積載容量:422~1305L

構造:スティール、モノコック
車両重量:1199kg(公称値)/1256kg(実測値)
抗力係数:0.36
ホイール前・後:8.0Jx19
タイヤ前・後:225/45R19
ハンコック・ヴェンタスS1エヴォ3
スペアタイヤ:パンク修理キット

変速機

形式:6速MT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.73/7.7
2速:2.11/13.8
3速:1.32/22.0
4速:0.98/29.6
5速:0.76/38.3
6速:0.64/45.4
最終減速比:4.438:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:13.4km/L
ツーリング:16.3km/L
動力性能計測時:7.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):13.5km/L
中速(郊外):17.6km/L
高速(高速道路):19.2km/L
超高速:14.9km/L
混合:16.4km/L

燃料タンク容量:46L
現実的な航続距離:615km
CO2排出量:118g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング
後:トーションビーム/コイルスプリング

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.5回転
最小回転直径:10.6m

ブレーキ

前:280mm通気冷却式ディスク
後:260mmディスク

静粛性

アイドリング:41dB
全開時:74dB(3速)
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:63dB
113km/h走行時:66dB

安全装備

ABS/EBD/BA/IEB/VDC/TC/RCTA/LKA
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人94%/子供85%
交通弱者保護性能:81%
安全補助装置性能:73%

発進加速

テスト条件:雨天/気温6℃
0-30マイル/時(48km/h):4.0秒
0-40(64):6.0秒
0-50(80):8.4秒
0-60(97):11.9秒
0-70(113):15.8秒
0-80(129):21.0秒
0-90(145):30.0秒
0-402m発進加速:18.9秒(到達速度:122.6km/h)
0-1000m発進加速:34.6秒(到達速度:150.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
セアト・アロナ 1.0 TSI 95 SE(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
0-30マイル/時(48km/h):3.7秒
0-40(64):5.5秒
0-50(80):7.5秒
0-60(97):10.5秒
0-70(113):14.4秒
0-80(129):18.8秒
0-90(145):27.1秒
0-402m発進加速:17.9秒(到達速度:126.3km/h)
0-1000m発進加速:33.1秒(到達速度:152.4km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):3.6秒(2速)/5.6秒(3速)/8.0秒(4速)

30-50(48-80):4.2秒(2速)/5.6秒(3速)/9.1秒(4速)/12.6秒(5速)/20.8秒(6速)

40-60(64-97):5.8秒(3速)/9.8秒(4速)/13.0秒(5速)/15.2秒(6速)

50-70(80-113):7.0秒(3速)/11.2秒(4速)/15.6秒(5速)/16.3秒(6速)

60-80(97-129):9.6秒(3速)/14.5秒(4速)/18.2秒(5速)/24.0秒(6速)

各ギアの最高速

1速:49.9km/h(6400rpm)
2速:88.5km/h(6400rpm)
3速:141.6km/h(6400rpm)
4速:180.2km/h(6072rpm)
5速:180.2km/h(4709rpm)
6速(公称値):180.2km/h(3966rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2478rpm/2833rpm

制動距離

テスト条件:雨天/気温6℃
30-0マイル/時(48km/h):9.8m
50-0マイル/時(64km/h):26.4m
70-0マイル/時(80km/h):51.9m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.10秒

ライバルの制動距離セアト・アロナ 1.0 TSI 95 SE(2017年)
テスト条件:乾燥路面/気温16℃
30-0マイル/時(48km/h):9.4m
50-0マイル/時(64km/h):25.8m
70-0マイル/時(80km/h):53.8m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

日産ジュークはフルモデルチェンジで熟成し、完成度を高めた。しかしそれより重要なのは、初代の風変わりさを受け継ぎつつ、実用性とマナーを向上し、最大の弱点を改善したことだ。

初代の奇妙なルックスや若々しくエネルギッシュなキャラクターが好みだったなら、それは新型にも見出だせる。後席に大人や大きな子どもを乗せたり、荷室に物を多く積むことがしばしばあるなら、また悪路を走る機会が多いなら、初代よりも不具合を感じることは減るはずだ。

ジュークが誕生した当時、クロスオーバーというジャンルの競争はそれほど激しくなかった。開発された頃には、戦い抜くべきクラスそのものがなかったともいえる。

しかし、その頃と状況は一変した。おわかりだろうが、日産は2代目ジュークを、現在の基準に達するように仕立てた。ただし、このクラスのトップレベルを脅かすほど抜きん出たクルマには仕上がっていない。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダース虫の眼のようなライトで好戦的な初代ジュークの外観は、個人的に好きではなかった。その点では新型のほうが魅力を感じるが、独創性は足りないようにも見える。ただ、ほかによくできた部分の多いクルマだけに、購入者はあまり気にしないのではないだろうか。

サイモン・デイヴィス19インチホイールはベストな選択と思えないが、ホイールアーチとの見た目のバランスはみごとだ。個人的には、市街地での乗り心地がややソワソワするように感じられる。もう少し落ち着いてほしいので、より小径のホイールを選びたい。

オプション追加のアドバイス

Nコネクタとテクナ、両グレードの見積もりをしてもらおう。支払い額の差が小さく、ややノイジーでも気にならないなら、おすすめはテクナだ。追加される装備が、おおむね価値を見出だせるアイテム揃いだからだ。

改善してほしいポイント

・エンジンの再調整を。ペダルの踏みはじめのレスポンスはもっとプログレッシブに、そして高回転域はもっとよく回るフィーリングに。
・もっとパワフルなエンジンの追加を。
・洗練度アップにさらなるコストをかけて、19インチホイール仕様をもっと静かにしてほしい。

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