美しい高原の中に集まるオールドカー
九州各地には、素晴らしいドライビングスポットがたくさん存在します。今回取材で訪れたイベント「瀬の本グランプリ 2024」は、大分県由布市にある湯布院と熊本県の阿蘇を結ぶやまなみハイウェイの途中にある高原リゾート「瀬の本レストハウス」で開催されました。ゴールデンウィークの2024年5月5日、子どもの日の開催ということもあり、会場には一般来場者も含めてたくさんのクルマ好きがあふれていました。
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渡米回数100回を軽く超える、アメリカンイベントの伝道師が主催
「瀬の本グランプリ」とは、スポーツカーやGTカーを中心としたハイグレードなオールドカーの集まりを目指して、2019年に立ち上がったイベントだ。当初はコロナ禍と被ってしまったこともあり、緊急事態宣言などを乗り越えて2024年で5回目の開催を迎えた。
主催は、福岡県朝倉郡で「ZINGY’S CUSTOM CYCLES(ジンギーズ カスタム サイクルズ)」の代表を務める浅川仁義さん。1997年にハーレー関連のパーツや各種アイテムの通信販売事業を立ち上げ、各地イベントなどへの出店販売も開始。また、九州地区で10年以上前に「F.T.W show」という2輪、4輪を含めたインドアイベントを立ち上げた。現在ではモーター系アイテム中心のスワップミート「アサクラメント スワップミート」や、カスタムバイクのミーティング「LOVE CHOPPER」の主催と、九州地区だけではなく、2輪4輪業界では名の知れた方なのである。
今まで仕入れやイベント視察を目的に渡米した回数は、130回ほど。2輪4輪問わず、アメリカのカスタム&チューニングカルチャーを日本のユーザーに伝え、かつ日本独自のカルチャーを継続させる目的もあり、「瀬の本グランプリ」も含めてさまざまなイベントを仕掛けているのだ。
子どもの頃に憧れたクルマを見て、みんなでワクワクしたい
このイベントの特徴は、基本的には1960~1970年代のスポーツカーとGTカーをメインとしていること。スーパーカー世代が親しんだ、当時憧れたハイエンドなクルマが主役だ。当時、クルマの所有は1家族に1台だけが当たり前で、スーパーカーを見かけたら狂喜乱舞。そのような幼少期を過ごした大人たちには、このイベントで当時のキラキラした記憶を思い出してもらう。一方、そんな昔話を聞かされるだけで実体験していない若年層には、その時代を再現して見てもらおう。そんな狙いもあって、「大人になってもこどもの日」という合言葉のもと、5月5日のこどもの日に開催されたのだ。
しかし、当時のハイエンドな車両たちがそれだけたくさん集まることなんて、なかなか難しいのが現状。そのため、1次募集で1960~1970年代のスポーツカー&GTカーの車両が優先募集された。その後、1980年代までの車両の2次募集を開始し、3次募集では1990年代までの車両、最終的には2000年までのセダンやクーペ、軽自動車や商用車なども受け入れた。日本、アメリカ、ヨーロッパと多彩な車種が参加できるように設定されているのが興味深い。
そのため、集まった車種は多種多様。会場入り口には昭和を代表するスーパーカー、ランボルギーニ「カウンタック」とフェラーリ「512BB」がお出迎え。そして、国産車はトミーカイラ「ZZ」といった希少車から、トヨタ2代目KP61型「スターレット」や日産のピックアップトラック2代目「ジュニア」も登場。
アメリカ車では、シボレー初代C1型「コルベット」や3代目「カマロ」、フォード6代目「サンダーバード」など。欧州車では、フィアット「X1/9」、メルセデス・ベンツ3代目R107型「SLクラス」、アルファ ロメオ「スパイダー デュエット」、シトロエン「2CV」など。車種が多すぎて細かく紹介するのが難しいほど、ノーマルもチューニング車も仲良く参加していた。
なお、2025年度の開催に向けたアナウンスはまだ正式にされていない。しかし、ゴールデンウィークのこどもの日の開催で定着しつつあるだけに、参加者と来場者の期待があふれているのは間違いないだろう。次回開催の正式発表まで、首を長くして待たれよ!
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