「SUVは大柄が良い」を打ち破る
text:Kenichi Suzuki(鈴木ケンイチ)
【画像】初代ヴェゼルの功績【初代のデザインを振り返る】 全115枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
ホンダのコンパクトSUVであるヴェゼルの初代モデルが発売開始となったのは2013年12月のことであった。
しかし、筆者(モータージャーナリスト:鈴木ケンイチ)は、そのわずか前となる11月に現車に初対面している。それは東京モーターショーだ。
個人的な話になって恐縮だが、この年の東京モーターショーで筆者は、ガイドツアーの案内役を務めていた。そこで案内していた来場者の方が、新型ヴェゼルに対して「こういうクルマが欲しかったんですよ」といっていたのだ。
その年のホンダは、NSXコンセプトやS660コンセプトも発表しており、そうしたスポーツカーを横にヴェゼルを絶賛する人に「こうした小さいSUVのニーズもあるのか! 」と、驚いた記憶がある。
今となっては、筆者の見識不足といえるが、2010年代前半は、今ほどコンパクトSUVが売れていなかったのだ。
小さなSUVとして、日産からジュークが発売されていたがヒットとはほど遠い状況であった。SUV自体の人気が低迷していたし、1980~90年代のRVブームを知る人間としては、「RVは大きなモデルほど格好良い」との思いもあった。
小さなジムニーも存在していたが、あれは特殊な実用車で、日常的に使うモノとは考えにくかったのだ。
SUVクーペを先取りしたデザイン
そこに登場したのがヴェゼルだ。
センタータンクレイアウトという、Bセグメントのフィットと同じプラットフォームを使った小さなSUVだ。
とはいえ上屋のデザインはクーペ風になっており、今でいうSUVクーペを先取りしていたのだ。
ちなみに、東京モーターショーのはるか前、2013年1月にデトロイトで開催された北米国際モーターショーでヴェゼルは、「アーバンSUVコンセプト」として発表されている。
この時点で「2013年末に日本で発売され、順次グローバルに展開。米国では2014年春に稼働予定のメキシコの新工場で生産をおこない、2014年中に発売する予定」
「フィット、シティ、コンパクトSUV(ヴェゼル)の3モデルをグローバル・コンパクト・シリーズとして2016年末には年間150万台以上の販売を計画している」とアナウンスしていたのだ。
今から考えれば、そんなにおかしな話ではないけれど、2013年の時点では、「コンパクトSUVがそんなに売れるの? 」と不思議に思ったものである。
BセグSUV市場 ヴェゼルが切り開いた?
ところがフタを空けてみれば、ヴェゼルは大ヒットモデルとなる。
2014年は日本国内だけで9万台以上を売って、年間ランキング7位となる。SUVとしては最上位だ。
翌2015年は9位となるが、それでもSUVとしてトップ。2016年も年間8位とベスト10圏内をキープしたのだ。
そして、2020年までに世界累計販売327万台(日本で42万台)を達成する。2013年12月からの販売なので、実質は2014年から2020年まで7年。1年平均で46万7000台という十分な数字を残すことに成功したのだ。
新しいジャンルの成功があれば、当然、ライバルはマネをするもの。
現在、BセグメントSUVは、トヨタのC-HRとヤリス・クロス、日産のキックス、マツダのCX-3が国内市場を争っている。
海外に目を移せば、フォルクスワーゲンのTクロス、アウディQ2、ルノー・キャプチャー、C3エアクロス、プジョー2008、フィアット500X、フォード・エコスポーツが鎬を削るという厳しい状況となった。
ほとんどライバル不在であった2010年代前半とは、うってかわりBセグメントSUVは大激戦区となっているのだ。
そうしたBセグメントSUVの世界的な大ブームを1台で生み出したとはいわないが、それでもヴェゼルがブーム牽引の一助となったことは間違いない。
ライバル伯仲となった今、2代目の戦いは初代ほど楽なものとはならないだろう。どのような戦いになるのかに注目したい。
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みんなのコメント
クーペSUVもスカイラインクロスオーバーがあったし
日産は未来を見過ぎてるのか?商売が下手なのか?
初代の方がカッコ良かったな…